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<本のハナシ/70歳の日記>人の日記を読むのは、面白い

今年は「本を100冊読む」と決めているけれど
現時点では17冊。
ペースが危うい状況ではある。

そんな中の18冊目は、Xで目についた日記エッセイを読んだ。

ベルギー生まれのアメリカの作家であり詩人
メイ・サートンの日記エッセイ。

とにかく他人の日記を読むのは楽しい。
私も毎日日記を書くものとして
同じ人間であるということがとても伝わってくる。

日記を書き出すタイミングも面白い。
朝起きた時に書いていたり
庭仕事を終えてから書き出したり
唐突に終了して、昨日は途中で書き終わったり
など正直な描写が面白く、書いている時の情景が思い浮かぶ。
著名な作家ではあるが、日常を生きているなーとわかる。

そもそも著者自身のことも
出てくる友人たちのことも私は全くわからないのだけれど
人柄や人生まで見えてくる。

「人の訪問で埋め尽くされてしまう日々を
なんとかもう少し生きたものにするために」葛藤する様子
園芸に重い腰を上げて取り組んだり
1日で散らかった家を掃除したり
生きている様子が面白い。

日常の描写だけではなく
過去のことも、未来のことにも(70歳にして)思いを馳せて
現実の政治への憤りも語る。
豊かな人生だなーと思う。
人も会いにきて、人に会いにも行く。
こんなに活力がある人生を、私は果たして続けられるのだろうか。

そして70歳から1年間
豊かな描写溢れる日記を続けて、残していることに圧倒される。
人生をのぞかせてもらった気分になった。

1番有名な著書は「独り居の日記」らしい。

翻訳も含めて素敵な1冊だったな。
70歳以降も口述筆記なども含めて、日記を残している。
どれも読んでみようと思う。

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