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介護をしている全ての人へ#79 ~ 静謐な時

2018年3月20日(水) 母の日記

 夫、楽しみにしていた囲碁の集いに出かけて行った。認知症で頭がぼーっとしていても、勝ち負けが絡むとシャキッとするらしい。
 今のうちになるべく楽しんでほしい。夫のがんは進行が速そう。すぐに入院、そして、痛みや倦怠感との辛い戦いになる。私も夫も、がんで死ぬことは不可避たと思う。息子たちに申し訳ない。
 息子がよく話してくれるKさんという女性に会ってみたい。無理かな?
 私たち家族にだって、一つくらい良いことがあっても良いと思う。
 夕方近くに夫を迎えに行く。囲碁の戦果をきくと、二勝一敗とのこと。
 夕ご飯は、お弁当屋さんでのり弁当、たまにはこういうご飯もいい。夕食後は、夫が買ってきてくれたエクレアの残りを夫と一緒に食べた。
 夫婦でこんなに穏やかに、静かに過ごすのは本当に久しぶり。

2019年3月20日(水) 私の日記

 駒込病院で検査を受ける。血液、尿、便、内視鏡などの検査の後、医師の診察。胃が荒れていると言われる。検査結果は3月27日とのこと。
がん家系たというと、あまり関係ないですよと言われた。優しい感じのいい先生。
 血のつながった家族4人のうち3人ががんでは、弟の負担が大きすぎる。意思で何とかなるものではないけど、絶対に避けたい。
 夜、母から電話があった。父は落ち着いているとのこと、父の膵がん騒ぎで、家族の興味が一時的ながら父に集中したのがよかったのかもしれないと母。人は、おかしな行動をとる時、愛情が不足しているのだ。

 
 

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