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不確実な未来を積極的に柔軟に捉える『積極的不確実性』

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

『積極的不確実性』という考え方について。

人生は意思決定の連続であり、誰もが自身の意思決定を通して、自分の人生をより良くしたいと考えています。

ただし、キャリアに関する意思決定には複雑な要素が絡み合っていることが多いので、さまざまな理論や考え方を学びつつ、自身が信頼できて尊敬できる誰かを見つけて、助言を求めることも大切です。

『積極的不確実性』を提唱したのはジェラットさんですが、ジェラットさんが当初提唱していたのは『合理的な意思決定モデル』でした。

『予測システム』『価値システム』『決定基準』という意思決定プロセスがあり、「意思決定はサイクルである」と述べたようです。

◆予測システム:考えられる選択肢によって予測される結果を想定する。
◆価値システム:予測システムで検討した結果の望ましさを評価する。
◆決定基準:価値システムによって評価された選択肢の中で、適切なものを選択する。

ジェラットさんは、このような合理的な意思決定モデルを提唱してきましたが、そのモデルを改定して、新しい意思決定の枠組みとして『積極的不確実性』を打ち出しました。

積極的不確実性意思決定は合理的に行うのではなく、直感や非合理的な側面(心の声)を重視して行うべきものである。

合理的な意思決定モデルを提唱していたのは、「未来は予測できるからこそコントロールできる」という前提があったからです。

ただ、時が流れて、「現在は変化の多い時代であり、未来は予測不可能である。だからこそ、不確実性を積極的に捉えて、柔軟になっていこう。」という考え方になったことで、『積極的不確実性』を提唱するに至りました。

意思決定は『情報』『調整・再調整のプロセス』『行動選択』から成り立ち、この3つの要素を理解することで、不確実性を積極的に捉えていくべきだと考えたようです。

◆情報:現代において、事実はどんどん変化している。今日正しいものが、明日は正しくないかもしれない。また、我々が得ている情報は氷山の一角にすぎない。情報として得られる事実は、送り手や受け手の解釈によって変化する。
◆調整・再調整のプロセス:信じることをやめない限りは、頭で考えるよりも多くの可能性を秘めている。重要なのは事実と主観のバランスで、それを調整・再調整していくことが大切である。
◆行動選択:論理的な思考で意思決定するのではなく、直観や創造性などを使って意思決定するのが大切。論理的思考を扱う左脳だけでなく、直観的思考を司る右脳も使いながら意思決定をしよう。論理的な思考だけで意思決定をすると、誰が意思決定をしても同じ結果になるが、そんなわけない。その人の個性が意思決定には反映される。

『積極的不確実性』についてまとめていると、『ファスト&フロー』のシステムの話が繋がってきました。

私たちにはシステム1(速い思考)とシステム2(遅い思考)があると述べています。
システム1の働き:直感や経験に基づいて、日常生活で大半の判断を下しています。例えば物の距離感や音の方角の感知など、自動車の運転をする際に働く。
システム2の働き:発動には集中力が必要とされる。例えば、たくさんの文字の中から必要な情報だけを抜き出す、聞こえてきた言葉が何語かを聞き分ける、といった働き。

人間が狩猟生活を送っていた頃は、速い思考が生き延びるために必要でした。しかし価値観や生活様式が複雑化した現代では、速い思考だけでは対応しきれないことが山ほどあります。もちろん、小さな判断の度に立ち止まって遅い思考を作動させていたら、脳が疲弊しきってしまいます。ただし速い思考の直感的な判断を無条件で信用せずに、何か引っかかるな、と思ったら遅い思考のスイッチを入れる癖をつけてみると、より良い判断が下せるようになるかもしれませんね。と
は言え、「直感は7割正しい」と、かの羽生善治棋士も言ってますし、これに対して加藤一二三先生は「直感は9割正しい」と持論を述べています。直感はこれまでの経験から人が一瞬で弾き出す回答である、という話もありますので、直感の精度を上げる、というものとても大切であることは間違いないですね。

つまるところ、意思決定においては直観も大切だし、論理的な思考も大切。

両方があってこそ『自分』だから、意思決定においては両方の観点を持っていきましょう。

直感と論理的思考を両立させることができたら、自分の意思決定に自信を持てるようになるか、自分の自分で肯定することができ、心をラクにできます。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。

他のnoteも読んでいただけると嬉しいです。


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