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自虐を突き詰めたらnoteに辿り着いた男

「それで?」
「え?・・・おわ・り?」

関西人なら一度は遭遇したことがあるだろうか。

んで、オチは?という圧迫面接レベルの追及。

何もないと分かると「ふーん」と一瞬で興味は失われ『オチもつけられないツマラナイ人間』の札をペッと額に貼られ過ごすことになるのだ。

私も27年京都に住んでいたので、さらに西のデンガナマンガナ国ほどでは無いにしてもオチに対しては厳しい環境で育ったと思う。

人間誰もが最初から面白い訳ではない。

生まれた瞬間「オギャー」というところを「ちょっと失礼しますぅ」なんて出てきたらただのホラーだし、テレビや舞台で活躍されている芸人さんだって、周りの友達や家族という名の観客を相手に場数を踏んで後天的に獲得した『面白さ』なのだと思う。

知らんけど。


大して面白くもない人間が笑いに厳しい世界で生きていくには、面白いトークの技術を磨くか、空気のように気配を消す術を獲得するかの二択を迫られる。

そして仮に面白いトークで生きていくゾと決めたならそれなりに戦える武器が必要だ。


私の武器は自虐だった。


自虐はイイ。

相手を傷つけることがない。同じようなネタを重ねることでキャラ付けもできる。

でも自虐の道は恐ろしい。

最初は体験した話をネタとして披露していくのだが、そのうちに行動原理にも影響してくる。

つまり何か行動する時に、ネタになりそうな方(すなわち失敗しそうな方)をあえて選択するようになるのだ。

想像して見てほしい。

真夏の暑い日にたまたま見つけたあったか~いオシルコを買って「いやー間違えてもうたわ」という滑稽な男の姿を。
その2秒の小さな笑いを獲得する為に飲みたいジュースは我慢するしかない。

天然物は貴重なので養殖もやるのだ。


🟰🟰🟰

そうやってなりふり構わずに自虐道を追い求めた私も社会人となった。



人生初めての関東進出。

養殖にも手を出した自虐ネタハウスのおやじに怖いものはない。

「遂にワシも関東デビューや。どれ、ひとひねりしてやるか」
なんて顔に書いてあったかもしれない。


そして迎えた最初の同期飲み会。


自慢のエピソードトークで独壇場だぜ!と意気込んで参加したもののなんか違う。

漂うスマートな空気感。
これは目の前でサラダを取り分けている慶応ボーイのゴトウくんのせいかもしれない。

そもそも話すテンポが合わない。お昼に食べた美味しいお店の話なんてどうでもいいねん。昼メシは天一のラーメン一択やねん。それよりおれの面白トーク聞いてくれや。なあ。なあて。ゴトウよ聞いてんのかい!

と脳内でピーギャー言ってるうちに飲み会は終了。

めでたく『関西人なのに大人しい人』の札を貼られることになった。





🟰🟰🟰


それから15年。


私の自虐ネタハウスは手入れもされずすっかり廃墟のような有様となった。


「お客さん来ないもんな。ごめんな。お前たち。」

かって死にものぐるいでかき集めたネタ達も長い年月を経て形も朧気になっている。
かろうじて天然物がチラホラ見えるくらい。



「もう1回表舞台に出させてやりたかったなあ。」







そんなある日、突然妻が言い出した。

「副業するならXとnote使うといいみたいよ」

どう考えても情報が足らない。
だがしかし私は『関西人なのに大人しい人間』

妻の話は大人しく聞くものだ。

言われるがままにnoteのアカウントを開設する。

そしてアフィの宣伝文を書くのかと思いきや、私はここに自身の自虐ネタを書き始めることになる。

🔸酔いつぶれてホームレスさんの横で爆睡した話

🔸ファーストキスを男に奪われた話

🔸タイで半ズボンスーツを買わされかけた話

などなど。


noteを初めて3ヶ月程だが自虐ネタは10個以上は書いてきたと思う。



そして書きながら思う。


もっと伝わる文章を書きたい。

トークではなく、書くという新しい方法で 愛しい自虐ネタ達を再び輝かせてあげたい。


なぜなら自虐ネタの先には笑顔があるから。

「マイトンの話おもろいわ。」
中学からの親友の言葉に支えられてきたけれど、noteの世界でも面白かったとコメントくださる方がいる。


ありがとうございます。
とても嬉しいです。なぜなら私も今持てる最大の力で書いていますから。

でも違うのですよ。
もっと面白く出来るはず。
今はまだ私の技量が無いだけで、もっと表現できるはずなのです。


その為に魂を込めるべし。

天然も養殖も見分けが付きにくいからこそ、天然物で勝負すべし。

この2点は今大切にしているマイルール。


きっとこれを続けて行くことで画面の向こうの皆さんの1日が 笑顔と安心で満たされるから。


これが私の書く理由。



さて、今日も記憶を辿って至極の天然物を探しに行こうか。


#なぜ私は書くのか

🟰🟰🟰🟰

最後まで読んでいただきありがとうございました!
藤原華さんのコンテストに参加します。

練りに練って作品を作り上げ、締め切りまでの期間を有効に使うのが正解なのかもしれません。少なくともあと二ヶ月あればもっと技術は上がっていることでしょう。


でも私は今この瞬間の気持ちと熱量を優先致しました。
短いですが、私がnoteで書きたいことを綴っております。


気に入ってくださればスキやコメントをよろしくお願いします。

あなたの今日が笑顔と安心で満たされますように。



サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー