満開の笑顔【RE_PRAY宮城二日目現地感想】
2024年4月9日。
宮城県利府町のセキスイハイムスーパーアリーナにて行われたRE_PRAY宮城公演二日目に行ってまいりました。
幸運にもアリーナ席に座ることができ、本当に心から「行ってよかった」と実感したアイスショーでした。
またとてつもなく長いですが笑(約一万字…)
お時間ありましたら読んでいただけると嬉しいです。
いつか終わる夢Original
RE_PRAYの追加公演が発表された時、真っ先に思ったのが
「また現地で『いつか終わる夢』が見たい!」
ということでした。
今回の場所は宮城県。新幹線代も所要時間も多くかかります。
だけど、多少無理をしてでも現地へ行って羽生選手の演技を見る価値が絶対あると思い、チケットを申し込んでしまいました。
RE_PRAY横浜大楽でもう見納めかもと思っていた「いつか終わる夢」が、もう一度見たい。
現地でしか得られない感動をまた味わいたい。
そのためならどんな努力も苦労も厭わない。
私にとってそれだけの価値がこのプログラムにあるんです。
「プロローグ」で初めて見た時から約1年半の月日の間に、私の中で「いつか終わる夢」の存在がここまで大きくなるとは思いもしませんでした。
さて、前置きが長くなりましたが。
宮城の「いつか終わる夢」、やっぱり最高でした。
冒頭に流れる水音から早くも心が揺さぶられ、最初のフレーズの1音を聴いただけでもう涙腺が崩壊しそうになって。
涙で視界が遮られないように必死に堪えながら鑑賞するといういつものパターンでした。
だって、羽生選手のスケートがあまりにも美しいから…。
この世のものとは思えない、天から遣わされた使者の如き神秘性を感じさせる演技。
今までで一番リンクに近い席から見ているにも関わらず、羽生選手の存在がとても遠くに感じる不思議。
すぐそこにいるのに、儚く消えてしまいそう。
そんな人間離れした不思議な感覚を羽生選手に覚えるのはきっと、彼のスケートが全く重力を感じさせないから。
演技中盤、ロング側に座る私の視界の中で、端から端へ羽生選手が片足で横切っていきました。
Tの字でピタッと静止した状態で一直線に滑っていくシルエットがとてもとても美しかった。
その時の羽生選手は、どう見ても空を舞っているようにしか見えなかったです。
文字がたくさん流れるシーンでは、私の席からだとプロジェクションマッピングはほとんど見えなかったので、
ずっと羽生選手の演技を見ていました。
切ない感情を言葉の雨に変えていく羽生選手。
その姿を見ていたら涙が堪えきれず、マスクが濡れる程泣いてしまいました。
最後、片膝をついて羽生選手が氷の上に手を置くシーンまで、こみ上げてくる涙に負けないように一生懸命見入っていました。
夢のように美しい「いつか終わる夢」。
本当に大好きなプログラムです。
現地で見られてよかった。
羽生選手の故郷で見られて、よかった…。
「いつか終わる夢」を生で見るのはこれで終わりかもと思うと寂しくなって更に涙が溢れそうになりましたが、
「RE_PRAY」はまだ始まったばかり。
リンクに落ちた一雫の水から始まる物語。
やがて水は激流となり、
終わりに向けて流れるように進んでいきます。
鶏と蛇と豚
「鶏と蛇と豚」はTELASAの配信にあるマルチアングルで繰り返し見て楽しんでいたのですが、
いつも見ていた動画とほぼ同じ光景を現地で見られてとても嬉しかった。
羽生選手の表情も肉眼で見えて、眼福この上なかったです。
動画で何回も見たのに、生で見るダンスのキレに改めて驚いてしまいました。
