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まだ知らないお菓子の世界を巡る - 世界の郷土菓子20選

トライフル (Trifle)、イギリス

イギリスの伝統的な郷土菓子。洋酒を染み込ませたスポンジケーキやジャム、カスタードクリームなどを層状に重ねて、生クリームとフルーツで飾りつけをしたデザートです。

かつては余ったスポンジケーキなどあり合わせの材料で作られていたことから「つまらないもの」という意味合いがあるそう。


ゼッポレ ディ サン ジュゼッペ (Zeppole di San Giuseppe)、イタリア

イタリアのお菓子。揚げシューのような生地に、カスタードクリームと果実のシロップ漬けを乗せたもので、イタリアの父の日(3/19)に食されます。

この日はイエス・キリストの養父/聖ヨセフ(サン・ジュゼッペ)を祝う日でもあり、一説には彼が揚げ物屋を営んでいたことから、このお菓子が食べられるようになったのだとか。


ウェルッシュケーキ (Welsh Cake)、ウェールズ

ウェールズの伝統的なお菓子。ウェールズ語で「ピカーラマイン(=石の上のケーキ)」を意味し、平たい鉄板で焼き上げて作られます。

生地の中にカレンツ(干しブドウ) やスパイス(シナモンやナツメグなど)が加えられたもので、バターを塗ったり、砂糖をまぶしたりしていただきます。


アプフェルシュトゥルーデル (Apfelstrudel)、オーストリア

オーストリアの伝統的な郷土菓子。リンゴやレーズンやナッツ、シナモンを薄く伸ばした生地で巻いて焼き上げたお菓子です。トルコのバクラヴァにルーツを持つといわれており、およそ400年の歴史を誇ります。


トンプース (Tompouce)、オランダ

オランダの郷土菓子のひとつ。パイ生地にカスタードクリームが挟まっているお菓子で、生地の表面にはピンク色のアイシングがコーティングされています。

キングスデー(国王の日)などの祝日には、オランダのナショナルカラーであるオレンジ色のアイシングで覆われたトンブースが店頭に並びます。


カタイフィ (Kataifi)、ギリシャ

ギリシャで親しまれているお菓子の一つ。「天使の髪」とも呼ばれる細い生地(フィロ生地)を焼いて、その上からシロップをかけて作られます。

生地の中央にはクルミやアーモンド、ピスタチオが入っています。カタイフィのルーツは中東にあり、地域によってバリエーション豊かなものが楽しめます。


ロスコン デ レジェス (Roscon de reyes)、スペイン

スペインのクリスマスのお菓子。ドーナツ型の生地に砂糖漬けしたフルーツやナッツが散りばめられたケーキで、1月6日の公現祭(3名の賢者がキリストの誕生を祝福した日)に食されます。

ケーキの中には陶器の人形や豆が入っており、前者は幸運が訪れ、後者はロスコンの代金を支払わなければならないルールがあるそう。


ドナウヴェレ (Donauwelle)、ドイツ

ドイツ、オーストリアで親しまれている伝統的なケーキ。サワーチェリー、バタークリーム、ココア、チョコレートなどを使用して作られるもので、名称は「ドナウ川の波」を意味します。

生地の色合いがグリム童話「白雪姫」の描写に似ていることから「白雪姫のケーキ」と呼ばれることもあります。


クルトシュカラーチ (Kürtős Kalács)、ハンガリー

ハンガリーやチェコ、ルーマニアで親しまれている焼き菓子。ハンガリー語で 「クルトシュ(Kürtős) = 煙突」、「カラーチ(Kalács)= ケーキ」を意味します。

