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「うとてとこ」の授業①

 月・火曜は学校教育の話です。今回は、久しぶりの授業を記録がてら語ります。
 私が尊敬する、千葉県の野口芳宏先生の実践に「うとてとこ」があります。谷川俊太郎さんの詩を使った授業で、私は何度も追試させていただきました。そして令和5年度の最終盤の国語の授業、久しぶりに「うとてとこ」の授業を行ったのです。
 因みに、授業は2年生に行いました。

 書画カメラでテレビにノートを映し出し、
  「ノートを開いて日付を書きましょう」
…と指示しました。子供たちが書いているのを確認すると、ノートの右端に「うとてとこ」と書いて、子供たちにも同じ様に書かせました。
  「何の事だと思いますか」
…と問うと、「よく分からない」と言う答えが大半でしたが、「何かの音だと思う」などの意見もありました。確認を終えると、「うとうとうとう」と書いて子供たちにも書かせます。
  「何だか分かりますか」
…と問うと、「眠たくて、うとうとしてるんじゃないかな」、「でも、それだと最後が変だよ」などと意見が出ました。意見が途切れたところで、「うがよんわ」と書いて子供たちにも書かせました。見ていた子供たちから、「分かった」と言う声があります。
  「何ですか」
…と問うと、「『よんわ』だから動物がいる」、「『よんわ』だから鳥だよ」、「『う』って言う鳥が4羽いるんだ」などの意見が出ました。
 ここで、以前やった俳句カードで読んだ、「面白うてやがて悲しき鵜舟かな」の俳句を思い出させます。
  「鵜舟とは、鵜と言う鳥を使って魚を捕る舟でしたね。
   つまり、鵜と言う鳥が4羽いますよって言ってる訳です」
…と説明しました。その後、
  「では、1行目は、どう読んだら良いでしょうか」
…と問いました。子供たちからは色々な読み方が出てきましたが、最終的には「う」を少し強調する読み方でまとまりました。「」と言う読み方です。
 それから、「うとうとうとうと」とノートに書き、子供たちにも書かせます。書き終わった頃に、
  「今度は、どう言う意味でしょうか」
…と問うと、「鵜が4羽いるって事じゃないの」と子供たち。そこで、「いねむりだ」とノートに書き、子供たちにも書かせました。そして、
  「どう言う事でしょうか」
…と問うと、「居眠りしてるんだ」、「うとうとしている」、「鵜が『うとうと』って居眠りしてる」と言った意見が出ました。それらの意見をまとめて、「鵜が4羽いて、『うとうと』居眠りをしている」と確認した後、
  「今度は、どう読んだらイイですか」
…と問いました。これも色々と意見が出ましたが、最終的には「うとうと」で区切り、後半を強調する読み方にまとまりました。「うとうと、うとうと」と言う読み方です。
 ここまでで一連目が終わりました。黒板には、こんな感じで書かれています(もちろん、縦書きです)。

うとうとうとう
うがよんわ
うとうとうとうと
いねむりだ

 まだ二連目と三連目があるのですが、ちょっと長くなりました。続きは次回とさせていただきます。

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