真横から見るダンスは正面から見るのとはまた違って、姿勢の良さや振りのポジションの綺麗さがより際立つような気がします。
歌詞「The honey used to taste delightful」の部分、
鶏の嘴を思わせる動きのところ。
下から上に向かって三段階に分けて腕を突き出しているのが横から見ていてよく分かりました。すごく立体的な振りでかっこいい。「鶏と蛇と豚」を見る時に毎回注目して見てしまう大好きなポイントです。
それと、サビに入る前に一瞬ピョンと飛ぶところ。音楽と合っていて素敵です。これから一気に駆け抜けるぞ!といった勢いを感じる。
赤いレーザーの道から外れてイナバウアーに入る直前、西側に大きく滑ってくる時のスピードが凄く感じられて思わず鳥肌が立ってしまいました。
吹いてもいない風を感じるようでした。
スケートのスピード感とスリルを味わえるのはリンクから近い席ならではです。
椎名林檎の音楽を身体で感じながら見るスケートは至福でした。
もうすっかり病みつきになって、何度も何度も見たくなってしまいます。
「鶏蛇様」、埼玉公演で初めて見た時般若心経のインパクトに度肝を抜かれましたが、ツアーを通して見てきてすっかりお気に入りのプログラムになってしまいました。
阿修羅ちゃん
阿修羅ちゃんは…はっきり言ってあまり記憶がありません。
羽生選手の全てがかっこよすぎてギャーギャー言ってたせいです。まさに歌詞の通りに笑
悪い顔をした阿修羅ちゃんがこちらに向けて指を差すだけで、風圧を食らったように仰け反ってしまいました!
なんなのでしょう、あの圧は?
目も合ってないのに合ったと錯覚してしまうからでしょうか?
指から何らかのビームでも出ているんでしょうか?(出てない)
それにしても、
「阿修羅ちゃん」はファンの間ですっかり大人気のプログラムに成長しましたよね。
会場全体のエンジンが一気にフルスロットルになります。
そうやって観客に火をつけておいて自分自身はとても冷めている阿修羅ちゃん…
「頭を垂れないで」とadoは歌っているのに、深い土下座ポーズを取る阿修羅ちゃん…
掴みどころのない小悪魔なところがたまらなく魅力的ですね。
MEGALOVANIA
RE_PRAY公演自体は本当に最高で何も文句をつける所が無いんですが、ただ少しだけ苦言を呈したいことが。
それは、MEGALOVANIA冒頭の無音の場面で起こった笑い声のことです。
私がいた席では何故か一部の観客がクスクスと笑う声があちこちで聴こえてきて、その笑い声がせっかくの雰囲気を壊してしまっているように感じました。
無音状態で羽生選手のスケートの音だけを聴きたいのに、そこに観客の笑い声が挟まってしまっては台無しになってしまいます。
何かの原因で起こった1つの笑い声に反応して周りもつい笑ってしまうという負の連鎖が起こっているように感じました。
BGMを無くしてスケートの音を聴かせたい、という羽生選手の意図は、初見の方にも日本語が分からない方にも十分に伝わる演出だったと思うんです。
自分だけ良ければいい、ではなくて、
周りのファンも皆羽生選手の演技が見たくて頑張って現地に辿り着いている同志たちなのだから、
お互いに気遣いをし合っていきたいですね。
もちろん、私自身も気をつけないといけないことです。
ショーの場面に合った鑑賞マナーを心がけているつもりではありますが、独りよがりな考えにならないようにしていきたいです。
さて、肝心のMEGALOVANIA本編の演技部分の話に戻します。
大音量の演奏と迫力のスケートを目の当たりにし大興奮しっ放しでした!
