Wren

反逆家。音楽屋。創作人。 Pan-Pot Record \ RösenDorfer

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  • 創作の記憶

    これまでに履修してきた作品の思い出語り 僕を形成していきた創作物の履歴 思いつきで書くので内容も順番も更新も適当 チラシの裏に書いてる気持ち

  • 歌詞カード

    Pan-Pot Recordでリリースした楽曲の歌詞カードです。 一部の歌詞カードには楽曲解説がついています。

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【歌詞カード】Ily

Wrenです。 クリエイターたる者、同志でありライバルでもある人の作業風景や制作手法・拘り・創作思想にめっちゃ興味ありません? 僕はあります。 よく聞かれるものでは「曲はどこから作りますか」とか「曲と詞どっちを先に作りますか」みたいなものがありますが、僕は「どういう想いを込めて(ロックを持って)この詞を書いたんだろう」とか「このワードを選んだのはどうしてだろう」とか「この場面で転調した意図は……」「どう考えたらこんな曲の構成が思いつくんだ?」「使用機材は?」等々、良い音楽

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    • サタデー・ナイト・フィーバー

      今日は土曜日で夜に更新、ということで「サタデー・ナイト・フィーバー」(以下「SNF」)をお題にしたい。 ジョン=トラボルタ氏の華やかなダンスシーンが有名だし、いかにもフロアが熱狂していそうなタイトルをしているから、クラブのロマンスを描いた作品ですみたいな顔をしているが、実際はそんな楽しい物語ではない。 行きたいところへ行ける人とそうでない人の明確な隔たりと、実力者でありながらその評価が正当に評価されたものではないことへの「興醒め」にも似た苛立ちがスクリーンに映し出されている。

      • 帰ってきたヒトラー

        アドルフ=ヒトラーといえば人種差別と大虐殺の代名詞として今も世界中で最も慎重に扱うべき名前の一つである。 その名前を出した、その仕草を真似た、その格好を真似た、それだけで糾弾されることもある名前は今も昔も彼以外に存在しない、紛う事なき「悪名」である。 そんな彼を扱うというコンセプトだけでも大変センシティブなのだが、「帰ってきたヒトラー」はあろうことかコメディーとして扱ったのだから、世界中で賛否の嵐を起こした。 ――というここまでは原作の小説の話であり、それを映像化したというの

        • フランダースの犬

          今でもアニメの感動するシーン特集みたいな特番では必ず出てくるし、あのパトラッシュと共に天使に導かれながらひっそり息を引き取るシーンは誰もがよく知っている。 しかし、この「フランダースの犬」をちゃんと通して履修した人となると一気に少なくなり、僕ら世代では100人に1人いるのかどうかというレベルなのではなかろうか。 それもそのはず、「世界名作劇場」で放送は1975年。 加えて50話以上もあるからそう簡単に手出しできるものではない。 しかも世界名作劇場とは名ばかりで実は世界では大

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        【歌詞カード】Ily

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          マッドマックス

          「世紀末」といえば「北斗の拳」か「マッドマックス」のどちらかを思い浮かべる人が99割(※ネットミーム)だろう。 音だけ聞いたなら音だけにデーモン小暮閣下の方を思い出す人もいるかもしれないが(笑) さて、そんな世紀末=文明が廃れ暴力が支配する時代というイメージが強いが、初代の「マッドマックス」は治安こそ死んでるもののみんなが思い浮かべているような世界ではない。 モチロン革ジャンやら銃火器の類はモリモリだし敵も味方も暴走族みたいな感じではあるのだが、トゲが生えてる鎧みたいなものを

          マッドマックス

          トイ・ストーリー

          仮にどんなに駄作だったとしても、世界初の完全フルCG長編アニメというだけで全クリエイターには必修科目となる映画。 90年代の映画はCGが使われるようになって一気に映画のスケールが飛躍した時代だと思うのだが、個人的に「トイ・ストーリー」と「ジュラシック・パーク」だけは絶対に抑えたい作品だと考えている。 今だから分かるが、当時のスペックのコンピュータなんて性能は高が知れてるワケで、一体全体どれだけの時間を費やしてモデルを作りアニメに動かしレンダリングをして映像作品にまとまったのか

          トイ・ストーリー

          仮面ライダークウガ

          平成仮面ライダーシリーズの記念すべき第一作「仮面ライダークウガ」(以下「クウガ」)をリアルタイムで視聴していたチビの頃の僕は、当時5歳。 初めて見た特撮作品であると共に、特撮の沼への入口でもあった。 「クウガ」に感化された僕は親に頼んで昭和ライダーを片っ端からレンタルビデオで見まくり、ゼクロスとか真みたいなものまで見た。 それに飽き足らずスーパー戦隊シリーズも少し見始めたが、地元の影響もあってかウルトラマンやゴジラの方へとシフトしていったのでそちらには明るくない。 「クウガ

          仮面ライダークウガ

          リコリス・リコイル

          1クールのテレビアニメを見て、「面白いけど2クールでやってほしい内容だったな……」と思う作品は結構ある。 そういう作品は大抵は原作付きで、アニメオリジナルは1クールで綺麗に収まる風呂敷の場合が多い。 ところが「リコリス・リコイル」(以下「リコリコ」)は珍しくそれに当てはまらないパターンで、そこだけが唯一もったいないと思う作品だ。 同じパターンで個人的に真っ先に思いつくのは「Angel Beats!」なのだが、こちらは「リコリコ」以上にもったいなくて壊滅的な最終話に悔しさすら

