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橋梁銘板・塗装記録表コレクション(5)舞浜大橋

(5)こちらもディズニーお膝元「舞浜大橋」

前回の江戸川第一橋梁に続き、今回もディズニーお膝元の現場からお届けいたします!「舞浜大橋」です。…と言っても、この写真を撮影したのは2年前ですので、現状とは若干異なるかも知れませんが、ご了承ください。

5-1 首都高速湾岸線を挟んで両隣

こちらが舞浜大橋の位置を示したGoogleマップ。

Googleマップ(舞浜大橋)

前回の江戸川第一橋梁の地図とほとんど変わらないじゃないか!」と、お気付きの方は大変するどいです! 実際にお隣りです…。


「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」なんていう映画が前にありましたが、舞浜大橋を下から見ると、こんな(↓)感じ。

赤錆びた方が舞浜大橋
首都高速をはさんで海側にも橋があります

横から見ると、こんな(↓)感じ。

横からというか、斜め下から見ていますが…

舞浜大橋は、東京湾岸道路(神奈川県横浜市~千葉県富津市)の一部を構成する橋梁で、首都高速湾岸線を挟んで海側(ディズニーランド側)と内陸側(旧江戸川の側)に分かれています。海側の道路を、船橋方面に行く場合は旧江戸川が見える道路を通ります。

東京湾岸道路がどのような位置にあるか、どのような目的で作られたかについては、首都国道事務所の資料「国道357号東京湾岸道路 千葉県市川市二俣~東京都江東区辰巳区間」が参考になります。

参考資料
首都国道事務所「国道357号東京湾岸道路 千葉県市川市二俣~東京都江東区辰巳区間」 (※PDFが開きます)

計画図(平面図・横断図)に、舞浜大橋と周辺の橋梁の位置関係、高低などが分かりやすくまとめられています。どうやら、渋滞緩和と物流の効率化を目的に作られた道路のようです。


こちら(↓)は、舞浜立体道路のホームページ。

「令和2年6月28日開通」とありますので、私が現場訪れた日からちょうど1カ月後に開通したと思われます。

入札情報サービス(PPI)」によると、「舞浜立体」の他にも、国土交通省関東地方整備局千葉国道事務所の「R1国道357号舞浜大橋(海側)舗装補修工事」(鹿島道路)、「H29国道357号舞浜大橋(山側)橋梁補修その2工事」(横河ブリッジ)、「H30国道357号舞浜大橋右岸ランプ橋(山側)塗装工事」(清水塗工)が、当時行われていました。

山側の補修工事のお知らせ

5-2 舞浜大橋の銘板

本日のお題。まずは、舞浜大橋の銘板を紹介します。
え~~、こちら(↓)が……

舞浜大橋の…銘板???

旧江戸川橋
1982年8月
関東地方建設局
道示(1980)一等橋
使用鋼材:SMA50、SMA41 SS11
製作:(株)東京鐵骨橋梁製作所

「舞浜大橋」ではなく「旧江戸川橋」と書いてあります。

関東地方整備局の資料によると、国道357号の施工年度のうち、昭和54年~平成元年頃までのところに「舞浜大橋(旧江戸川橋)」とありますので、もともと「旧江戸川橋」と呼ばれていたようです。

▶ 参考資料:国道357号東京湾岸道路 (※PDFが開きます)

名盤の「製作」のところに記された「(株)東京鐵骨橋梁製作所」というのは、今の「日本ファブテック株式会社」です。


こちら(↓)はペンキ塗りたて、目がチカチカするバージョンの銘板。

目がチカチカして見づらいですが、製作会社が異なります

旧江戸川橋
1982年5月
関東地方建設局
道示(1980)一等橋
使用鋼材:SMA50A・B、SMA41A
製作:日本鉄塔工業株式会社

作られたのは、目がチカチカしない方の銘板の3カ月前。製作会社は日本鉄塔工業です。


5-3 舞浜大橋の耐震補強工事の記録表

こちらは(↓)耐震補強工事の記録表。私も初めて見ました。

コンクリートについて書かれています

構造物名称 舞浜大橋 PL-2
工事名称 舞浜大橋耐震補強その1工事
工期 自)平成27年 8月12日
   至)平成28年 8月31日
発注機関名 国土交通省 関東地方整備局 千葉国道事務所
適用基準 道示(H24)、コンクリート標準示方書(H24)
設計基準強度 巻立てコンクリート・鞘管コンクリート 24N/mm2
水セメント比 巻立てコンクリート・鞘管コンクリート 52%
設計会社名 株式会社エイト日本技術開発・首都技術株式会社設計共同体
設計責任者名 高木 正行
施工会社名 株式会社 新井組 東京支店
監理技術者名 汐口 ●
コンクリート工場名 高浜生コン 新木場工場

耐震補強工事では、落橋を防ぐためための耐震装置が取り付けられたようです。


5-4 塗装記録表 
 施工会社は清水ペイント、塗料は日本ペイント

まずは、新しめの塗装記録表。

塗装年月 2018年2月
塗装系 NU-WF-2系
塗装会社 下塗
     中塗 清水ペイント株式会社
     上塗
塗料材質 下塗 水性エポキシ樹脂塗料
     中塗 水性エポキシ樹脂塗料中塗
     上塗 水性ふっ素樹脂塗料
上塗塗色 ウォーターサイドブルー色(65-70B)
塗料製造会社 下塗 
     中塗 日本ペイント株式会社
     上塗

上塗塗色「ウォーターサイドブルー色」というのが、しゃれおつ(もはや死語)な感じで。「色だけなんで漢字やねん!」という突っ込みもありつつの…。


こちらは(↓)かなり古めの塗装記録表。

塗装会社も塗料製造会社もナイショ♥

塗装年月 昭和57年9月
素地調整 ●●清浄度1種
プライマー エッチングプライマー(2種)
下塗1層 鉛系さび止めペイント(1種)
下塗2層 鉛系さび止めペイント(1種)
下塗3層 フェノール樹脂MIO塗料
中  塗 塩化ゴム系中塗り塗料
上  塗 塩化ゴム系上塗り塗料

「清浄度1種」というのは「1種ケレン」のことで、旧塗膜を全て除去するものです。仕様は、中上塗りに塩化ゴム系を使うかつての仕様で、下塗り今は亡き鉛系も使われています。


5-5 次回は「旧江戸川右岸取付橋」

次回は、地上から舞浜大橋に上る「旧江戸川右岸取付橋」と、その近くにある陸橋の塗装記録表を紹介いたします!


©2022 Tominaga Mikuni


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