MEGALOVANIAも大好きなプログラムなので、間近で見られた事は本当に貴重な体験でした。
客席を煽る表情がまた良いんですよね。
何かのキャラ(サンズかな?)に憑依したような表現が随所に見られ、改めてアーティストとしての羽生選手に感服したのでした。
羽生選手のスピンはポジションが本当に綺麗。一本線が通ったように軸の真っ直ぐなスピンを近くで見られた体験は、一生の宝物です。
破滅への使者
4月7日の公演では横浜公演の演技を上回る圧巻のノーミス演技だったと聞いていたので、きっとまた9日でもノーミスを狙ってくるだろうと思っていました。
6練の最後のジャンプで転倒はあったものの、(「俺の決意がやっと出せる」という台詞に合わせてジャンプしにいくというとても難しいことにチャレンジしているからですよね)
全体的に危なげない動きをしているように見えて「きっと今日も大丈夫!」と確信していたことを思い出します。
いつも6練は見ているこちらが緊張してしまうけれど、
競技時代の6練の緊張感をプロになった今エンタメとして魅せてくれる羽生選手、凄いとしか言いようが無い。
本番の「破滅への使者」、素晴らしい演技でした。
私はいつものように胸の前で手を握って演技の成功を祈りながら見ていましたが、気づけばお隣の方も全く同じポーズをとっていました。
ジャンプ、スピン、ステップ全て綺麗でした。
羽生選手のジャンプは見ていて気持ちがいい。飛び上がる瞬間から着地まで、清々しい程美しいです。
アリーナから見ていると羽生選手のジャンプがものすごく高いということがよく分かります。
人間ってこんなに高く跳べるんだ…と驚いてしまう程です。
最後単独の3Aにしていたところ、コンビネーションにして3Tをつけていました。
少し着地が乱れていましたが、それよりも最後の最後まで難しいことにチャレンジしようとする心意気に感動しました。
過去の自分を超えようとしたのかな。
自分の実力に慢心せず常に上手くなろうという姿を見せてくれる羽生選手は、アスリートの鑑ですね。
そういうところも大好きです。
演技終了後は本当に身体が辛そうで、見ていてハラハラしました。
セーブデータが壊れてしまう演出の残酷さがより伝わってきました。
なんて…なんて凄まじい演出なんだろう。
ショーが始まって4曲も滑った後に、この鬼構成のプログラムを滑らなければならない。
そしてやっとCLEARしたと思ったら、セーブ出来ずに今まで積み重ねてきたものが一瞬で無に帰してしまう。
物語の主人公はさぞ無念だろう。絶望を味わっているだろう。
スクリーンの映像が終わって暗転しても、疲労のせいでしばらく立ち上がれない羽生選手。
このまま起き上がらないのではと心配になるほどでした。
表面的な演技ではない。
目の前で繰り広げられるリアリティをもって伝わってくる絶望感に、背筋が寒くなりました。
これも、アスリートとしての羽生選手にしかできない表現なんじゃないかなと思います。
いつか終わる夢;Re
「破滅への使者」でかなり疲労困憊している姿を見ていたので、無事に第二部が始まるだろうかとドキドキしていました。
羽生選手の体力が回復せずに中止になってしまうんじゃないか。
そう思ってしまうくらい彼の様子が辛そうだったので。
だから、幕が上がって羽生選手が登場したのを見てものすごく安堵したことを覚えています。
シンプルなピアノの音によく似合う、真っ白な羽生選手の衣装がとても好きです。
髪型もナチュラルになって、第一部とは別人のようになっています。
衣装や髪型を変えたことにより純粋無垢な姿に生まれ変わって人生をやり直していくという「RE_PRAY」の主人公の気持ちを表しているのかもしれません。
「いつか終わる夢Original」の時とは違い照明が明るめなので、滑っている羽生選手の表情がよく見えました。
軽く微笑みながら滑る羽生選手の穏やかな表情に胸を撃ち抜かれました。
演技最後の膝をつくシーン、「Original」では氷に手を付くけれど、「;Re」では何かを胸に抱きしめるような仕草をします。
この違いに何の意味があるのか…。
「Original」と「;Re」を対比すると、いくらでも意味を考察できそうですね。