 棒にパン生地を巻きつけて回転させながら焼き上げるお菓子で、シナモン・ココア・ナッツなど様々なフレーバーがあります。


クレームシュニッタ (Kremšnita)、クロアチア

クロアチアのサモボルで生まれた郷土菓子。カスタードクリームとメレンゲが2層になったクリームをパイ生地で挟んだお菓子です。

クロアチアの広い地域で親しまれているものですが、他の地域では冷たく、サモボルでは温かくして食べるのが特徴です。


キーライムパイ (Key Lime Pie)、アメリカ

アメリカ・フロリダ州発祥のお菓子。グラハムクラッカー・クラストにライム果汁や卵黄、コンデンスミルクを加え、冷蔵庫で冷やして作られます。

フロリダキーズ列島で採れるキーライムが使われており、フロリダ州公式のパイとしても認定されています。


コンチャ (Conchas)、メキシコ

メキシコの代表的な菓子パンの一つ。スペイン語で「貝殻」を意味するこのパンの表面は、貝殻模様をした砂糖のコーティングで覆われています。

中にクロテッドクリームが入った “コンチャ イ ナタ”もあります。そのままで頂いても、ホットチョコレートに浸して頂いても〇。


ゼリースライス (Jelly Slice)、オーストラリア

オーストラリアとニュージーランドで親しまれているデザート。ビスケット生地にコンデンスミルクのゼリー、フルーツのゼリーの3層で構成されています。

伝統的なものはイチゴのゼリーを使ったものですが、他にもマンゴーやパッションフルーツを使用したゼリースライスもあります。


スフガニヤ (Sufganiyot)、イスラエル

イスラエルの郷土菓子の一つ。苺ジャムがたっぷり入ったドーナツで、ユダヤ教の祝祭 “ハヌカ”に食されます。

ハヌカはB.C.1、ユダヤ人がエルサレム神殿を奪還したことを記念するお祭りで、期間中はハヌキアと呼ばれる燭台に1灯ずつ明かりを灯す習慣があります。


ロクム (Lokum)、トルコ

トルコの郷土菓子。15世紀頃からオスマン帝国の宮廷菓子としてまで作られていたもので、世界でもっとも古いお菓子のひとつとされています。

ギリシャや欧米でも親しまれており、英語では “Turkish delight”(トルコの悦び)という名で知られています。


パシュマク (Pashmak)、イラン

イランの伝統的な綿菓子。ゴマや砂糖などから作られるもので、その名称はペルシア語で「羊のような」を意味します。

基本的には単体で食べられることはなく、デザートや果物などに添えられていることが多いそう。ローズウォーター/サフラン/バニラなど様々なフレーバーがあります。


Photo by Sefer azeri

シェチェルブラ (Shekerbura)、アゼルバイジャン

アゼルバイジャンの代表的なお菓子。クルミやヘーゼルナッツ、粗糖(精製していない砂糖)がクッキー生地に包まれた焼き菓子です。

餃子のような見た目が印象的で、生地の表面には幾何学模様が施されています。一口かじるとナッツと粗糖のザクザクとした食感とカルダモンのエキゾチックな香りが口の中に広がります。 


カオニャオ・マムアン (Sticky Rice with Mango)、タイ

タイの伝統的なデザート。甘く味付けしたもち米に冷たく冷やしたマンゴーを添え、上からココナッツミルクをかけたもので、マンゴーが旬を迎える4月~5月に多く出回るそう。

意外な組み合わせですが、タイにはもち米を使ったお菓子が多く存在します。


豆花 (Douhua)、台湾

台湾で親しまれているスイーツ。豆乳を固めたものに、ピーナッツ/タロイモ/タピオカなどのトッピングやシロップをかけたデザートです。

その発祥は中国で、漢王朝時代には豆花の原型が生まれていたそう。台湾ではスイーツとして愛されていますが、中国では食事としてのメニューも豊富です。


ハロハロ (Halo-Halo)、フィリピン

フィリピンの氷菓子。ミルクやシロップをかけたかき氷に、果物や甘く煮た豆・芋類、タピオカ、アイスクリームなど様々なトッピングが乗ったデザートです。

その名称は、タガログ語で「ごちゃまぜ」を意味し、実際にかき混ぜて頂くのがフィリピン流です。



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