むかし書いた韓国コラム #371

 日本の酢豚にあたるのが韓国のタンスユクだ。中華料理店でおそらく最も人気のある大皿料理だろう。日本ではあまり食べなかった酢豚だが、韓国に来てからは大人数で中華料理屋に行けばだいたい酢豚が注文されてしまうので食べる機会が多い。

 酢豚をめぐり日本ではしばしば不毛な議論が展開される。「酢豚にパイナップルを入れるのは是か非か」という問題だ。韓国ではそういう議論はないようだが、これまでの観察からするとタンスユクにパイナップルが入っている確率はだいたい半分のようだ。個人的にはパイナップルの有無はどうでもいいが、キュウリが入っていたり、ほとんど火が通っていないニンジンやタマネギが入っていたりするのはお気に召さない。

 韓国のタンスユクは揚げた肉とあんかけが別々に用意されることが多い。なので最近はあんかけをかける前に肉だけ別に取っておき、ギョウザのタレで食べることにしている。これタンスユクよりおいしいのでおすすめです。

【解説】
 中華料理店は1人でも入りやすいが、タンスユクは大皿料理なので1人で食べる機会はまずない。会社でお昼にみんなで出前を取ったときに頼まれることが多かった。タンスユクのあんかけは店によって酸味が強かったりするのが難で、個人的に酸っぱいものは好きじゃないので、あんかけをかけられる前に自分の分だけ肉を死守することにしていた。

(初出:The Daily Korea News 2011年3月24日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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