もう一つ印象に残ったのは、羽生選手のスケートの音がとても静かだったということ。
立ち止まったりターンしたりする時は氷を削る音がするけれど、
それ以外はピアノの音しか聴こえないんです。
スケートが上手い人は滑っていてもあまり音がしないという話を聞いたことがあります。
「MEGALOVANIA」はスケートの音を聴かせる演出だったけれど、「いつか終わる夢;Re」では無音のスケートの魅力に気づけた気がしました。
それにしても、スケートというのはありとあらゆる楽しみ方があるものですね。
ジャンプやスピンといった技術的なものから、音楽、照明、映像等の演出との融合だったり。
音がする、しないといった足し算や引き算で生まれる表現だったり。
そんな様々な表現の楽しみ方あるのだという事を羽生選手のスケートから教えてもらったように思います。
天と地のレクイエム
ランタンの光と羽生選手がいるリンクが両方よく見えたので、より世界観に没入できました。
一つだけ光が灯るランタンに手を伸ばす羽生選手が切なく見えて、胸が苦しくなりました。
演技後、奥へ捌けていく前に氷上に手を置いた羽生選手。
ごく軽く、そして慈しむように氷を触ったその美しい指先を私は見逃しませんでした。
ここで私は、震災のことを思い出しました。
かつて遺体安置所として使われたこの地で「天と地のレクイエム」を滑ることに意味があるような気がして。
「RE_PRAY」の物語とは関係がなくても、このリンクとこのプログラムから「震災を忘れないで。希望を持って共に生きましょう」という彼からのメッセージを受けとった気がしました。
それは、ずっと長年羽生選手がブレずに震災からの復興に心を寄せている姿を見せ続けてくれている結果なんだと思います。
3月に同じ会場で行われたnotte stellata公演やeveryのスペシャルメッセンジャーとしての活動を見てきたからこそ、この地で羽生選手が舞う「天と地のレクイエム」に意味を見出し、
感慨深く思ってしまいました。
「RE_PRAY」のテーマが「祈り」だと考えると、震災のことを絡めて考察するのもあながち間違っていないんじゃないかと思います。
あの夏へ
ここで衣装のハプニングがあったそうですね。
背中のジッパーが外れていたという話を私は後から知りました。
というのも、現地であれだけ羽生選手の演技を凝視していたにも関わらず、衣装トラブルがあったことに全く気が付かなかったんです。
あんなに近い距離で見ていたのに気が付かなかったんです。
ということは、それだけ羽生選手がプログラムの世界観を壊さず滑ってくれていた何よりの証拠だったと思うんです。
羽生選手が衣装のことに気づいていたか気づいていないか、それは私には分かりません。
もし気づいていたとしたら、衣装トラブルがあったら演者はそちらに気が取られて演技が乱れそうじゃないですか?
でも、最後まで心を乱さず演じきってくれたことで、何も気づかず楽しめた私みたいな観客もいたんです。
ここでも残念ながら一部の観客から笑い声が起こっていました。
何故ザワザワしているのか私は全く理解してなかったし、ザワザワは極力無視して演技に集中していましたが、
今思えばその観客達はもしかしたら衣装トラブルに気づいて笑っていたのかもしれません。
本当のところはどうなのか、それは憶測しかできないのでこれ以上考えませんが。
どんな理由があるにしろ、「あの夏へ」は笑い声が起こっていいプログラムではないと私は思うのです。
私が「いつか終わる夢」をどうしてももう一度見たくて無理して宮城に行ったくらい特別に思っているように、
「あの夏へ」を特別な思いで見ていたファンもきっといたはず。
思い入れの強いプログラムを見ている最中に笑い声がしたらとても悲しくなるでしょう。
羽生選手の演技は一期一会。
1つ1つの公演、一瞬一瞬全てがファンにとって大切で宝物の記憶になるのですから。
私は声を大にして言いたいです。
羽生選手。
トラブルがあっても、笑い声が起こっていても、世界観を壊さずに素晴らしいハク様を演じてくれてありがとう。
ヒラヒラした衣装はとても滑りにくいと思うのに、演技しながら巧みに操って華麗に見せてくれる。
衣装の動きにさえも血が通っているようです。
本当に、本当に、羽生選手の演技は素晴らしかった。
