子ども時代の新興宗教のこと、寄る辺ない人たちのこと、いつかの神様のこと
池田大作氏が亡くなったという記事を目にしたせいだろう。ここ最近、遠い過去の記憶がポツポツとよみがえるようになった。
ずいぶん昔に消え去ったと思っていたのに、まるでつい最近のことのように鮮やかに。
人間の記憶って、面白いものだ。
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今専門家として振り返ると、私の母はかつて神経症圏に位置する状態にあったのだと思う。
子どもの流産を経験し、夫からは社会に出ることを禁じられ、怒鳴られ、人権を侵害するほど活動を統制されるうちに、じわじわと精神を蝕んでいった。
彼女は元来は