本当にあった怖い話と幽霊が消えた理由をタロットに聞いてみた

前回の心霊現象に続き、もうひとつ記録しておきたいことがあるので、まとめてみたいと思います。

高校生の頃、家族経営の中華料理店でアルバイトをしていました。高校までは電車通学でしたが、一旦地元の最寄り駅まで戻ってから、自転車に乗り変えて通っていました。

片道20分くらいは漕いでいたと思います。しかも家とは反対方向だったので、帰り道はその2倍も。

そんなわけで、移動中は音楽が必須でした(現在はイヤホンを付けての自転車運転は自治体により禁止されていますが、当時は緩かったんですよね)。私はORANGE RANGEが大好きだったので、常にイヤホンで爆音で聴いていた思い出ですw

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その日も、いつものようにバイトへ向かうため、バイパス沿いをまっすぐ下っていました。すると、遠くの方から「オォォーオォォー…」と、男性の声が聞こえてきました。

普段から車通りが多く騒がしい道なので、最初は特に意識していませんでした。しかし、その声は次第に大きくなっていったのです。

バイト先までもう目と鼻の先。最後の交差点を直進しようとした瞬間、突然「オ"オオオー!」と耳を貫くような絶叫が響き渡りました。

咄嗟に急ブレーキをかけると、視界に飛び込んできたのは、左折側の道路一面に広がる血の海。私のいる所からは10mは離れていたと思いますが、真っ赤に染まった路上の真ん中に横たわる黒い物体、そしてその周りを叫び声をあげながらぐるぐる回る人の影がはっきりと見えました。

この壮絶な光景を前に、私はしばらくその場から動けませんでした。

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幸いにも、現場のそばにはガソリンスタンドがありました。そこで事故のことを伝えれば、あとは誰かがなんとかしてくれるはず。それが高校生だった私のできる、精一杯の行動でした。

ガソリンスタンドでは、数名のスタッフが外に出て働いていました。その時、私は初めてこの状況に並々ならぬ違和感を覚えました。

目の前の道路が血まみれなのに、そのすぐそばで普通に働いている人たち。そして、今も響いている叫び声もそうです。そもそもイヤホンで大音量で音楽を聴いているのに、外の声がここまで鮮明に聞こえるはずがないわけで。

この叫び声がイヤホンの中から聞こえていたことに気付いた私は、イヤホンを剥ぎ取って、全速力でその場から逃げ出しました。

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タイムカードを切ってからも、ずっと心臓がバクバクしていました。そんな私を見て、おかみさん(バイト中は、みんな奥さまのことをそう呼んでいました)が「顔が真っ青だけど、具合でも悪いの?」と、声をかけてくれました。

普段ならこういった話を誰かにすることはしないのですが、この時ばかりは興奮していたせいか、堰を切ったようにおかみさんに全てを話してしまいました。

すると、近くに座っていた常連さんが話に割って入ってきました。常連さんによると、どうやらちょうど一年前、まさにその場所で小さな男の子のひき逃げ事故があったんだとか。おかみさんも「あぁ、確かにあれは一年前よね…」と呟いていました。

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昔はこういった怪奇現象に度々出くわしていましたが、上の子を出産したあたりからぱったりとなくなりました。

はて、なんでだろー。と思ったので、早速タロットに聞いてみようと思います!

現れたのは、恐れや不安を抱く女性が描かれた「ソードの9」。なかなか怖い絵柄ではありますが、女性が安全なベッドの上にいることから、この恐怖は現実のものではないという意味も含まれています。

つまり、当時の私は感受性が豊かだったけど、今は感性が衰えまくってガチガチの固定観念に囚われているってことなのかしら。これはクリエーターとしても致命的!

怖いものを見なくて済むのは嬉しいけど、なんだかちょっぴり悔しい気分ですw

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