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「橋梁銘板・塗装記録表コレクション」(2)手賀大橋

(2)柏ご当地ナンバーの橋「手賀大橋」
      (千葉県柏市/我孫子市)

 「橋梁銘板・塗装記録表コレクション」第1回は、千葉県の「手賀大橋」です。

  手賀大橋の地図(Google maps)


 手賀沼は、千葉県では印旛沼に次いで広い沼で、面積約6.5km2、周囲長約38km。サイクリングロードも完備されていて、広さ的にはトライアスロン大会の会場にもってこい!といったところです。

 ただ、水質は“残念なレベル”のようです…。

サイクリングロードから望む手賀大橋

 そんな手賀沼に架かる橋が「手賀大橋」です。

2-1 柏のご当地ナンバーは手賀沼の花火大会

 実はこの手賀大橋、柏のご当地ナンバーにも描かれる、柏市では代表的な橋です。ご当地ナンバーには、毎年夏に開催される「手賀沼花火大会」が描かれています。

 ちなみに、ご当地ナンバーの「寄付金あり」の図柄では黄金色になっていますが、実際の橋の色は「寄付金なし」の色の方が近いです…。

手賀沼の掲示板 コロナの影響がこんなところにも

2-2 2000年施工、 FC一括架設のアーチ橋

 工事を手掛けたIHIインフラシステム(大阪府堺市)によると、手賀大橋の仕様は以下のようになっています。

発注者:千葉県
橋梁形式:アーチ橋
架設工法:トラッククレーンベント工法+FC一括架設
施工年度:1996年(1期)、2000年(2期)

 橋の上部は片側2車線になっていて、その両脇に歩道が割と広めに作られています。橋の上からの景色は抜群です。

橋の上部
のどか~な眺め

こちらが手賀大橋の「銘板」です。 「銘板」は1~6工区 に分かれています。

【1工区 】
:補剛桁A1~J11 アーチリブA1~J10/1995年3月/千葉県/道示(1994)B活荷重/使用鋼材:SM570.SM490YA.SS400/製作:株式会社サクラダ

【 2工区 】
:補剛桁J11~J18 アーチリブAJ10~J18/1995年3月/千葉県/道示(1994)B活荷重/使用鋼材:SM570.SM490YA.SS400/製作:㈱宮地鐵工所

【 3工区 】
:補剛桁J18~J26 アーチリブAJ17~J24/1995年3月/千葉県/道示(1994)B活荷重/使用鋼材:SM570.SM490YA.SS400/製作:松尾橋梁株式会社

【 4工区 】 :補剛桁J26~J34 アーチリブAJ25~AJ32/1995年5月/千葉県/道示(1994)B活荷重/使用鋼材:SM570.SM490YA.SS400/製作:駒井鉄工株式会社

【 5工区 】
:補剛桁J・アーチリブJ34~J38/1995年4月/千葉県/道示(1994)B活荷重/使用鋼材:SM570.SM490YA.SS400/製作:高田機工株式会社

【 6工区 】
:補剛桁J38~A2 アーチリブAJ25~AJ32/1995年4月/千葉県/道示(1994)B活荷重/使用鋼材:SM570.SM490YA.SS400/製作:㈱東京鐵骨橋梁製作所

2-3 使用塗料は日本ペイントのエポキシ& フッ素塗料

続いて「塗装記録表」。
「塗装記録表」 は1~4工区 に分かれています。

【1工区 】
:塗装年月日1997年3月/塗装会社:下塗(株式会社サクラダ)、中塗・上塗(朝日塗装株式会社)/塗装材料:下塗(エポキシ樹脂MIO塗料)、中塗・上塗(フッ素樹脂塗料)/塗料製造会社:下塗・中塗・上塗(日本ペイント株式会社)

【2工区 】
:塗装年月日1997年3月/塗装会社:下塗(株式会社サクラダ・株式会社宮地鐵工所)、中塗・上塗(株式会社ハンワ)/塗装材料:下塗(エポキシ樹脂MIO塗料)、中塗・上塗(フッ素樹脂塗料)/塗料製造会社:下塗・中塗・上塗(日本ペイント株式会社

【3工区 】
:塗装年月日1997年3月/塗装会社:下塗(駒井鉄工株式会社・高田機工株式会社・株式会社東京鉄骨橋梁製作所)、中塗・上塗(松室塗装工業株式会社)/塗装材料:下塗(エポキシ樹脂MIO塗料)、中塗・上塗(フッ素樹脂塗料)/塗料製造会社:下塗・中塗・上塗(日本ペイント株式会社

【4工区 】
:塗装年月日1997年3月/塗装会社:下塗(駒井鉄工株式会社・高田機工株式会社・株式会社東京鉄骨橋梁製作所)、中塗・上塗(澤田塗装工業株式会社)/塗装材料:下塗(エポキシ樹脂MIO塗料)、中塗・上塗(フッ素樹脂塗料)/塗料製造会社:下塗・中塗・上塗(日本ペイント株式会社

2-4 記録表は腹板にあるとは限らない…

 ところで、これらの「塗装記録表」は実際に現地に行って撮影しているわけですが。

 前回の(1)はじめにでご紹介させていただいたように、千葉県の「土木工事共通仕様書(第3編土木工事共通編 p36)」を見ると、「塗装記録表」を掲げる場所は、基本的には『橋体起点側(左)または終点側(右)の外桁腹板に』となっています。しかし、それはあくまでも基準のようで、手賀大橋の「塗装記録表」が記されてあったのは…

 橋の外桁にあるものだと思い、下の地図の[1]→[2]→[3]→[4]→[5]→… と、それこそ橋の端から端まで探し歩いたのですが、最後の最後で、スタート地点 [1] 付近で発見しました。

 まさに灯台(橋梁)もと暗し…。

ただ、なかなか見つからない…というのが、「銘板」や「塗装記録表」探しの醍醐味なのかも知れません。

2-5 手賀大橋(おまけ写真)

橋の欄干
剥がれ…
上空を飛ぶ 海上自衛隊下総航空基地のP-3C
橋下の釣りスポット

次回は 「呼塚跨道橋」

 「橋梁銘板・塗装記録表コレクション」、次回は柏市呼塚交差点の「呼塚跨道橋」(柏立体交差高架橋)をご紹介したいと思います。


©2019 Tominaga Mikuni


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