ろくべえ

専門書の編集者でしたが、仕事に見切りを付けました。 今は、猫の「ぼんど」と山登りを人生…

ろくべえ

専門書の編集者でしたが、仕事に見切りを付けました。 今は、猫の「ぼんど」と山登りを人生の楽しみに生きています。

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  • 黒猫ボンドの優雅な生活

    愛猫ボンドの日常を、ボンドのフォトエッセイ風にお届けします。

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介護をしている全ての人へ

はじめまして   サラリーマンとして働きながら、両親の介護を経験しました。   親不孝ばかりしてきましたが、身近な人々に支えられながら病気と闘い続けた母と私の経験を綴っていきたいと思います。  母にがんが見つかったとき、病はかなり進行していました。ステージⅣの宣告を受けた時に胸に去来した感情は、悲しい、寂しいではなく、なぜ気づけなかったのかという後悔でした。  帰省した時や、電話で話をした時、出来の悪い息子を案じる言葉以外に聞く話といえば、「股関節が痛む」「最近疲れやすくな

    • 黒猫ボンドの優雅な生活 5 ~ ボンドのひみつ ①

      【ボンド】  ブリティッシュショートヘア(3歳)  毛並みがよくて、近所のおばあちゃんからは”ベルベットちゃん”と呼ばれています。  無口でだみ声です。  最近体重が7キロに迫ってます。 ぼんどふぁんのみなさま、こんばんわ。いまわ、よるなのでこんばんわです。 きょうは、ぼんどふぁんのみなさまが、なぜぼくのことがすきでしかたないのか、そのひみつをおしえてあげようとおもいます。 みなさんのしらないぼんどのひみつがみつかるかもしれませんよ。 ぼんどあい(Bond eyes)

      • 介護をしている全ての人へ#80 ~ 囲碁大会

        2019年3月21日(木) 母の日記 彼岸中日  夫、囲碁の大会があるといって出かけるが、勘違い。昨日、囲碁大会で出かけたのに、参加して二勝一敗の戦績も忘れていた様子。  朝から次男と一緒にセブンイレブンに行って、お昼ご飯用のサンドイッチや飲み物を買いに行って準備していたのに、落ち込んで帰ってきた。かわいそう。  認知症は楽しい思い出から先に忘れていってしまうのか…不幸な病気。  死ぬとき、私は楽しい思い出だけを思い出しながら逝きたい。でもまだまだ生きて、息子たちやお友達や

        • 介護をしている全ての人へ#79 ~ 静謐な時

          2018年3月20日(水) 母の日記  夫、楽しみにしていた囲碁の集いに出かけて行った。認知症で頭がぼーっとしていても、勝ち負けが絡むとシャキッとするらしい。  今のうちになるべく楽しんでほしい。夫のがんは進行が速そう。すぐに入院、そして、痛みや倦怠感との辛い戦いになる。私も夫も、がんで死ぬことは不可避たと思う。息子たちに申し訳ない。  息子がよく話してくれるKさんという女性に会ってみたい。無理かな?  私たち家族にだって、一つくらい良いことがあっても良いと思う。  夕方近

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        • 黒猫ボンドの優雅な生活
          6本

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          介護をしている全ての人へ#78 ~ 来訪者

          ここにきて、父の様子が正常な状態に近づいている。 2019年3月19日(火)母の日記  曇り、でも暖かい日。春めいてきた。  裁判所から2人調査員がきた。1時間弱、現在の収入や連帯保証をした時の状況、夫の認知症やがんの状況、我が家の資産価値の調査をして帰っていた。思っていたより親切そうな人たちで少しだけ気が楽になる。  この家を息子たちが買うという道はないのかと尋ねると、裁判所として、個別の質問には答えにくいとのこと。銀行がいいと言えば問題ないのだろうと言うが、そういう例

