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カウンターフレンチで2人のパパ活女子に挟まれて考えたこと


先日、夫が都内の某カウンターフレンチの席を用意してくれた。一斉スタートスタイルの店だったので、なんとなくお客さん同士で意識し合うわけだが、私たちの左右に座ったのが見事にパパ&パパ活女子カップルだった。

割と高級店だったので(客単価4〜6万くらいか)、パパ活女子も割とハイレベルな外見で、右はおそらく30前半、左は25あたりといった感じの女子だった。

右側はもしかしたらパパ活というより銀座のお店の女の子とお客さんだったかもしれない。とにかく金が介在していることは疑いようがない雰囲気だった。彼女は10月というのにノースリーブのマカロンピンクのワンピース、ダークブラウンの髪はハーフアップにして、デカデカと「FENDI」と書かれたヘアクリップをつけていた。お客はというと筋のように残ったわずかな髪を頭頂に丁寧に並べてこだわりのメガネ(金子眼鏡かな)をかけ、どことなく文化的な雰囲気を漂わせる推定60代の男性であった。FENDIの彼女を見る目から察するに、彼女のことを心底気に入っているのだろう。可愛くて仕方ないという様子で彼女を眺めていたし、心底幸せそうだった。彼女はというと、一斉スタートであるにも関わらず10分遅刻して来店し所構わずパシャパシャやっていた。そのバーコードおじさんに際限なく自分の写真を撮らせたり、自撮りをしたりしているところを見ると、おそらくインスタとかやっているのだろう。ちょっとおたふくっぽい平安的な輪郭ではあるものの、お肌は艶やかで黒子ひとつなく、ネイルデザインも手がこんでいて、いかにもメンテナンスに金かかってそうな容貌だ。バーコードとも長い付き合いらしく、(かつ自分への好意を確信しているらしく)割と堂々と自分の意見を言い、好き勝手振舞っていた。彼もきっとそういうところを愛おしく思っているんだろう。要するにうまいこといってそうな組み合わせである。お手当はこの食事で2〜3てとこだろう。もしかしたら買い物に行くのかもしれない。でも彼女の身につけているものから推定するに(最高額でも15万程度のアクセサリーしか装着していない)、大したものは買ってもらえないのかもしれない。※すべて勝手な妄想です

左側は見るからに「キャピ〜!!!」という感じで、お人形さんのような人工的なまつ毛に完全にリデザインされた目鼻口、体のラインがはっきりと出る薄手のニットにミニスカートという出で立ちだった。「私、可愛いんで」と顔に書いてあった。こちらはポニーテールにデカデカと「CHANEL」と書かれたリボンをしていた(なんだ?パパ活界ではブランドロゴの入ったヘアアクセサリーが流行ってんのか?)。比べるのも失礼だがFENDIちゃんよりもこちらのCHANELちゃんの方が戦闘力は数段高そうである。CHANELちゃんは何かを口にするたびに、まるでプログラムされたbotのように「え〜!!おいし〜っ!!!!」「うふふっ」「すご〜い!!」と常に一定のテンションで喜び続け、パパに底抜けの愛嬌を振りまき続けていた。隣のパパはいかにもIT系社長ですみたいな雰囲気の今風の成り上がり系小金持ち的男性。小綺麗でシンプルなスーツを着用し髪もまだ潤沢に生えているのでバーコードパパのようなあからさまな「金にモノ言わせてます」感は見えにくいものの、カウンターに隠しきれない、3つ子でも妊娠していそうな、食事前からすでにはち切れそうなお腹がすべてを物語っていた。そしてこのCHANELちゃんは一瞬の隙もなく完璧にプロだった。彼女はこのフレンチのコースの3時間弱の間、マジで素を見せなかった。店のスタッフに対しても、他の客に対しても、シェフに対しても同じ熱意でニコニコとしていた。完璧なペルソナの下にその本性を隠してプロの仕事をしていた。この子はかなり稼いでいるだろうと私は踏んだ(この子が食事の後買い物に行くといったら10〜30万くらいは楽勝であろう)。こっちのITパパは結構羽振りが良さそうで、値段も全く気にせずとにかく良いグラスワインを頼みまくり、また会話から聞かれる店の名前はどれも一流高級店ばかりだった。そのお腹が語る通り、美食を楽しんでおられるようだ。そしてCHANELちゃんにどハマりしているというわけでもなさそうだった。CHANELちゃんはまだ「追い&狩り」モードなのである。CHANELちゃんが追いかけるのだからそれだけリターンが望める獲物なのだろう(ちなみにこの推測は会計時のITパパのカードによって正しかったことが証明された)。頑張れ、CHANELちゃん、と声に出さずに呟いた次第である。

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上記のような(面白い)状況に、私は気もそぞろだったわけだが、ここは決して気前がいいわけではない夫が珍しく連れてきてくれた高級店。私は「滅多にこんなとこ来れないから感動!しているし両脇のパパ活のことは知識がないのでよくわからない」女として振舞わねばならない。

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