だからあの笑い声だけは残念でならなかったんです…。
春よ、来いとユヅ桜
少し話が変わりますが、実は私、公演が始まる前に七北田公園まで行って「ユヅ桜」を見に行ってきたんです。
大雨が降っていて寒かったので行こうかどうか迷ったけれど、もうこの日しか見に行く機会がないと思い行ってきました。
この目で見たユヅ桜。
大きくて可愛らしい花をたくさんつけて、とても美しかったです。
私は、この日の公演の「春よ、来い」とユヅ桜の姿を重ねるようにして鑑賞していました。
本当に綺麗だったなぁ。
私にとって春ちゃんは「いつか終わる夢Original」と同じく、涙腺を刺激してくるプログラムです。
この日はより「RE_PRAY」の物語の中のプログラムとして演技を見ました。
すべての生命を大切にしたい、守りたいと祈る春ちゃんが健気で…。
春ちゃんの祈りが届いてほしいな、と思っていたら勝手に涙腺が緩んでくるのです。
そして今回気付いたのは、
春ちゃんがお立ち台の演技終わってメインスクリーンの方に向くところでレーザー光線のような眩い光に照らされるのですが、
その光が虹色に光っていてとても綺麗だったんです。
虹色の光に包まれた春ちゃん。
妖精にしか見えなかった…。
七北田公園で見たユヅ桜の妖精が、利府のアリーナに降臨していました。
MC
先程まで妖しい鶏蛇様や妖精な春ちゃんといった多彩なキャラを演じていた羽生選手が、MCになると途端に等身大の青年に戻って話してくれる。
そのギャップが、羽生選手の魅力の一つですよね。
この日も素の羽生選手を感じられるMCで、長く話してくれました。
最初登場してきた時は両手にマイクを持ってモジモジと恥ずかしそうに話していたのに、段々と饒舌になっていくところが可愛いです笑
羽生選手から客席へ質問があり、それに答えるというレアな体験もさせていただきました!
羽生選手「日本人の人?」
客席「はーい!!!」
羽生選手「女性?」
客席「はーい!!!」
なんて、こんな簡単なやりとりですけどね。
たったこれだけでも、羽生選手とやりとりができる機会があるなんて、夢みたいでした。
ノッてきた羽生選手、今度は運営スタッフさん達にも呼びかけていました。
「イエーイ!」「フゥ~!」と叫ぶ羽生選手の声がこれまたレアだなと思いましたね。
羽生選手がすごく楽しそうで、機嫌が良さそうで、会場全体があたたかい雰囲気に包まれていました。
「照明」「配信」「製氷」など、裏方のスタッフさん達にまでコール&レスポンスをしているアーティストさんは他に知らないです笑
羽生選手の律儀な性格が表れていますよね。
運営さん達とのコール&レスポンスのエピソードから長いツアー期間の中で培われた彼らの絆を感じることができて、心がぽかぽかしました。
アンコール
Let me entertain youが終わった後、
SEIMEIが終わった後、
ロンカプが終わった後。
呼吸がとても苦しそうでした。
アンコールなのでつい楽しいだけの気持ちになりがちですが、羽生選手自身も言っていたように声を出しながらの演技の後呼吸を整えるのはすごく辛いはずなんですよね。
特にロンカプの後の呼吸は本当に苦しそうで。
それだけ全身全霊を使って演技を届けてくれようとする羽生選手に感謝の気持ちでいっぱいでした。
喉が痛くなるほど声援を届けてきました。
手が痛くなるほど手拍子しました。
「ありがとう!」と叫びました。
もうこれでしばらく羽生選手には会えなくなるだろうから、悔いのないように。
それにしても、あらん限りの声援を送っても送っても、更にもっと応援したくなるのは何故でしょう。
もういいや、もう疲れたと椅子に座ったりせず羽生選手の姿が見えなくなるまで皆ずっと立ちっぱなしで。
私も、最後の一滴まで残らず応援の気持ちが届くように、声を限りに叫んできました。
色とりどりのバナー
「今日も綺麗だ」
と、ちょっとドキッとするような台詞もありましたね。
ファンが掲げるバナーを見て言ってくれました。
リンクを挟んで反対側の客席を見上げると、たくさんの色とりどりのバナー達が見えました。
リンク横の最前列からスタンドの最後列までびっしり埋まった客席と、それぞれが持つバナーやフラッグ。
