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おれの名は

吾輩は人である。
名前はまだない。

吾輩は3歳である。
生まれてすぐに「仁」と名前がつけられた。

おれは両親がつけたこの名前がきらいだ。
思いが込められているのが重くて仕方がない。
名前のような人間になるとは思えない。

路地裏の片隅でひっそりと佇む占い師とであった。
次の日、おれは区役所に行き、なまえの漢字を変えた。

おれはある人との出会いで巨万の富を築いた。
もうこれ以上の幸せはないと思った。

人生に疲れ果てた時、ある女性と知り合った。
おれは一からやり直したいと思った。
彼女の籍に入り、苗字を変えた。

気がついた時には貯金が底をついていた。
おれは二人の子どもをおいて、彼女のもとを去った。
元の苗字に戻した。

会社を立ち上げた。
気にいった名前を自分で作り、それで商売をした。
いつの間にか本名を使わなくなった。

おれはいま病に伏している。
永代供養をお願いした。
戒名に「徳」を入れてもらった。

吾輩は無である。
名前はもうない。

インスタントフィクションとは自由な発想と気軽なノリで書かれた文章、読書しない人でも遊び感覚で挑戦する。原稿用紙1枚=400字の中で表現、自分の思う「面白い」を入れるのがルール。

youtubeピース又吉直樹「渦」より

一人文化祭、まだ続いていました。
土日連日で休日出勤だったので、今日と明日はお休み。
頭が空っぽになると創作意欲がわきますなぁ~

秋ですもんね~
クリエイターフェスですもんね~

またインスタントフィクションを作ってみました。
「君の名は」なの?
「吾輩は猫である。名前はまだない」なの?
パクリかよ。

ゼロからものを作るって難しいですね。
何か一つのことから発想を得て・・・というのが私にはいいとこ。

文化祭でいろいろな作品を見てまわったら、自分も何か作りたくなっちゃったー
一人文化祭、楽しんでます。明日は短歌です(予告)


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