          介護をしている全ての人へ#78 ~ 来訪者

          介護をしている全ての人へ#77 ~ 急転

           母と弟が昨日の話し合いとは全く逆の結論を出した。父の運命を決めた日だった。苦い思い出。 2019年3月18日(月)母の日記  先生に夫の治療方針を伝える。  積極的な治療はしないことにした。今朝早く、次男ともう一度夫の治療について話し合う機会があった。弟もお兄ちゃんと夫のことを考え直した様子。恐ろしい形相で出て行ったお兄ちゃんのことが心配で眠れなかったという。  長男が言う通り、治療の意味も理解できないかもしれない夫に手術をして、辛い抗がん剤の副作用に耐えろと言うのは無

          介護をしている全ての人へ#77 ~ 急転

          介護をしている全ての人へ#76 ~ 家族会議

           父の治療方針について話し合った。父のことよりも、楽になりたい自分がいたことを思い出した。 2019年3月17日(日) 母の日記  夫、トイレ介助なしで過ごす。とても良い傾向。  インスリンの注射にも積極的。でも、手順を全く覚えていない。朝も昼も夜も30分ほども時間がかかる。やってあげたほうが楽。  午前中に夫の治療について話し合うために次男が帰ってきた。  午後は3人で、引っ越し準備を進める。和気あいあいとした雰囲気。でも、本当は引っ越しは嫌。  夫、大河ドラマを見ずに

          介護をしている全ての人へ#76 ~ 家族会議

          介護をしている全ての人へ#75 ~ 不安材料

          がんの恐怖を味わっている。人生観も変わる。 2019年3月16日(土) 母の日記  焼津のすみえさんの葬儀。  夫と二人の弟、三兄弟がそろった。喉のがんになりながらも、フランス料理のレストランを切り盛りしているジローさん。こうちゃんも一緒。夫以外のみんなが私を元気づけてくれた。嬉しいような寂しいような。  従弟たちに引っ越しのことを問われて、自分の甲斐性でマンションに引っ越すようなことを言っている。長男が苦労に苦労を重ねているというのに、そうまでして良い格好をしたいのか。

          介護をしている全ての人へ#75 ~ 不安材料

          介護をしている全ての人へ#74 ~ 胃痙攣

          2019年3月15日(金) 母の日記  夫、退院。意識障害もなく、インスリン過剰摂取の影響は最小限。 家に帰っても動きがよく、会話にも積極的。  昨日の一連の出来事が、良い刺激になったのかもしれない。ただし、物忘れは相変わらず。  昼頃、兄さんが来てくれた。一生懸命に私たちの話を聞いてくれる優しい兄。  3月22日に塩山に墓参りに連れて行ってくれる由。Q兄さんの高級車(スカイライン?)でドライブが楽しみ。長男もジムニーではなく、もっと大きな車を買えばいいのに。  3人でイオ

          介護をしている全ての人へ#74 ~ 胃痙攣

          介護をしている全ての人へ#73 ~ インスリン

           父が認知症に抗っていた。名前も書けなくなってしまった父が、病気に精いっぱいの抵抗を試みていた。 2019年3月14日(木) 母の日記  インスリンの過剰投与で夫が倒れた。認知症の進行抑止のためになるべく自分で打ってもらっていたが、インスリンを打ったその場で打ったことを忘れてしまったよう。すぐに救急車を呼んで病院へ。  救急隊員さんや先生が素早く処置をしてくれたおかげで、昼すぎには回復してきた。これからは、家族がしっかり管理しなければならない。  先生にはだいぶ叱られた。

          介護をしている全ての人へ#73 ~ インスリン

          介護をしている全ての人へ#72 ~ 競売手続き

           母と兄弟を悩ませる大問題のひとつ、父の債務整理が終盤戦に突入しつつあるが、そこに当の本人である父は存在しない。 2019年3月13日(水) 母の日記  長男、いつもより早く家を出る。  夫の様子が朝から変、普段より落ち着きがなく、家じゅうを歩き回る。昨日からの一連の出来事から、普通ではないことが起こっていると感じているのかもしれない。  私が、夫の様子をよく見て、子供たちに伝えて、今後のことを決めてもらわなくてはならない。  自分では何も決められない。人の生き死になんて

