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「勉強はもっと楽しめる。」大学生ならではの面白い学びを子供に

こんにちは、神戸で活動するメディア系学生団体、神戸ライティングチームのライター”SO(そう)”です!

コロナ自粛が続きますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?先の見えない自粛生活に嫌気がさしたり、することがなく、無気力になってしまったりしてしまいがちですよね。今回の取材記事は、「何か始めたいけど、何がやりたいのか…」「いざ行動に移すとなると、ハードルが高い…」そんな風に感じている皆さんに、ぜひ読んでもらいたい記事です!

今回私達は、神戸市西区を中心に活動している教育系学生団体「LearnBo」(ランボ)の、伊藤さん、賀原さんを取材させて頂きました。

LearnBoとはいったいどんな団体なのか、またお二人が活動を頑張れている理由や、考え方・生き方について、とても刺激になる面白いお話を聞くことができたので、さっそく見てみましょう!

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写真左手:伊藤さん(LearnBo代表)、右手:賀原さん

”勉強はもっと楽しめる”

Q  LearnBoとは、どのような団体ですか?

賀原さん:「勉強はもっと楽しめる」をモットーに、主に小学生に、もっと勉強の選択肢を与えるため、イベントなどを企画して活動しています。

私達が与えている勉強の選択肢というのは、勉強への「とっつきやすさ」。一度学校の勉強に置いて行かれてしまった子供達や、勉強嫌いな子供達でも楽しめるような勉強を目指しています。これまでの活動でも、もちろん「学び」にはなるけど、それ以上に「楽しい!」と感じてもらえればOK!というスタンスで、子供たちを「賢いかどうか」という尺度で測らないイベントが多いですね。

いけだちゃん:LearnBoさんは、 「歴史すごろく」や、「あじみ教室」など、子供がゲーム感覚で学びを得られるイベントを開催されています。具体的にどんなイベントしているのか、メンバーの方がそれぞれどんな思いでLearnBoの活動に取り組んでいるのかなどの記事もありますので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!↓↓

LearnBoインスタグラムはこちら!

※LearnBoのイベントに関する記事などはこちら!


”僕ら、大学生のお兄ちゃんお姉ちゃんだからこそ、ライトに教えられる”

Q LearnBoを立ち上げた経緯を教えてください

伊藤さん: 僕は子供の探求心を刺激するような教育を行う中学校に行ってたんですけど、その後公立高校に進学することになり、そこで教える教師とそれまでの教師との熱量の差を感じました。正直、当時は高校の教師に対して「なんてやる気のない人たちなんだ。」と感じていたところもありました。(笑)「勉強というものは教える者の存在がすごく影響するな」と痛切に感じていたので、大学に入り、そのような課題に対して学生である自分に何ができるか考えた時に、「勉強に楽しさを見出せなくなった子供達のために、ただ楽しく勉強を伝えてくれる存在を学校の外側に作ればいいのではないか」と思い、この団体を立ち上げたのです。

学校とかの教育って、教壇に立つ人間は立派な人格者でなければならない!とか、子供にそんなことをさせるな!とか、ハードルがどんどん上がっていっちゃってる面もあると思うんですけど、LearnBoの活動では、俺ら、大学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんだからこそ、ライトに教えられることって絶対あると思うんです。しかも、意外と、そういうことって記憶に残るし、子供たちの意思決定に何かしらの価値を残すんじゃないかなと思っています。学校より影響力が小さいかもしれないけど、着実に子供たちの中に積みあがっていくような、自分達ならではの教育を届けられたらなと思ってます。

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思うだけでなく、実現したい

Q 自ら団体を立ち上げ、運営する。伊藤さんや賀原さんの、その行動力やチャレンジ精神はどこから生まれてくるのでしょうか?

