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意外と知らない紙の話#02 紙は厚みで選べない!?

こんにちは。WRAPALLETです。

皆さまの身近には、コピー用紙や紙袋・本などのたくさんの紙がありますが、コピー用紙や本の紙の厚みが何㎜だか意識したことがありますか?

「いやー、意識したことないから分かんないですね」という方が多いのではないでしょうか。

それもそのはず、一般的に紙は厚みの数値で選ぶ習慣がないんです。実際に、紙を選ぶ見本帳には紙の厚みの表記がないのが業界では通常です。

では、紙はどうやって選ぶのでしょうか。
「意外と知らない紙の話#02 紙は厚みで選べない!?」では、選び方について重さを中心にお話していきます。

紙を厚みで表記できない理由

そもそも、紙を厚みで表記しないのは何故なのでしょうか。
それは紙の厚みというものが一定な数値ではないからです。

理由は二つあります。

理由1:繊維の集まり方による微妙な誤差
まず、紙の厚みは均一ではありません。
肉眼でみると一定のように感じますが、ピーコック(紙の厚みを測る機械。1単位:μm)で測定すると、測定する部分によって1〜2μm程度誤差が出てくる紙もあります。

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紙を製造する際、どろどろのパルプを網に流し、プレスしながら乾燥させて紙にしていきますが、繊維の集まり方によって厚みの差ができます。また、同じ方法で紙を作っていても、湿度や温度の影響を受けて紙が膨張・収縮してしまう場合もあります。
(※ここ10年の話でですが、印刷用紙などの平滑性が高いものに関しては、見本帳に厚みが表記される場合も増えてきました。)

理由2:バリエーション豊かな紙の仕様
紙によっては、エンボス模様が入っていたり、繊維感を出しているものがあり、厚みの基準が付けにくいものがあります。また、コースター原紙のようにクッション性がある紙は、測る人の加減によって誤差が生じやすくなります。

よって、厚さを紙の基準とすることは難しく、紙業界では重さが厚みの違いを表す基準として使われています。

紙の重さを表す基準

紙の重さを表す方法には、「連量」と「坪量」の二種類あります。

PALLET PAPERに使用しているダンデレードCoCを例に出しますと、
「連量」で表記すると「ダンデレードCoC 四六判 60kg
「坪量」で表記すると「ダンデレードCoC 70g/m²
と2パターンで紙の重さを伝えることができます。

連量(れんりょう)とは
連量とは1連の重さのことで、単位はkgで表示します。
※1連(1R)とは紙1,000枚(板紙の場合:100枚で1ボード連・1BR)のことです。
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連量は1連分の紙の重さなので、同じ紙でも紙のサイズによって重さが違ってきます。例えば、ダンデレードCoCの70g/㎡は菊判だと41.8kg、四六判だと60kg、ハトロン判だと75.6kgの重さになります。連量を使う場合は、「ダンデレードCoC 四六判 60kg」というように原紙サイズと連量をセットで表記しないと1つの紙を示すことが出来ないので注意が必要です。midashi_意外と知らない紙の話#02-05

連量はサイズごとだから、異なるサイズだと重さを比較しにくい…
そんな場合に使われるのが次にお話する坪量です。

坪量(つぼりょう)
坪量とは、紙1m²当たりの重量のことで、「g/m²」で表示します。坪量は紙の重さに関する元となる数値です。米坪(べいつぼ)、メートル坪量などと呼ぶこともあります。midashi_意外と知らない紙の話#02_4

坪量は紙1m²当たりの重量なので、サイズがバラバラな紙の重さを比較するときに便利です。

紙の重さを計算する方法

紙を選ぶとき、坪量を見れば原紙サイズが異なっていても同じ厚みかどうかを判断することができますが、原紙サイズと連量しか表示されていないことがよくあり、これでは同じ厚みかどうかすぐに判断することができません。
その際、重さの計算方法がわかると便利なので、ぜひ使ってみてください。

●連量を計算する場合

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(例)ハトロン判 坪量100g/㎡の場合

1.坪量(g/㎡) × 面積(㎡)で、紙の重さを計算する。
100(g/㎡)×1.080=108(g)

2.紙の重さに1,000を掛けて、1連(1,000枚)の重さを出す。
108(g)×1,000=108,000(g)

3.1連の重さ(g)を1,000で割って、単位をkgに直す。
108,000(g)÷1,000=108(kg)
よって連量は、108kgと求められます。

●坪量を計算する場合

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(例)ハトロン判 連量108kgの場合

1.連量(kg)÷面積(㎡)で割り、1㎡あたりの重さ(kg)を求める。
108(kg)÷1.080(㎡)=100(kg/㎡)

2.1,000枚の重さを紙1枚の重さにする。
100(kg/㎡)÷1,000枚=0.1(kg/㎡)

3.1㎡あたりの重さ(kg)に1,000を掛けて、単位をgに直す。
0.1(kg/㎡)×1,000=100(g/㎡)
よって坪量は、100g/㎡と求められます。

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紙の重さの選び方

紙の重さの選び方は…
あるようでありません!!

重さが同じだったとしても、多くの繊維が固められている高密度のものだと、ハリ感があってしっかりした紙になります。逆に繊維の隙間が多く空いている低密度のものだと柔らかい紙にとなり、少しずつ触感が異なります。

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商品開発の話

弊社が商品開発を行う際には、大まかな紙の選定を数値で行い、最終的に実物を触って確かめるようにしています。

WRAPALLETBook Wrapperは、数千種類の紙からブックカバーとして使い心地が良い紙を選定しました。例えば、クロコGA とギンガムGA が 四六判  100㎏を使用していますが、使用感を統一するために、タントは  四六判 100kgではなく、四六判70㎏を採用しています。

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おわりに

長くなりましたが以上になります。
紙をお選びになる際の参考になると幸いです。

皆様のご意見やご感想お待ちしております!
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