見出し画像

子持ち鮎も終わりの季節

夏のイメージが強い鮎ですが、食べられる時期は一年を通じて意外と長かったりします。 
4月から5月に出回る稚鮎(ちあゆ)は8センチほどの大きさで、骨も柔らかいので揚げれば丸ごと食べれます。市場に並ぶようになると、あ~もう夏かと一年の早さを感じるようになります。

初夏からはいよいよ成魚が出回る季節。
スーパーなどで気軽に手に入る鮎はたいてい養殖のものですが、鮎特有のスイカの香りはしっかりとあるし脂ものっていて美味しい。
もし天然ものと並べてあったらむろんそちらに手が伸びると思いますが、天然物は高価だし、なかなか手に入らないのが現状。

9月後半になると待ちに待った子持ち鮎の季節です。卵がパンパンに詰まっていて、10月の中旬までのわずかな期間しか出回りません。
小料理屋をやっている私は、お店用と自分用にも買ってきます。
日本人は本当に食いしん坊、この時期にしか食べられないものに弱い。

焼いても美味しいですが、今日は春に冷凍していた実山椒と一緒に煮浸しにします。少し時間のかかるお料理ですが、ご飯にもお酒にもとても良く合う一品です。

子持ち鮎の実山椒煮

子持ち鮎5尾
水1200㏄ 酒200㏄ 昆布10g  砂糖80g            みりん40㏄ 濃口醤油40㏄ 実山椒大さじ1

肛門にフンが入っている場合があるので軽く押し出します。

庖丁で掻いてうろこを取ります。全部とるのは大変なので軽くで大丈夫です。

ぬめりも一緒に取れます

うろことぬめりを水で洗い流し、煮る前にまずはしっかり素焼きをしていきます。

両面で15分くらいしっかり焼きます。
焦げやすい尻尾やヒレは、アルミホイルをかぶせておくと焦げません。

鍋に昆布と水と酒と鮎を入れ、火にかけます。
鮎の骨酒(こつざけ)があるように旨味の強い出汁が出ますので、まずはじっくり30分コトコトに出していきます。落し蓋は必須です。
3時間じっくり煮ていくので、火加減は注意してください。強火だとあっという間に煮詰まってしまいます。

30分経ったらまず砂糖から入れて甘さを含ませ、その後みりんと醤油、実山椒を入れます。
実山椒は春に生のものが出回りますので、湯がいて小分けにして冷凍したものです。
ここからは2時間ほど、様子を見ながらゆっくり炊いていきます。

落し蓋をしながらゆっくり炊いていきます。
早く仕上げたいところですがここは我慢のしどころ。少しずつに詰めて煮汁をかけながら煮詰めていきます。汁がほぼなくなるくらいまで煮詰めた方が日持ちもします。

仕上がりまでもうちょっと!

出来立ても美味しいのですが、ひと寝かすと味がなじんで一層美味しくなります。
温めなおさないで冷たいまま、包丁で押し切りにしてお皿にのせます。こうすると食べやすいです。

ご飯の準備は万端です^^

もう子持ち鮎も終わりのじきですが、もしお店で見つけたら作って欲しいおすすめの一品です。
最後までお読み頂きありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?