見出し画像

5月はいつも前のめりになる男

5月といえば何を思い浮かべるだろう。

ズラリと並んだ記憶の引き出し。5月のタブがついた思い出達を眺めてみる。

さて、どれを今日はひっぱり出そうか。

子供の日に母の日。ゴールデンウィーク。
やっぱり心温まる家族のエピソードだろうか?

それとも五月病をからめた仕事の話にする?


おや、随分同じようなエピソードがいくつか固まってるじゃないか。
マイトンらしさが伝わるへっぽこな話ばかりだが。。

まぁ、良しとしよう。今日の話は決まった。
では始めるとしようか。

🟰🟰🟰🟰

ミッション① 愛モードを駆使せよ!


一つ目の記憶は24年前。

6年間の男子校生活を経て大学に入学した私は見事大学デビューを果たし、初めてのキスも早々に済ませた。

(この書き方だとあなたは120%勘違いしていると思うのでまだの方はこちらを読んでほしい。)


今でこそリケジョなんて言葉も聞こえるが、当時の理系はほぼ男のみ。
工学部なんてリアル紅一点だったところ、私が入学した薬学部は半数近くが女子という最高の珍しい環境だった。

そして当然その事実をしっかりインストールしていた受験生の私が もし当時脳内メーカーをやっていたら、、お察しの通りの結果だっただろう。

少なくとも、S台やKY塾の全国模試で上位常連の女子の名前はしっかりチェックするという変態っぷりを発揮していたことは事実である。

とは言え名前こそ知っていても話しかけられるかどうかは別の話。異性に話しかけるというコマンドはまだ修得していなかった私に大学は神イベントを用意してくれていた。

新入生全員で一泊のお泊まり会


これはウキウキワクワクソワソワが止まらない。(カタカナが多くて目がイタイ)

そしてその合宿で出会ってしまったのだ。

運命のひとに(キモい)



そして翌5月に私は告白していた(?!)




まさに猪突猛進とはこのこと。
ちなみに会ってから告白するまでに特にイベントは発生していない。
一緒に遊んだとか、一緒にご飯食べたとか、ノートの貸し借りをしたとか、そんなものは一切無い。あるべきものはそこにはなかった。


相手のことも正直あまり知らず、今思えばどこが好きだったのかも分からない。これが恋に恋する現象だったのかもしれない。それすらも分からない。恐らく合宿の夜に打ち解けた感じで話してくれたことが私を錯覚させたのだ。

この娘はおれに気があるのだ、と。


そしてその錯覚が私に勇気を与え、でもその勇気は中途半端だったので、結果的にメールで好きですと伝えてしまった。

そう、メールで。


「こんにちは。同期のマイトンです。合宿で話した時から好きでした。付き合ってください」

みたいな。1番やっちゃいけないパターン。誰よお前って絶対なってたパターン泣



そしてその返事がこない代わりに、翌日友人からある事実を聞かされる。



「お前のメール、学部内で回ってるぞ」と。



私は入学して初めて泣いた。


🟰🟰🟰

ミッション② 盗聴には気をつけろ!

メールで告白したらダメなんだ、ということを身をもって学んだ私。
教科書に載ってないことを教えてくれるのが大学である。

でも私は負けない。走り始めるのも早ければ転んでから起き上がるまでも早いのがマイトンという男だ。

同じく5月には別の女の子に告白していた。


今度は電話で(白目)





落ち着けマイトンという全国1億人の声が聞こえる。

いや、今となっては全く分からないのですよ。なぜこんな暴挙に出たのか。
勉強のしすぎでネジがぶっ飛んでいたとしか思えない。

ちなみにこの時の相手はとても優しい方で丁寧にお断りいただいた。でもその声はかなりびっくりしていた。そりゃそうだ、可哀想に。


🟰🟰🟰

ミッション③ 船上で見えない敵を一掃せよ!


2度の告白を連射した後は流石に冷静になった。何かが間違っていたようだ。落ち着いてよく見たらこんなにバタバタしてる同級生は居なかった。みんな落ち着いてキャンパスライフというものを満喫しているようだ。

まずは正しい告白の仕方を勉強せねば。私はテレビ番組の『あいのり』を必死に観覧した。大学でも教えてくれないことをあいのりは教えてくれるのだ。

そして告白は対面だ!面と向かってチケットを渡すのだ!という結論に達した私は遂に三度目の告白に挑むことになる。


奇しくも1年後の5月。
私は瀬戸内海に浮かぶフェリーの上にいた。



空には満点の星空。夜風が心地いい。告白には最高のシチュエーション。

そして横にはこの1年で時間をかけて仲良くなったテニスサークルの同級生。私は1年前の私とは違った。趣味すら知らなかった女の子に突っ込んで行った暴走トラックは卒業し、しっかりと相手のことを知った上で告白できる大人になったのだ。


サークルの合宿に向かう船の上で、飲み会終わりに話があると呼び出した彼女とデッキの上で2人。

波の音と船のエンジン音をかき消さんばかりに心臓が拍動する。




とにかく必死で相手のいいところを言いまくり自分の気持ちをぶつけた結果、彼女は静かに頷いてくれた。



っしゃー!と静かにガッツポーズする私。


「ちょっと待ってね」と言い おもむろに携帯を取り出す彼女。



「あ、もしもし私だけど。。この前少し話してたけど、大学で他に好きな人ができたの・・・うん・・・わかってる・・・・」



波の音とエンジン音であまり聞こえないが、目の前で別れ話をし始める彼女。




え?彼氏いたの?




彼女のことは色々知っていると思って実は何も知らなかった私。

初めて告白に成功したと同時に略奪にも成功していた私。


ミッションコンプリート



脳内でファンファーレが鳴ると同時に、目眩なのか船酔いなのか、はたまた飲み過ぎたのか急激に頭の中をグルグルが満たして行った。

とにかく私の告白はここで一区切りとなる。



五月病とは恋の病

それも教科書には載っていない1つの事実である。



🟰🟰🟰🟰

あとがき

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回はクロサキナオさんのイベント参加で5月にちなんだ話をお届けしました。

#クロサキナオの2024MayMuses

この話も笑っていただけたなら私の想いも成仏できます。
気に入ってくださったらスキやコメント、フォローをお願い致します。サポートいただいたら一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー

マイトンでした🌈

この記事が参加している募集

スキしてみて

サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー