なぜインターネットポルノをやめられないのか

この世で最強の超常刺激は何か。

酒でもドラッグでもジャンクフードでもなく、答えは一つ。

インターネットポルノ


で間違いないでしょう、うん。

ポルノ断ちのムズさは、やってみたことある人なら分かるはず。
特に今の若い男子は、思春期から今に至るまでインターネット上で大量のポルノを視聴してきた人がほとんどなわけで、歯磨きと同じぐらい完全に習慣化しているのではないか。 

もっとも、すべての人がポルノによる悪影響を感じているわけではないだろうし、うまく付き合えている人もいるでしょう。
インターネットポルノのヤバさとやめるべき理由についてはまた別記事で書こうと思う。

なぜポルノ断ちの継続がこれ程までに困難なのか。
それはインターネットポルノというものが、依存するのにうってつけの非常にタチの悪い特性をいくつか持っているからだと思う。

考えてみれば当たり前のことだけど、これらの特性をしっかりと認識した上で対策をしないと、ポルノ断ちを継続するなんて無理ゲーすぎる。
コラッタ一匹でチャンピオンズリーグに挑むようなもん。
もしできる人がいれば、その人は最初から大して依存していなかったんだと思ってしまう。

ゲーリー・ウィルソンの『インターネットポルノ中毒』に書かれている内容も多いが、インターネットポルノをやめられない根本的な原因であるその特性について考察する。

①入手容易性
なんかエロイ言葉をググれば、3秒後には適当なエロ動画にたどり着く。
むしろ「○○ エロ動画」とすれば、前半の単語なんて何でもOKなレベル。
マジできゅうりとかでもよい。
ポルノが悪いわけではない。インターネットとのコンボが最悪すぎる。
アル中だって酒が手に入らなければ諦めて寝る。
だけど、ことインターネットポルノに関しては、ほとんどの人にとってそのような障壁が今や存在しない。
手元のスマホやタブレットで、あらゆるエロコンテンツに瞬間アクセスできてしまう。
これがポルノ断ちが難しいもっとも大きな原因だと思う。
ネット社会に生きる現代人にとってポルノ依存症からの脱却は、ヘビースモーカーがタバコとライターを持ち歩きながら禁煙しようとするようなものなのだ。
また、酒も煙草もスイーツも他の依存性物質は基本的に金がかかるわけだけど、インターネットポルノはそれもない。
タバコ税があがって禁煙する人が増えるのは、要するに入手容易性が下がるからだよね。
ポルノはどうだろう、5Gだなんだで今後ますますインスタントにアクセスできるようになるだろう。

新規性・多様性
変態男どもの欲求に応えたありとあらゆるエロコンテンツがネットには溢れている。プレイしかり人種しかり年齢しかり。
AVだけじゃなく漫画もアニメもゲームだってある。インド人のセックスが見たければ、そう調べればいい。
昨今のVRポルノ、オナホとの連動だなんだで、今後もますますポルノの新規性と多様性は進んでいく。ポルノというモンスターの肥大化は止まらない。
今でもインターネットで見れるポルノの種類は、想像できない程の天文学的な数であろう。
今この瞬間にも世界中で様々なポルノが作られているわけで、ネット上でじゃかじゃか公開されている。
そして、それらは手元のスマホでいくらでもタダで見れてしまう。
脳は新しいものを常に求め、興奮し、ドーパミンが分泌されるという性質。
インターネットポルノは、脳を飽きさせることがない。
彷徨い歩くことをやめない”ポルノゾンビ”にしてしまうのだ。

際限がない
酒や食べ物は、摂取できる量に限界がある。お腹いっぱいになったり酔いつぶれたら終わりだ。
スイパラに行ったとて、結局ケーキなんてそんなに食えたもんじゃないよね。
対してポルノはどうだろう。
ゲームなどにも共通するが、基本的にはわりとずーっと摂取できてしまう。
もちろん、自慰して終了となるケースがほとんどだろうが、多くのポルノ視聴者は射精を先延ばしにし永遠にポルノ視聴を続ける。あるいは、一度出しても飽き足らず、何度も続けたりする。
結果、脳がドーパミンを出しすぎて疲れ果てたころに、半ばやけくそに射精をしてフィニッシュとなることが多い。そしてやってくるのは虚無感と自己嫌悪だ。

条件付けの強固さ
入手容易性が高いというのは、習慣化しやすいということでもある。
ストレスや孤独感を感じた時の逃避先として、手元のスマホでのポルノ視聴が真っ先に選択肢にあがる。気づいた時にはそれが癖になっている。
そして、現代人にとってスマホやパソコンは今や手放せないツールとなってしまった。仕事をする上でも必要だったりするわけで。
こうすると何が起きるかというと、有名な”パブロフの犬”の実験で言われているような、”スマホ=ポルノ”という‘’条件付け‘’がされてしまう。
結果、スマホを見たらポルノを視聴したくなる(なんかムラムラする)とかいうことにも容易になりうる。
また、ポルノ視聴は基本的に家で行うことが多いわけで、そうすると自分の生活スペースの椅子とかも強力な”トリガー”となってしまったりする(いわゆるシコリ椅子)。
当たり前だけど、このようなスマホとか椅子とかの”トリガー”を除き去るのは現実的になかなか困難なとこ。
‘’親の外出‘’がトリガーになる人もいるらしいし、長年の習慣であればある程、自覚してないような色んなことがトリガー化してしまっていることも十分にあり得るのではないだろうか。  

以上、インターネットポルノが依存を引き起こしやすい理由についていくつか書き連ねた。

例えてまとめると、

世界中のありとあらゆる飲み物がタダで飲めるドリンクバーでいくら飲んでもお腹たぷたぷにならない

みたいなもんなんだと思う。そりゃ抜け出せないわ。

インターネットポルノで人生が台無しになったとまでは言わないけど、多くの時間・チャンスを失ったことはすごく感じている。
また他にもインターネットポルノ関連のトピックは書いていきたいと思っております。

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