タグチテルヒコ

ずっと好きなもの作りをしていたら、還暦を過ぎてしまった人。 人生の満足度はそこそこ。 …

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ずっと好きなもの作りをしていたら、還暦を過ぎてしまった人。 人生の満足度はそこそこ。 だが無名、かつ売れてない。 胡散くささとは無縁の人生を送ってきたつもりが、じゅうぶん胡散くさいよね。

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自己紹介みたいな

おじさんである。 かの磯野波平氏の年齢を超えているので、下手するとおじいさんである。 最初の東京オリンピックの時は、米沢で母に抱かれて聖火リレーを見たらしい。 名前は本名だ。 ただ漢字で書いた自分の氏名が落ち着かない。 おそろしくスカスカの最初の2文字に、 突然ぐちゃぐちゃした3文字目、 ここでやめておけばバランスも取れたものを、最後の「彦」はいったいどうなのだ。 おかげて人生で上手に名前の書けたことが一度もない。 ここではせめてカタカナにしてみた。 肩書きは造形作家を名

    • 演劇を芝居と呼んでいた頃

      唐十郎が亡くなった。 実は若い時は演劇青年だった。 いつからそうだったのかはわからない。 高校の国語で、ブルータスとオクタヴィアヌスの演説に材を取ったテキストがあって、(あれは誰の書いた何という作品だったろうか?)皆の前で「気持ちを入れて」読まされたことがある。 それがまぁまぁ評判が良くて、どうもあの辺りからその気はあったようだ。 大学に入ると怪しげな演劇のサークルがあって、同じ学科の可愛い女の子に手を引っ張られて、一緒にやろうよなどと誘われたものだから、ふらふらと参

      • 2024 5 4の3行日記

        GW前半にお仕事で作ったもの。 上がり框の踏み台と、階段踊り場の休憩用箱椅子。 近くの某文化財に、バリアフリー対策で置かれる模様。

        • 朝ドラ見て考える

          今期の朝ドラをみながら、戦前の話なれど、今の世の中のことを考えずにはいられない。 自分が子どもの頃には、なんだかんだ言っても、戦後民主主義というものを信じていて、だから時々悪徳政治家みたいなものが出てきても、そういう手合いは最終的に陽の当たるところに居続けるのは難しいのではないかと信じていた。 何しろ悪徳なのだから。 あの絵に描いたような悪人顔の、田中角栄が失脚したのが、まさにその証左のように思われた。 まだ「正義は勝つ」という文句を、無条件に受け入れられていたのだ。

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          2024 5 2の3行日記

          暑かったので今年初めてのアイスを食べようと決心した。 糖分の取りすぎもよろしくないし、ここはガリガリ君一択だろう。 なのに手前に並べてあった、プレミアムキャラメル味なる変化球の一品を買ってしまい、どうしたらこれと間違えられるのかと落ち込むことしきり。

          2024 5 2の3行日記

          2024 5 1の今日は4行日記

          3日でできると思って受けた木工仕事だけれど、5日かかりそうだ。 もっとも、作業自体はサクサク進んでいる。 もう一度同じ仕事をしたら、多分3日で作る自信があるが、次も同じものを作れと言われることは、まずない。 まぁ、そういうのが楽しくてやっている仕事ではある。

          2024 5 1の今日は4行日記

          ハナノハナシ

          うちの前の植え込み、というか塀の下の僅かに土の見える場所なのだが、ここにしばらく前から、薄紫の美しい花がたくさん咲き始めた。 さてなんの花だろうなと、しげしげ見てみたのだがよくわからない。 花弁が五枚で桜型、だが葉っぱの形状はどうみてもクローバーである。 そういえば、クローバーはシロツメクサ。 たしかムラサキツメクサという植物もあったはずだなと、Google先生に聞いてみたが、出てきた写真は明らかに花の形が違う。 ムラサキツメクサの花は、シロツメクサがそのまま紫になった

          ハナノハナシ

          すれ違い

          仕事に使うものをネットで買った時は、仕事場に直接配達してもらうようにしている。 仕事場は共同アトリエで、10数名が使っているので、だいたいいつも人がいる。 なので時間指定などしなくても、荷物が届けば誰かが受け取ってくれるし、置き配でそこらに放置してあれば、見つけた誰かが入れておいてくれる。 たいへんにありがたい相互扶助である。 とはいえ、置き配指定も時間指定もできない業者(なぜだかいまだに結構ある)が朝の8時半とかにやってくると、さすがに誰もいなくて、荷物を持ち帰られるこ