          リコリス・リコイル

          リング

          邦画ホラーの話をしようと思ったら、「リング」を避けて通ることはできない。 映像作品に留まらず、多くの和ホラー作品に多大な影響を与えている「リング」だが、原作は小説三部作。 二作目の「らせん」は映画化されていた気がするが、三作目「ループ」はどうだったかな……。 それほど映画としての「リング」のインパクトは強く、原作を離れて「リング2」のようなシリーズ化、そして「貞子」というキャラクターが独り歩きしていった。 内容としては当時には既に一つのジャンルとして確立していた「呪いのビデ

          リング

          シザーハンズ

          いつの自体もどこの世界でもマイノリティーというものは目立ち、煙たがれてしまう。 マイノリティーの最小単位は「個」だと思っていて、つまりは自分と同じ人は自分しかいないと考えている。 それを発信していきたいという気持ちを込めて、RDという音楽をやっている。 「シザーハンズ」は思い出話から始まり、ある視点からはバッドエンド、ある視点からはグッドエンドで幕を閉じる。 この構成は「タイタニック」や「スタンド・バイ・ミー」と同じだ(後者はどちらともつかないエンドが一番ニュアンスに近いが

          シザーハンズ

          ゴッドオブブラックフィールド

          「ゴッドオブブラックフィールド」(以下「GOB」)は、昨今のWebtoon旋風の初めの頃から配信されていて、その広告を見た人も多いだろう。 僕にとって初めて読んだWebtoon作品でもあるのたが、それもピッコマの広告を兎に角あちこちで見かけたからだ。 韓国らしい絵柄だが、内容は大雑把には転生モノ、ジャンルはアクションといったところだ。 転生といいつつも日本国内で現在メジャーなファンタジー風ゲームの世界への転生ではなく、現代間というのがやや新鮮か。 国内の転生ジャンルでは男性

          ゴッドオブブラックフィールド

          鬼滅の刃

          ビッグタイトルを批判すると四方八方から槍が飛んでくるので、ひっそりやっている内に評価を示しておこうという狡賢い精神でこの記事を書く。 結論から言うと、僕の中では面白いと思った要素が一つも無かったというのが正直な評価である。 逆張りでも何でもなく、アニメ化前は目もくれなかったし、アニメ版「鬼滅の刃」が世間一般で大ブレイクの傍らで、僕はアニメを1話で切っていた。 その後、友人から1クールだけでも見てくれと言われ、1クールしっかり見終えた後、そこで切った。 これまでも度々言ってい

          鬼滅の刃

          キルミーベイベー

          きらら枠ながら大コケをし、しかしネットミームとなって蘇った「キルミーベイベー」。 兎にも角にも「持っている」作品……と一見思えるが、逆境を活かすマーケティング力の結果であると思うし、元を辿れば代えの効かない中毒性のあるコンテンツ力の成せる業だと思う。 アニメ放送時は急激にアニメの本数が増えていた頃だったし、ビッグタイトルも並んでいたから、円盤以前にリアルタイムでは分が悪かった。 作品自体もシュール系で動きが少なく、そのあたりも見劣りしたのではなかろうか。 シュールさを逆手

          キルミーベイベー

          夢喰いメリー

          僕がオタク全盛期だった頃、アニメにおいて「きらら枠」と呼ばれるくらい、まんがタイムきらら系列の作品がアニメ化されて固定の支持層がいた。 大体はふんわりと柔らかめで緩い作品、日常系が多い印象なのだが、レーベルによって差別化されている。 「夢喰いメリー」はアクションファンタジーといったところで、絵柄は可愛いが少年誌のような超常バトルが格好良く、周りの評価はイマイチだったが僕は好きだった。 評価が低い理由は単純明快で、アニメはオリジナルの展開が正直つまらない。 作中で重要な立ち位

          夢喰いメリー

          ガールズ&パンツァー

          2010年代のオタクであれば「ガルパンはいいぞ!」とガルパンおじさんから営業されたことがあるだろう。 実のところ「ガールズ&パンツァー」(以下「ガルパン」)は良い。 程よく頭がお花畑で見ていられて、程よくアツい展開があり、程よくミリタリー欲を埋めてくれる。 良くないのは作品の内容に対して細部までリアルを詰め過ぎた結果、TVシリーズも劇場版も伸びに伸びたことぐらいである。 乙女の嗜み・戦車道!という突飛でワケの分からんアイデアが主軸となっていて、「ストライクウィッチーズ」や「

          ガールズ&パンツァー

          JOKER

          これほど怖いと思った映画は無い。 上映当時、世界中が文字通り正しく「熱狂」し、賛否両論が渦を巻いた。 それはまさしく「JOKER」で描かれているものそのままであり、故にこの作品が如何に現実に即しているか、現実に起こり得るかを証明しているし、そして何よりもそのジョーカーに成り得るかということに旋律した。 前置きが遅れたが、今回取り上げる「JOKER」は俗に「ホアキン版」と呼ばれるものだ。 元ネタとしてDCの「バットマン」に登場する悪役・ジョーカーであることは既知の事実であるが