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⑤「出てけ!怒」と言ったら本当に出て行ってしまった雪の日(前半)(2023年2月)

その日は友人とリモート飲みをしようと約束をしている日だった。

私はそれに備えて早めに夕食の準備をしていた。
しかし、いまだに慣れた気はしていないが、夕食の準備は時間がかかる。
三男T(当時小6)と長女M(当時小3)の2人はリビングでゴロゴロとYouTubeを見たりゲームをやっていた。

私は遅れている夕食の準備を手伝ってもらおうと声を掛けたが、2人とも手伝おうとしない。

昨日の話になるが、三男には「お風呂入って」と声を掛けたのにすぐに入ろうとせず、普段のイライラも溜まっていたせいで、彼には言ってはいけないことを私は言ってしまっていたのだ。それは…

「出てけ!怒」の一言だった。
「何度言っても分からない奴はこの家を出て行け」と言ってしまったのだ。

もちろん本当に出て行って欲しい訳ではないのだが、言うことを聞かなかったので、つい言ってはいけないと思っていても口に出してしまったのだ。

その言葉を聞いて三男は恐れおののき風呂に入った。
まあ、出ていくことはないなと分かっていて、使ったということもあった。

そして今日、その三男も含めて長女にお手伝いをお願いしたのだが、さらに三男に限っては昨日のことがあったにもかかわらず、手伝おうとしない。
私はまた怒ってしまったのだ。
「出てけ!怒」と!

二人はその言葉を聞き、玄関の方に向かっていった。
私は嫌な予感はしたのだが、その時は怒っていたので、二人を玄関まで見に行かず、夕食の準備をしていた。

5分くらいしてもリビングに戻って来ないので、さすがに何しているんだろうと思い、夕食の準備を中断して玄関まで見に行った。

そこには二人の姿はなかった…。
二人の靴も見当たらない。

彼らはお風呂に入っており、パジャマしか着ていなかった。
靴下も履いていなかったと思う。
そしてその日の東京は珍しく雪だった。

「えーー!!」と思い、玄関の戸を開けて周りを見たが、雪は積もっていて二人の姿はない。

「しまった!」昨日三男に言った時は一人だったから怖くて出て行くことは出来なかったが、今回は二人だったものだから、ちょっと気が大きくなって本当に二人で出て行ってしまったのだ。

私はすぐに探しに行こうと外に出ようとしたが、万が一戻って来る可能性もあると思い、2階にいた長男(当時高2)と次男(当時中2)に声を掛けていった。

「お父さん、T(三男)とM(長女)が手伝わないものだから、怒って出て行けと言ってしまったのだけど、本当に出て行ってしまったんだよ!」

そう伝えると長男が「お父さん、それは大変なことをしましたね。」

その冷静な言い方に私は心の中で「その言い方」と思いましたが、そんなことは口にせず「これから外に探しに行って来るけど、もしその間に二人が家に帰って来て、家に誰もいないと嫌だから、長男と次男は家にいて、戻ってくることがあったら、携帯に連絡ちょうだい!」

そして私は雪の降り積もるほぼ暗くなった夕暮れの中へ二人を探しに行った…。



この話、全部実話です。
私の「父子家庭子供4人」最初の1年の物語を毎日更新中です。
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📖「私より波乱万丈な人はいると思いますが、私もなかなかですよ」

①とにかく明るくしようと考えた
②意外と出来た食事作り
③ハンドクリーム
④イライラ
⑤「出てけ!怒」と言ったら本当に出て行ってしまった雪の日(前半)
⑥「出てけ!怒」と言ったら本当に出て行ってしまった雪の日(後半)
⑦外食がいかに高いか有難いか
⑧余裕がないと人に優しく出来ない
⑨返済毎月1,000円
⑩3人に断られた
⑪国はお金を貸してくれなかったがくれた
⑫三男の卒業式
⑬ダイエットには父子家庭?
⑭業務委託開始
・・・

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