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自分の判断ミスで全員が悲劇に巻き込まれる悲劇〜リア王〜

2024年PARCOプロデュースのリア王@東京芸術劇場プレイハウス行ってきました
(前日に敦子さんが呟いてなかったら絶対渋谷のPARCO劇場に行ってた)

悲しい悲しいお話でした、、、、
4大悲劇のなかでもいっちゃん悲しいかも

PARCOプロデュースのリア王は
演出が現代風で、あ〜〜こういう感じ??って一幕はふむふむって感じで見たんだけど、

二幕で全てがよかった。

今回のリア王はとてもとても悲しさが、それも非常に構造的で、かつ個人の感情でもある悲しさが伝わってきて、それは初めての感想だった。
最後の段田さんの演技でぐわっと来たんだよな。

リア王というのは、上二人の娘のおべっかに騙され、末娘の真心を見抜けなかったことによる悲劇、と説明されるけど、
今回みた感想としては「王の判断ミスにより引き起こされた悲劇」。
グリム童話的な上辺に騙されるな&がめついやつはバチが当たる的な話というよりも、
ただひたすらに王が判断を間違えたからこそ、権力と欲望が暴走し、全員が悲劇に巻き込まれたという話だと思った。

上二人が心に邪悪なものを持っていたこと自体が悪いのではなく、リア王が判断を間違えていなければあの二人も性格が悪いままに生きていただろうなと。
コーディリアもまあ善なんだけど、あの場であの発言で分かれはちょっと厳しくね?とか思うけど、やはりただひたすらにトップが判断を間違えた。

自分の判断で自分が不幸になるならいざ知らず、それが周りを不幸に陥れてしまうって、やっぱり自分が不幸になるより辛いと思うんだよね。

道化や私生児その他もろもろ、シェイクスピア定番のモチーフ、また最後コーディリアが殺されてしまう時の情報の伝達ゲームも、いかにもという感じでとても面白かった。

書きながらもう1回みたいな…と思った頃には時すでに遅し。春の現場祭りにより、この1回の観劇となりました。
また機会があれば見たい、リア王。

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