          介護をしている全ての人へ#72 ~ 競売手続き

          黒猫ボンドの優雅な生活 4 ~ ボンドのお気に入り

          【ボンド】  ブリティッシュショートヘア(3歳)  毛並みがよくて、近所のおばあちゃんからは”ベルベットちゃん”と呼ばれています。  無口でだみ声です。  最近体重が7キロに迫ってます。  こんにちわ、みなさん。  ごーるでんういーく、いかがおすごしでしたか?  ぼんどは、ぜっこうのおひるねびよりがつづいたので、「べらんた」や「くっしょん」、「べっど」など…いろんなところでひるねしなければならず、おおいそがしでした。まさにふんきざみのすけじゅーるでした。 きょうは、ぼん

          黒猫ボンドの優雅な生活 4 ~ ボンドのお気に入り

          介護をしている全ての人へ#71 ~ 確定診断

           この日、父に膵がんの確定診断が出た。父のこと、母も同じように考えていたらしい。家族だから言い出せないこともある。 2019年3月12日(火) 母の日記  焼津のSさんの訃報とどく、88歳。近しい人が逝くと気分が重くなる。  午前中、夫のMRI画像の説明を受ける  膵臓に3cm以上の腫瘍、数週間前に撮影した時よりもやや大きくなっているとのこと。進行はかなり速そう。  幸か不幸か、夫は医師の説明をほとんど理解していない。  これで、膵臓(膵尾)がんは確定した。この後は、家族

          介護をしている全ての人へ#71 ~ 確定診断

          介護をしている全ての人へ#70 ~ 勇気の印

           この頃は、追い詰められて状況に応じて的確な行動ができなくなっていたことが分かる。かなり危ないところまで追い詰められていても、やさしい人のやさしい一言で人は正気に戻ることができる。 2019年3月11日(月) 母の日記  夫、〇〇市立中央病院にて、再検査  13:00からMRI、ヨード剤の点滴を試みるが、血管に針が入らない。看護師泣かせ。諸々の作業で帰宅は17:00過ぎになってしまった。  今日、長男は病院に同行しなかった。昨日のことを引きずっていた様子。    本当によ

          介護をしている全ての人へ#70 ~ 勇気の印

          介護をしている全ての人へ#69 ~ 臨界

           この日の日記には、やや正気を失いつつある自分の姿が描かれていた。自分の周囲がみんな自分より幸せに見えてくる…… 本当にギリギリだったのかもしれない。良く踏みとどまれたと思う。 2019年3月10日(日) 母の日記  朝食後、Kちゃん(父の弟・三男)は岐阜に帰っていった。  そのすぐ後、長男が爆発してしまった。  夫の「お前たちさえいなければ、もっといい暮らしができた」とひと言。ボケて我侭になった老人の戯言と受け流してくれればよかったのだが……  夫、自分が言ったことを理

          介護をしている全ての人へ#69 ~ 臨界

          黒猫ボンドの優雅な生活 3 ~ ボンドのとくいわざ

          【ボンド】  ブリティッシュショートヘア(3歳)  毛並みがよくて、近所のおばあちゃんからは”ベルベットちゃん”と呼ばれています。  無口でだみ声です。  最近体重が7キロに迫ってます。  こんにちわ、みなさん。 ぼんどです。 きょうわ、ぼくのとくいわざをひろうしてあげます。 ①”ういんく”でおんなのこをめろめろにします。ぼくは、ゆうめいなすぱい、J ぼんどだからしかあがありません。 ②”ものまね”もとくいわざです。まかろんのまねです ③”おはなのていれ”もとくいです

          黒猫ボンドの優雅な生活 3 ~ ボンドのとくいわざ