伊藤さん:僕は人生で目指している人間像というものがあります。そこに到達するまでのスキルをいくつかに分けて考えた時に、今この大学生のフェーズでは、自分の団体を立ち上げ、課題に取り組んでいくことが必須だと感じたのが立ち上げのきっかけですね。自己成長の過程なんです。自分の理想の人間像に近づくために、今できることは何なのか。それは「今、大学生の時点で直面している課題にアクションを起こすことだ」と思っています。

賀原さん:私自身は勉強が好きで、あまり苦に感じたことがなかったんですけど、大学生になり塾講師のアルバイトをする中で、本当に勉強を楽しくないと感じている子供たちがいるということを実感しました。この子達に、自分が感じた勉強の楽しさを与えることができたらいいなと思っていた中で、新歓のイベントでLearnBoを見かけ、感銘を受けて参加したんです。LearnBoで実際に感じた成功体験としては、神戸の太山寺でのイベントなどがあります。うまく工夫をすることで、学年が下の子達も上の子達も、自分の役割を果たすことや、他者に教えることなど、貴重な体験をすることができました。さらに、そのイベントは寺子屋をイメージしたもので、お寺の本堂の中で正座をして、半紙に筆ペンで勉強をしたんですけど、そういった非日常の体験自体をすごく楽しんでくれたこともあり、勉強の楽しさを伝えられたのではないかと実感できました。

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SO: 今の自分に何ができるのか、先が見えない中でも自分が一番ワクワクすることに取り組むことが大切なんですね!
いけだちゃん:LearnBoのイベント、本当に楽しそうですね。楽しみながら学ぶということを一番重要視されていることがすごく伝わってきます!

LearnBoの活動に、どうやって興味を持ってもらう?

Q 教育って、利用するのは子供で、金銭的主導権は大人が持っていますよね。つまり、親の理解を得られないと、LearnBoの活動にもなかなか子供たちが集まらないと思うのですが、その壁はどのように越えられましたか?

伊藤さん:この課題の原因は主に2つあって、まず1つ目は「知られていないこと」、2つ目は「子供と親の意識・目的の違い」なんです。LearnBoの知名度についてはこれから着実に積み上げていくと共に、親御さんからの理解を得るためには、LearnBoの活動を「勉強」ではなく「エンタメ」として展開していくことが大事ではないかと考えています。例えばいわゆる進学を第一に考える親御さんに対し、LearnBoの活動を「勉強」として売りだした場合、「LearnBoで得られる体験は、受験においてこのような効果があります!」という売り出し方になりますよね?そうなると実績のある有名塾の方がいい、となるのは関の山です。そうではなく、私達はこの活動を「エンタメ」として提示しています。学習塾と同じ土俵で戦わないことが大事で、エンタメとして展開することで、「楽しい」に焦点が寄るので、幅広い子供達にアプローチできるし、親御さんも純粋に「遊びの場」として子供達を参加させてくれる。それがこの団体の目的とも一致します。でも、結果的に届けるのは「学び」なので、教育活動であることにも変わりはないんです。

SO:塾など、既にあるフィールドと同じ場所で戦うのではなく、自分達でフィールドを作って、そこで戦うという、活動展開における工夫をすることで自分達のやり方自体に価値が生まれてくるのですね。

子供に、どんなことを知ってほしい?

Q 教育界では昨今、アクティブラーニングを取り入れていこうとする流れがありますけど、もし伊藤さんと賀原さんが教員だったら、どんな授業をやってみたいですか?

伊藤さん:そうですね。僕なら、3つやりたいと思っています。1つが社会に触れる経験を増やすこと。子供たちが見ている社会って表層的なものである場合が多いと感じ、いい意味で、現実というものは複雑に絡み合っているものだと知ってもらいたいですね。例えばコンビニに並ぶアイスにしても、そこまでにあらゆる工程を通ってきてそこにあるわけです。そういう普段の生活の中では気づかない裏側を知るだけで、子供たちの世界を見る目は変わると思うんです。なので、普段は知らない社会の裏側まで知ってみるという授業がやりたいのが1つ。

2つ目は子供たち同士で教えあう形を増やしてみたいということです。例えば、算数が得意なA君が算数が苦手なB君に教える。逆に国語が得意なB君が国語が苦手なA君に教える。それを通して、人には特異不得意があってそれを補い合いながら人は生きていくということを学校というコミュニティで実感できたら大きいと思いますね。