          祝杯のわけ

          入学した高校がたまたまサッカーの強豪だった。 かつて何回も全国制覇を果たしていて、運動部にも、スポーツそのものにもなんの興味もなかったわたしでさえ、一応その事実だけは知っていた。 ただわたしの入った頃には、母校のサッカー部はもう全盛期を10年くらい過ぎてしまっていて、県内では新興勢力が台頭した結果、彼らはなかなか全国大会へと進めなくなっていたのである。 それでも他の部活がどこもパッとしなかったこともあって、まぁ母校で有力な運動部といえば、サッカーであると、これは在校生の

          2024 4 27の3行日記

          ネットのおかげで大概のものは手に入る世の中なのだが、それにしても、手に入りやすいものと、そうでもないものは厳然としてある。 日本中に在庫がなくて、半年待ちです、という塗料とか、ごくごくありふれた工具なのだが、そのサイズは中国でしか作っていませんとか。 今日、まさに探していたのとぴったりの機械部品を見つけたのだが、販売しているのはトルコのショップで、ちょっと注文する勇気が出ない。

          2024 4 27の3行日記

          2024 4 26の3行日記

          連休に入るというのだが自分にはあまり関係ない、そういえば昔「毎日が日曜日」という小説があった、読んでいないが。 連休の後に、山口、萩あたりを旅行するのもいいなと思って調べてみたら、最近NYタイムズが持ち上げた記事を書いたらしくて、やたらと宿代が高い。 インバウンドで潤う向きもあるのだろうが、海外どころか、国内もこれだもの、ぶつぶつ。

          2024 4 26の3行日記

          猫背

          昔から猫背気味で、足元ばかり見て歩いている。 そのわりに結構な頻度でつまずくのは、不器用なのか、注意力散漫なのか、はたまた運動能力の問題か、よくわからない。 ただ時々顔を上げると、普段見ていないものに気づくことがある。 かわった意匠の建物とか、不思議な看板とかだ。 今日は変圧器に植物が絡み付いて、一面に白い花を咲かせている電柱に行きあたった。 まるでホーチミンの街中で見た風景のようだ。 あんなに不思議な光景なのに、そして100回も通った道なのに、本当に自分は何を見ていた

          屋根より高い

          歳をとると時間の経過が早い。 もう4月も終わりに近づいて、今年も1/3が終わるわけだ。 そうして5月になると、時々思い出すことがある。 我が家は通過儀礼のようなものに冷淡な家庭だった。 通過儀礼、つまりお七夜とか宮参りとか七五三とかの類で、おそらく自分と兄弟妹の4人、誰一人、いっさい何もやってもらったことがない。 いつだか友人の家で、「命名 ◯◯」と墨書きされた半紙とともに、赤ん坊の時の彼が写っている写真を見せられたことがあって、ああこういう時代がかったことをする家がい

          屋根より高い

          2024 4 23の3行日記

          ここのところ意外と忙しいのだが、ほぼ無職自由業のはずなのに、いったい全体どうしたわけか。 それはそれとして、今日も作業場に不穏な荷物が届く。 これは先日購入した格安の木材で、今回はかやの木を中心に買ってみたが、何にでも安売りというのはあるものだ。

          2024 4 23の3行日記

          2024 4 22の3行日記

          水彩画を教えている教室は隔週だけど、まず顔を合わせたら近況報告が始まる。 わずか2週の間にコロナになって復活したとか、旦那さんが倒れて入院したとか、皆さんそれなりに波乱万丈である。 多分絵を描くことより、人と話すことが大事で来ていただいている。

          2024 4 22の3行日記

          心残りとか、大福とか

          昨日久々に都内に出たのは、お世話になったギャラリーが店を閉めると連絡があったからだ。 40になる頃、わりと安定していた仕事をやめて、さて作家を名乗ったものの、それだけでどうなるものでもない、どうしようかと思っていた時だ。 とにかく作品を作って、貸ギャラリーで個展を開き、見よう見まねでHPも開設した。 だけど、やはりその程度ではどうなるものでもない。 そもそも、なんの展望も計画もなく仕事を辞めたのだから、まぁ当たり前のことである。 そんな時初めて声をかけてくださったギャラ

          心残りとか、大福とか