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【制度紹介】IgA腎症で指定難病を申請するべき? メリットについて あれこれ考えてみた!


IgA腎症は国が定める指定難病になっている。
申請して認められると医療費の自己負担が減る
指定難病 医療費助成制度を利用できる。

この申請の条件がちょっと厳しい。
腎生検でIgA腎症の確定診断が必要なのと、腎機能が中等度から高度低下したときや、タンパク尿の数値が高いときに限られている。

病院のソーシャルワーカーなら、対象になる人には申請をオススメするだろう。

特に、
・低所得世帯の人
・IgA腎症で入院や手術の予定がある人
には申請を勧めたいところだが……

この制度の対象になったら、
申請した方がよいか?
メリットはどのくらいあるのか?
 
医療費の自己負担や申請などにかかる費用の面から考えてみたい。


⬇️申請方法や診断基準など制度の詳しいことは、
      下のサイトを参考に!



IgA腎症の医療費はいくらかかる?

IgA腎症の定期通院は1〜3ヶ月に1回くらいの人が多いのではないだろうか。

私の場合、医療費の自己負担は、診察、検査、薬代を合わせても月2,000〜5,000円だった。

早期軽症のうちは、3ヶ月に1回の通院で薬も1種類。腎機能が低下してくると、定期通院の間隔が短くなって、透析になる直前は月1回の通院で薬は5種類だった。

定期通院の医療費の自己負担は病気の進行とともに増えていったけれど、高くても月5,000円でおさまっていた。

IgA腎症で医療費が高くなるのは、入院や手術のときで、腎生検、扁桃パルス療法、シャント手術がそれにあたる。数万〜十数万円の自己負担になると思う。

指定難病 医療費助成制度のメリットは?

2割負担のメリットを考えてみる

この制度を利用すると、医療費の自己負担が3割から2割になる。
元々2割や1割負担の人は、元の制度を優先する。

私の場合を例にすると、
IgA腎症の定期通院の医療費の自己負担は、
3割負担で月2,000〜5,000円。
2割負担になると月1,300〜3,500円に減る。

1年で計算すると8,400〜18,000円の自己負担が減ることになる。


自己負担上限額のメリットはどうか?

もう1つ、1ヶ月に払う自己負担の上限額がその人の収入で決まっている。
上限額は下の表のように収入が少ない人は低く、収入の多い人は高くなっている。

 IgA腎症は表の中程【一般】の欄を見て

定期通院の自己負担が高くても月5,000円とすると、低所得Ⅰの人だけが上限額をこえる。
定期通院では、低所得Ⅱ以上のほとんどの人は上限額でのメリットはなさそうだ。

IgA腎症で確実に上限額をこえるのは入院や手術のとき。ただし、申請できない時期や状態もあるので、1つずつメリットを確認してみる。

腎生検
腎生検はIgA腎症の確定診断のためにおこなうので、このときにはまだ申請できない。

扁桃パルス療法
腎機能が中等度から高度低下していたり、タンパク尿の数値が高ければ申請できる。
入院と手術が必要なので、自己負担は高額に。
申請できれば数万円は支払いが減って、メリットがありそうだ。

シャント手術
シャント手術は腎機能が高度低下して透析を始める前におこなうので申請できる時期。
私の場合、日帰り手術で自己負担は約39,550円だった。上の表の一般所得Iだとすると10,000円ですむことになる。これはメリットあるね!

申請には書類などの準備に時間がかかる。手術や入院の可能性があるときは、早めに主治医に相談を。

申請手続の費用と手間は?

申請や更新にかかる費用と手続きの手間を考えてみたい。これも大事なことだ。

申請には6種類以上の書類を準備する必要がある。その中で費用のかかるものは3つ。
・臨床検査個人票(診断書)3,000〜5,000円
・住民票 300円
・課税証明書 300円
申請にかかる費用は4,000〜5,000円になる。

そのうえ、更新申請は年1回なので、毎年この金額がかかって、申請手続に窓口の役所へ行き、主治医に診断書を依頼する。
ん〜〜、それなりに手間はかかりそう。

まとめ

❶ IgA腎症の定期通院では、年間8,400〜18,000
    円の支払が減ってメリットあり。
 でも、更新申請で毎年4,000〜5,000円かかる。

❷入院や手術でこの制度を利用できるのは、扁桃
 パルス療法とシャント手術。数万円のメリット
 あり。
 ただし、扁桃パルス療法は早期で軽症のときは
 対象にならない。

実は、透析が始まるともっと手厚い医療費助成制度があって、医療費の負担が少なくなる。
なので、指定難病医療費助成制度は透析になる前まで活躍する制度と考えておこう。

これは個人的な考えだが、
IgA腎症に限っていえば、メリットは限定的で毎年の更新申請に費用と手間もかかる。

なので、申請は絶対ではなく、その人の経済状況や価値観で判断してもいいと思う。

いまさらだが、私はこの制度を申請しなかった。対象になったとき主治医に相談すると、メリットが少なく手間がかかるとの意見だった。申請には主治医の考えも影響することもある……。

IgA腎症の場合には、必ずしも申請しなくてもいいと思うが、他の指定難病では、高額な医療費が長期でかかることもある。申請が必ず必要な指定難病もあるので気をつけて欲しい。


【追記】
軽症者特例について
IgA腎症の早期軽症でも腎生検や扁桃パルス療法が続いて、1年の内3ヶ月以上、医療費総額(保険適用前の金額)が月33,300円をこえる月があると申請できることもあるようだ。

お読みいただきありがとうございました🍀



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