思い思いのデザインのものや限定販売されたRE_PRAYフラッグ等もあり、ファンの応援の熱さを感じることができました。
圧巻の眺めでした。
その光景をアリーナ席から見たので、羽生選手本人から見た目線と近い感覚を持てたと思います。
ああ、羽生選手はいつもこんな景色を見ていたんだ…と思うと胸に来るものがあり、深く感動しました。
数え切れないほどのファン達の愛が、
リンクの上でただ一人立つ羽生選手に向かって
一斉に降り注いでいるように見えました。
ファンも、羽生選手も、皆笑顔。
私の目の前には、「あたたかい世界」が広がっていました。
「あたたかい世界」に包まれた羽生選手の笑顔は、
とても綺麗で、可愛くて、尊かった。
羽生選手の笑顔を見ることができて幸せでした。
たくさんの壁を乗り越えて、宮城公演まで来て本当によかった…と心から思いました。
推しの幸せがファンの幸せ。
この一言に尽きます。
満開のユヅ桜
先程の「春よ、来い」の項でも触れましたが、
私が宮城公演の当日ユヅ桜を見に行った時は大雨が降っていました。
傘を差した多くのお仲間さんがユヅ桜を見に来ていました。
ねこまさむねちゃんがお知らせしてくれたんですけど、
4月9日に仙台で桜が満開を迎えたそうなんですね。
RE_PRAY宮城の大楽の日に桜が満開を迎えるというのは何か運命的なものを感じます。
今年は全国的に例年よりも開花が遅れていたので、
少しでも時期がずれていたら遠方から来るファンはユヅ桜の満開を見れなかった訳ですから。
ユヅ桜はRE_PRAY宮城公演の日までほとんど花びらを散らさずファンが来るのを待っていてくれたのかもしれない。
そう思うと嬉しくて、私はなかなかユヅ桜が咲くその場から立ち去ることができず、時間の許す限りいつまでも桜を見つめていました。
ユヅ桜は大勢のファンに囲まれてなんだか幸せそうに見えました。
「あたたかい世界」がそこにもありました。
今、思い返しています。
RE_PRAY宮城二日目で見た羽生選手の笑顔は、まるでユヅ桜のようだったと。
大雨の寒空の下でも大勢のファンに囲まれて咲いていたあのユヅ桜のように、
とても幸せそうに見えました。
満開の桜のような笑顔を見ることができて、
本当に良かった。
本当に嬉しかった。
光の糸
「RE_PRAY」追加公演を含む全公演が終わり、すごく名残り惜しいです。
寂しいです。
MCで羽生選手が言っていたように、また再演してくれたら何度でも見に行きたい。
どの公演でも満席だった「RE_PRAY」は、名実ともに名作となりました。
それに、
羽生選手と、「RE_PRAY」を作り上げてくれたスタッフの皆様たちの努力にはまだまだ全然敵わないけれど、
私自身もこの数ヶ月の中で少しは成長できたと思えることが嬉しいです。
この5ヶ月の間日常生活で色々なことがありました。
悲しくもなったり傷つけられもしたし、
体調も崩したし、
明日なんて来ないんだと絶望した日も少なくなかった。
だけど、
「大好きな羽生選手のスケートが見たい」
「RE_PRAYを見たい」
「現地で羽生選手を応援したい」
という気持ちがあったお陰で、様々な壁を乗り越えてこられたのは間違いないです。
そのことが私の自信になり、5ヶ月前の私よりは少しだけ強くなれたような気がしています。
この気持ちが「光の糸」となって私の側にいてくれたから。
激流に飲み込まれそうになっても、光の糸が私を引っ張ってくれていました。
そして、世の中でどんな不条理なことが起ころうとも、外野から要らない情報を突きつけられようとも、私はその糸をぎゅっと掴んで離さなかった。
自分の意思で「羽生選手を応援し続ける」という選択をしてきました。
この気持ちを何よりも大切にした結果、手に入れたのは「大好きな人の笑顔」というご褒美でした。
今の私の「光の糸」が繋がる先は、FaOI幕張です。
もうチケットは確保できています。
光とともに、明日はやってくる。
羽生選手のスケートを見られる未来に感謝して。
顔を上げて、前を向いて。
これからも進んでいきます。
羽生選手の満開の笑顔が、また見られますように。
終わります。
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