傑作短編『悪役令嬢の中の人』

 少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。令和6年も、どうぞ宜しく御願い致します。
 さて木曜は、私の大好きなライトノベルについて書いています。令和5年末に続いて、令和6年の最初も、悪役令嬢物を紹介します。
 今回紹介する作品は『悪役令嬢の中の人』です。「小説家になろう」の短編部門から出た作品なので、およそ200頁の単行本中の6割くらいの長さです。ちなみに、残りの4割はショートショートくらいの作品が7つ入っています。
 この作品の面白さを説明するには、作者まきぶろ先生自身が書いている「あとがき」を読むのが一番です。引用します。

◆悪役令嬢が悪役であるまま幸せになる話
◆婚約破棄からのざまぁ
◆敵が破滅するスカッとする展開
◆自業自得で失恋して後悔して泣く愚か者(悪人ではない)
◆共感はともかく応援できるような理由付け
◆ヤンデレ美女
◆クソデカ感情

 もう本当に、この通りの作品です。そして短編なので、これらの展開が非常にテンポ良く進んでいきます。サクサク読めて読後感スッキリという、まるで「読む炭酸水」みたいな作品です。
 大藪春彦先生の『野獣死すべし』や『蘇る金狼』など(ちょっと例示が古すぎかな?)ピカレスクロマン系の作品が好きな方には、かなりオススメと言えるでしょう。
 それと、この作品はコミカライズもされていて、そちらも面白いのです。それについては、次の木曜(R6.1.11)に書かせていただきます。では、また来週~!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?