3つ目が、討論すること。例えば北欧の教育で実際にあるんですけど、生徒が実際にある政党の一員になったつもりで討論会をしているんです。その討論会のルールは一つで、何かしらの理由で一人でも出られない政党があれば、その討論会自体が中止になるんです。つまり、偏った意見に絶対によらないようにしているんです。これって、自分で進む道を決めるきっかけにもなっているんです。前代社会の風習として、声の大きい者について行ってしまうところがありますよね。確かに他人任せにすることはすごく楽なことかもしれないけど、あえて両極端の情報を聞いて「自分ならどうするか」を考える機会を与えてみたいですね。

SO: 確かに自分と向き合い、あらゆる情報を聞いて自分がどうするかを決めるということはとても大事なことですね。物と情報で溢れている今の社会だからこそ自分の軸を立てて生きていくことが大切かもしれませんね!

賀原さん:私は生き方と科目についてやりたいことがそれぞれ1つずつあります。まず生き方に関しては今の自分を見つめ直すという経験をさせてあげたいです。私は浪人時代に、「なぜ勉強をするのか」「なぜこの大学でないといけないのか」「なぜそれを学びたいのか」という風に今の自分の気持ちと過去の自分を振り返ったんです。そうするとそれが本当の自分を見つけられるきっかけになったんです。このように自分を見つめ直す機会があると、「自分が本当は何がしたいのか」「自分が勉強をする理由」が明確になって未来像が見えやすくなるんです。なので、私は生き方に関しては自分を見つめ直すという機会を与えてみたいです。

もう1つは英語に関することです。私は英語に関しても自分で作ったものから気づいてもらう、感じてらうという経験をして欲しいと考えています。理科を勉強するってなった時に、実際に実験をした方が自分の記憶に残りやすかったという経験は多くの人がしていると思うんです。英語でも同じように、自分たちで文章を作ってみて、分類する。そこには第1文型などの堅苦しいものは一切いらない。自分たちで分かりやすいように作っていってそこから気づきに出会って欲しいと考えています。

また、LearnBoの一員としてやってみたいと思うことは、”自己投資”を教えることです。私は浪人時代自分でお金を貯め、教材を買ったり予備校に行ったりしていました。この、自分で苦労して貯めたお金を、さらに大変なことに使って、未来のために何かをするっていうのがすごく自分の中でいい経験になったんです。そういう経験って大人にならないと味わえないなって思っていて、それを小さいうちに経験させてあげられたら、将来の選択肢も増えるだろうし、今してる勉強とかも、もっと意義のあるものに感じられるのではないかと思います。

SO:与えられたものではなく、自分で体験・体感したものから得られるものってありますよね。それが正しいか間違いかは問題じゃない。自分が感じたこと、気づいたことに価値があるんですよね。これは今の大学生や大人たちにも言えることかもしれませんね。

勉強は、自分の人生を豊かにしてくれるかもしれない一つの”踏み台”

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Q 最後に、LearnBoにとって勉強とはどのようなものでしょうか?


伊藤さん:いい意味で、自己実現のための踏み台ですね。色々な種類の踏み台がある中の一つであって、それを選ばないといけない訳でもなくて、ただどの踏み台を使って行きたい所に行くかはその子自身が決めること。たかが踏み台、されど踏み台ですね。

賀原さん:自分の人生の選択肢をふやし、人生を豊かにするものです。色々なことを知っていることで、世界の見え方が変わったりしますよね。普段見落としてしまうことに、ちょっと気づけるようになるだけで人生が少し楽しくなったりするんです。こういう風に自分の人生を豊かにするものですね。

まとめ

いけだちゃん:いかがだったでしょうか。お二人の教育に関する問題意識や熱意、そして実際にそれをLearnBoという団体の活動に落とし込む勇気や行動力の強さを感じました。お二人がこれまで自分の進むべき道を自問し、道を決めてきたからこそのLearnBoの誕生であり、子供達にも楽しい勉強を通じてより多くの選択肢や考え方を増やして欲しいという想いがとても素敵だと思いました。

取材記者:SO、いけだちゃん

ライター:SO、いけだちゃん

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