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17年ぶりのハーフマラソン

私は、かつて趣味としてマラソンを楽しんでいました。しかし、パニック障害のような症状に悩まされ、走れなくなりました。走ると、心臓が止まったり、熱中症になったりして、死んでしまうのではないかという恐怖を感じるようになったのです。最初は、精神的なものだけだったのでしょうが、実際、走らなくなると、体力も落ちていきました。

今年の春、昔のマラソン仲間が出ている大会の応援に行きました。仲間と言っても年上で、60歳前後でも、それぞれ楽しく走っています。応援後に話していたら、自分も走りたい気持ちがわいてきました。自宅から徒歩でスタート地点に応援に行った後、近道で中間地点付近に小走りで向かいました。そこでも応援し、自宅に帰ってきて、スマホの歩数計を見たら、20km程度を歩きまたは走っていたことがわかりました。フルマラソンは無理でも、ハーフマラソンぐらいなら、今の体力でも走れそうな気がしてきました。気持ちが高揚している間に、思い切って、ハーフマラソンの大会にエントリーしました。

選んだのは、小布施見にマラソンという大会です。この大会がいいのは、速さを競うだけでなく、仮装をしたり、景色や飲食を楽しめるということです。制限時間は5時間なので、極端な話、まったく走らずに歩き続けても、なんとかゴールできるというのも魅力です。

比較的気軽に参加できる大会ですが、気になるのは、真夏の開催ということです。午前6時スタートなので、比較的涼しい時間帯ですが、7月下旬の最も暑い時期です。熱中症にならないかという不安が頭をよぎります。涼しげなシャツを着て、濡らしたタオルを首に巻き、帽子をかぶり、出来るかぎりの熱中症対策をしました。久しぶりの大会という緊張があったのか、前日はあまり眠れませんでした。

元々、不安と緊張があったところに、寝不足で、キャンセルしようかギリギリまで迷っていました。とりあえず、途中で棄権するポイントが何か所もあるので、走り始めて、体調がすぐれなかったら棄権するつもりで、ゆっくり走ることにしました。

今回は完走する自信すらなかったので、予想タイム3時間以上で申告し、後ろの方からスタートしました。周囲は仮装した人や、仲間同士でお祭りのような感じ参加している人も多く、スタートしてしばらくは走るというより、歩いていました。

4㎞過ぎにリタイア(収容車)のポイントがありましたが、次のリタイアポイントまでは行ってみようと歩を進めました。8km手前のリタイアポイントにつく頃には、ペースはゆっくりですが、このまま完走できそうな気がしてきました。

今回は、無理せず、ゆっくり行こうと決めていたので、途中で出される食べ物(クレープや果物など)もいただき、トイレ休憩もしました。

中間点を過ぎる頃、意外と体力があまっていることに気づき、少しペースを上げました。これからが本当のマラソンのスタートとのってきたところで、気温も上がってきて、熱中症対策のため、走行中止して歩く指示が出ました。走りたい気持ちを抑えて、ラスト4~5㎞は歩きました。

暑い中、水やスポーツドリンクを飲みながら、なんとかゴールしました。タイムは、自分のハーフマラソンのベストタイムの倍以上で、フルマラソンのベストタイムに近い時間でした。ブランクと年齢を感じずにはいられませんが、今まで参加したマラソン大会の中で、ゴールした時の感動は最も大きいものでした。

復活というよりは、新たな出発の1つと考えています。今回は、不安と闘いながらの走りでしたが、次は楽しめるようになることが目標です。

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