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【超具体的解説】 「シズル感」で読者の心を鷲づかみにしたい? だったらこう書くべし! 

文章力を構成する要素の一つに「シズル感」がある。

「それ、なに?」って人もいそうなので、ちょっとだけ解説しておく。
もともとは英語の「sizzel」という語から生まれた言葉。
「sizzel」というのは肉を焼く様子を表す「ジュージュー」という擬音語であり、ひるがえって感性に訴える臨場感を示す言葉として、国内では使われている。

つまり、文章における「シズル感」とは読み手の脳内に特定のシーンを映写するような、感性に訴える性質と言える。

すべての案件に盛り込む必要はないが、販促系や「どちらかといえば信頼性より引きが欲しい」クライアントの案件ではけっこう重要だ。
シズル感があると読者の関心を引きつけられるので、WEB案件であれば離脱率を引き下げられる。

では、どうやったらシズル感を出せるのか?
以下にその基本的な方法を3つ紹介する。

①文章の長短でリズムを作る

【Before】
たこ焼きを上手く焼くコツは鉄板の位置による火加減の違いを覚えておくことと、食用油を穴の底にたまるほど多めに使うことだ。
たこ焼き用の鉄板には穴がたくさんあいているが、家庭用のたこ焼き器では特に、穴ごとに加熱の度合いが違うので、意識せずに焼くと焦げたものと生焼けのものができやすい。

【After】
たこ焼きを上手く焼くコツは2つ。鉄板の位置による火加減の違いを覚えておくことと、食用油を多めに使うことだ。特に油は穴の底にたまるほど使うといい。
たこ焼き用の鉄板には穴がたくさんあいている。家庭用のたこ焼き器では特に、穴ごとの加熱度合いが違うので、意識せずに焼くと焦げたものと生焼けのものができてしまう。

◆解説

Beforeは全文長め、Afterは短い文章と少し長い文章を織り交ぜている。
音読してみるとよくわかるが、Afterの方がリズム感がある。
自身で音読してみてもいいが、できれば誰か他の人が読むのを耳で聞いて比較してみてほしい。
リズムがある文章には生き生きとしたイメージを感じるはずだ。

②文頭・文末や用語を口語調に寄せる

【Before】
たこ焼きを上手く焼くコツは2つ。鉄板の位置による火加減の違いを覚えておくことと、食用油を多めに使うことだ。特に油は穴の底にたまるほど使うといい。

【After】
ほな、よう聞きや。たこ焼きを上手く焼くコツは2つあるんや。鉄板の位置による火加減の違いを覚えておくことと、食用油をようさん使うことや。

◆解説

Beforeは用語や文頭・文末に特段の工夫がない。一般的な記事の書き方。
Afterはたこ焼きというアイテムに寄せて、関西弁を使っている。
文頭には「ほな」という感嘆詞をつけた。
文末は「や」という大阪弁の助動詞もしくは接尾辞。
こういった表現を用いることで、読者の頭には「関西出身のたこ焼き屋さん(おそらく中年男性)がイメージされる。

今回は大阪弁を用いたが、他の方言や若者言葉、高齢者の言葉などでも同様の効果を実現できる。
コツは「著者」のカテゴリーがよく使う言葉を用いることである。

③読者への問いかけを入れる

【Before】
ほな、よう聞きや。たこ焼きを上手く焼くコツは2つあるんや。火加減の違いを覚えておくことと、食用油をようさん使うことや。

【After】
なんや、たこ焼きを上手く焼くコツを聞きたいんかい? ええか、コツは2つや。鉄板の位置による火加減の違いを覚えておくことと、食用油をようさん使うことや。

◆解説

Afterでは問いかけを入れることで、より会話調の文章になっている。
読者はたこ焼き屋を営む大阪の中年男性と会話しているような強い「シズル感」を覚えるはずだ。

【まとめ】

例文をいくつものパターンで書き分けてみたが、どれかが正解というわけではない。
ターゲットやペルソナ、訴求したいイメージなどに合わせて、案件ごとにシズル感を調節してみてほしい。

同じ内容を何通りにも書き分けられれば、多様なクライアントに最適のテキストを提供できる。
サンプル原稿を出す際に、3パターンくらい作って提出すると、クライアントの評価も上がる。
案件によっては、そういう策で自身を差別化するのもありだ。


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