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終着駅へ行ってみた『呉線第4回』バイバイ哀愁の広島

へえ日本にもそんな船があるんだ
という船に乗っていた時の話です
どの船にいつ乗っていたのか・・・
ひ み つ 🙊

ヒミツのアッコちゃんにおまかせ


と小生がいくら黙ったところで・・・

Wikipedia

誰が・・・
公開可能な範囲を超えているのか🙊

内側の人間🙊
確証は・・・🙊

明日から・・・・

しばらく・・ドロン🤫🤫🤫
いつ帰ってくるのか🙊
どこへいくのか🙊
なにをしている🙊

家族にも🙊
「どこへ行くのか教えてもらっていない」

「これ本当なんです」🙊
正式にはどこへ行くのか
知らない・・・
おそらくいまも・・・🙊

小生は・・・
大家さんのオタクの階下に間借り・・・
家賃は現金で月末
それなのに・・・・突然
「家賃を〇カ月分払います・・・」

たまにお邪魔して
ビールをご馳走になる間柄でも
期間・目的・行先は・・・
口外厳禁
「もしも・・・」

そうは言っても・・・
しばらくいない事を大家さに知らせないと・・・
郵便物はあふれるし・・・
防犯上も・・・

大家さんの階下に住むのはとても都合が🙆
郵便受けのお守りを頼めない独身の同僚は・・・
手紙を郵便局止め・・・

そうすると
「期間はいつまでですか・・・・」
それはたとえ郵政省にだって
言えない🙊
仕方がないので・・・
適当な期間を言って・・・
退散・・・とても心苦しい

小生のお役目

出港前は大忙し
給料や福利厚生の手続き・・・
文書処理・・・

本当にどこへ行くか・・・
いつ帰るのか・・・
正式には知らないので・・・
担当部署では
「いつ帰ってくるの?」
聴かれたって
言えるわけがないじゃないか🙊

でも・・・
年末調整とか・・・・
出来ない仕事も・・・・
それ以上は書き🙊

公的な準備以外にも

私的な準備・・・

「洋上にはコンビニや本屋はない」
おやつと・・・
普段より多めの下着類や・・・
趣味の道具・・・
図書館で本を借りても返却できないので・・・
高額な専門書も買い・・・🙊

呉線広駅から

夕方の電車に乗ります
「広島行です」

目的は
「乗ること」
明日から・・・
船の乗員以外誰とも・・・
直接会わない
電話も通じない・・・
そんな日々が🙊

当時
その船には・・・
女性はいない・・・男性だけ

勤務帰りのお姉さんやお兄さん
辞書や参考書を読み込む学生さん
お母さんお父さんと一緒にお出かけの親子連れ

日常と隔絶される「ある期間」

その前に・・・・普通を味わいに
「呉線広島行に乗り込む」

毎回無事に帰ってくるのは判っていても・・・
それでも毎回
「もしかしたらこれが最後・・・」

そんな気持ちが去来するのを抑えて
電車の席に座る・・・

夕焼けが見える時間なら・・・
ぼんやりと
瀬戸の夕波をながめ・・・

出港前の準備で
くたくたになりながら
それでも毎回・・・

妻帯者の乗員は
家族で外食したり・・・
温泉※に行ったり・・・
 ※呉周辺にも手軽な日帰り温泉が数カ所・・・

超独身者だった小生は
出港前日は

 呉 線 と決めていました

感傷にふけるヒマもなく
電車は「ああ無情」にも
広島駅へ到着

改札口を出て郵便局の前を横切り・・・
いつも行く小さなお好み屋さんで
軽く一杯
本屋で雑誌を物色し・・・
広島駅へもどって・・・

夕暮れの車内を
呉まで満喫

呉で途中下車して・・・
行きつけのスナックで軽く雑談・・・

最後におでん屋に寄って

日本酒談義で盛り上がり・・・・
そーっと消えます

誰にも「しばらくこない」とは
言いません

小生の職業を知っている皆さんは
だれも
「次はいつくる?」
なんて聞きません。

帰ってから
「ただいま」
と顔出すまで・・・
何にも訊かない・・・

そして・・・

呉駅から広駅まで
電車に乗って・・・
日付が変わる前に寝ます。

日本を守る最前線にいる・・・
そんな気概がたっぷり・・・・と
ある訳ないじゃありませんか🙊

国民の安全のためなんて・・・・微塵も🙊

自分の精神バランスが崩れるかどうか
その瀬戸際に・・・
そんな事を考える人間って
いますか?🙊

自分のメンタルが・・・危機なのに
国家の安寧に想いをはせるでしょうか?🙊
そんなやじろべえの小生でも

結果的には・・・
お役に立つたのかもしれない

俺たちはプロだ!

艦長以下
全ての乗員は
淡々と・・・
家族にも内緒で・・・
そーッと呉の街から消えます。
透明じゃないけど・・・存在が・・・

出港後の艦内は・・・
しばらくお通夜のようです

みんな仕事だから・・・と
割り切れるプロ
そんなわけないんです・・・🙊

心の平静をどうにか・・・・
保っているだけ

はじめて長期の航海にでる乗員には
特に注意を要します
妙にテンションが高かったり・・・
ふさぎ込む時間が長かったり・・・
居室で「寅さん」※みながら泣いていたり・・・
 ※小生も寅さんシリーズの景色に
  どれだけお世話になったことか

それでも・・・
精神に異常を来たさない
メンタルの保てる人間が乗員になっている・・・
はずなのに・・・
みんなお通夜のように・・・
しばらくは寡黙

だれも・・・あえて干渉しない
時が過ぎて通常運転に・・・
メンタルが戻るまで
待つだけ

乗員には当然
階級はあるけれど・・・
この船の雰囲気は・・・
みんなで傷をなめ合う
猫の集団・・・
まさしく家族のようでした。

出港したら「超ひま人」の小生は
当時は現代ほどパソコンを扱える隊員が
いなかったので

みんなが書いた記事をタイプして
新聞を作っていました

読者が日本一少ないけれど
定期的に刊行される新聞

たまにご飯をつくるか
飛行甲板をお守りする
それが小生の仕事でした。

スペースが埋まらなくて新聞に
カサマシでいつも書いていたのが

「ヒトのいる風景」

という記事です。
小生のnoteの原形です。

内容は決まって電車旅
呉線
佐世保線
横須賀線・・・
また電車・・・・と
苦情が出ようと・・・
ヘビーローテーションで
何度も登場した愛着のある面々

呉線の広島までの景色を眺めると
いつも出港前の
「娑婆とのわかれ」
が脳裏に浮かんで消えます



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