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終着駅4ドバイメトロ



🚈ドバイよいとこ一度はモール

日本国内では滅多に行かないのに、ドバイ滞在中に度々来場する場所はどこか?

正解はダントツで大型のショッピングモール

特に訪問回数が多いのはイブンバットゥータモール

理由は行きつけのマッサージ店
「足(FIT)」
お気に入りのスタバ

本当は小生が乗っていた船がジュベルアリ港に停泊していたからだ。

🚈ドバイライフは14世紀の旅人

ホテルに滞在する時間がとれない日は、モールで夕方過ぎまで時間をつぶす。

そしてジュベルアリ・シーメンズクラブで一杯やって船の寝床へ戻るのが通例となっていた。

イブンバットゥータは14世紀に北アフリカのモロッコで生まれたイスラム法学者だ。

北アフリカから東アフリカ、西アフリカ、東ヨーロッパ、中東、南アジアと一部中央アジアまで生涯に渡って仕官しながら各地を巡った。

イスラム世界の孔子の様な人物である。

彼を旅行家と扱う書物は多い。

生涯の流転を旅行という概念で括るべきか疑問だ。

東南アジアや中国まで訪れたという誇張が含まれているが、船や牛馬などで14世紀に世界を放浪した体験が現代まで残っていることは人類の財産だ。

イブンバットゥータモールは彼の偉大な足跡を記念し、7つの地域をテーマにした施設である。

私が知っている数十か所のショッピングモールでは出色の出来映えだ。

ちなみに私が訪問したショッピングモールの三分の一はドバイにある。

ドバイは『世界一ショッピングモールの多い町』といわれる。

大から中小まで含めると100カ所以上ある。ウソのようだが事実だ。

私が訪問したのはそのうち20カ所
だが『これでもか!』というほど絢爛豪華なモールもあれば
インド人や地元民しか見かけない小規模なものまで様々だ

ドバイに暮らす人々の『買い物にかける情熱』の凄まじさを物語っている。

旅行雑誌ではこれらのモールは『観光客用』だと書かれているが、そうすると市内のいたるとことに乱立させる意味はない。

地元民は酒を飲まないため
『モールで買い物したりコーヒーやお茶をのんで日中の時間を費やす』
という習俗である。
日本から取材に訪れた記者にはドバイライフを楽しむ地元民も観光客に見える。

表面だけ見て書くからそういう記事がまかり通る。

注意深く観察すれば服装やクルマ、行動パータンは地元民や長期滞在者と観光客は明らかに異なるのだ。

🚈ペルシャ館とドーム

イブンバットゥータモールで特にお気に入りの場所はペルシャ館のドーム広場だ。

ペルシャ様式の青いタイルを天井まで貼り合わせた室内にしては比較的大きなドームである。

その下にあるスターバックスには、座り心地が格別なソファーが備えつけられている。世界のスタバより少しハイグレードな腰掛け具合が最上のソファーだ。

コーヒーをすすりながら読書する時間は、至福以外の表現が陳腐になる。

得難いやすらぎの一瞬を与えてくれる天国だ。

椅子の性能や、ドーム特有の光の屈折、反響音、コーヒーの香り、客の少なくなった夕方など様々な要因の組み合わせで出現する天国だ。

他の国の様々なスタバやで試みたが、残念ながらいまだに同水準の店舗は発見できていない。

🚈スタバで異邦人

このスタバでコーヒーを飲んでいると不思議と久保田早紀の【異邦人】が頭の中に流れている。
なんとも不思議な感覚だ。

個人の感想がどれほど伝わるのかは不明だが、私より研ぎ澄まされた感性をお持ちの皆さんにオススメの場所だ。

ドバイを訪問される方は、是非ともこの場所でのコーヒータイムを追体験していただきたい。

🚈足なのに全身

もうひとつの「足」というマッサージ店は、名前に反して全身のマッサージが受けられる。

値段はドバイにしては良心的な価格で日本のスーパー銭湯や健康ランドと同じくらいの価格である。

上質のサービスが5000円程度で受けられる。

当初はマッサージの最中にウトウトして身ぐるみはがされる事例が海外で多発しているという情報に怯えていた。

衣服をといて、財布も携帯もカゴの中に放り込む事が心配だったが、心地よい指圧師の力量の前で警戒心は惨敗した。

🚈アフリカの魔術師…時空間詐欺

 「終わリました」の声で我に返ると時計の表示は1時間進んでいた。

声をかけられるまで記憶がない。毎日財布の中身を確認していないので5000円以上お金を抜き取られても認知できない。

『まっいいかー』といつも思ってしまう不思議な店である。

指圧で身体を操るだけでは飽き足らず、脳内の記憶や時間まで操っているとは油断のならない指圧師だ。

言葉は違えど満足感は表情や態度から伝播する。

アフリカ系らしい時空間詐欺師に出口まで見送られて、爽快な気分で中華館の出口から帰路につく。

視界は満天の星空と月に照らされ砂漠に変わった。

千夜一夜物語の世界だ。

いまだに館内にいるのか
屋外なのか
まだ夢を見ているのか

判別できなかった。

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