見出し画像

「駅チカ保育園の人気」に思うこと

息子が息子らしく、過ごせる保育園に行かせたい。

6年前、息子の保育園を決めるときに、最もこだわったポイントである。
我が子のように息子に寄り添ってくれる保育者がいるような園。
そのためには、少しくらい遠くても構わない。
自分が目を離していても、息子が、私たちが、安心して過ごすことができる保育園を探すため、少なくとも20か所以上は見学に行った

保育園のHPから予習をし、園のコンセプトを確認したうえで、園内を見学。
子どもたちや先生の表情はどうか?園長や保育者が大事にしていることは何か?
「過保護で心配性な親」という目で見られることもあったし、希望の園に入れる可能性が低いことは分かっていたが、入園前にできることはやり切りたいという気持ちで、寸時を惜しんで調べ、赴き、話を聞いた。

役所へ提出する書類には、希望する園を順に8つまで記載することが出来た。
しかし、第3希望までを埋めたところで、私のペンは止まってしまった。
それ以降の園については、順位付けられるほどの違いを見いだせなかったからだ。

一体みんなは、何を基準に希望園を決めているのか?が気になり、調べると、なんと第1位が「駅に近いこと」であった。

「出勤しやすいか?」という基準がまるでなかった当時の私は驚いた。
と同時に、妙な違和感を感じた。
子供の人格や成長に大きくかかわる保育園の選択なのに?と、少し軽蔑さえしていた。

あれから、数年。
今の私は、「駅チカ」を最優先する親たちに「そうだよね!」と心から共感できる。
ランキングにはなくとも、きっと「信頼できる園」であることが大前提にあると思う。その上での「駅チカ」なのだ。

以前の私は、子供のために自己犠牲を払いがちであったのだ。
子供のためと言いながら、日々の生活にすり減らされ、だからと言って、夫に頼ることがとても苦手だった。
「駅に近い」「送迎しやすい」環境に頼らずして、仕事をしていくことの息苦しさは、とてもリアルに想像できる。

息子は予想通り、私が希望する3園には見事に入れなかった。
だけど、子どもたちが織りなす社会の中で、彼は大きく、大きく、成長した。

子どもは、大人が思う以上にたくましく、強く、面白い。
だから、親の目線で選んで「大丈夫」なのだ。

「子供はたくましい…そんなの、働きたい大人の動機付けでしょう」
なんて思っていた、自己犠牲型の当時の私に言ってあげたい。

母親が生き生きとしている姿こそ、子どもたちのハッピーの源なのだと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?