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<本のハナシ/対岸の彼女>唯一、数年に一度読み返す本

私と本の話です。

2004年に発行され
直木賞も受賞した角田光代さんの「対岸の彼女」
初めに読んだのは発行されたすぐだと記憶している。単行本を当時に買って、今も持っている。

その時はまだ学生だった。
それから節目節目で読んでいる。
学生時代
社会人になってから
子どもを持ってから。
意識してそうしていたわけでもなかったのだが
ふと(読みたいなー)と思い出す時があり
気が付けば数年に1度読み返すようになっていた。
そんなことをしているのはこの本だけだ。

「対岸の彼女」は私を読書の波に乗せてくれた本の中の1冊だ。
昔から周りに比べても読書は好きなタイプであった。しかし部活などに忙しく、そこまで量を読んでいたわけでもない。大学社会人の頃に通学通勤時間が長くなったことで、また読書が身近になった。

この本が面白かったことをきっかけに角田さんの本を追うようになった。今はあまり読めていないが、新刊本を書店で見かけたり、雑誌などでお見かけすると勝手にホッとする存在である。

私は一度読んだ本をすぐに忘れるタイプだ。
残念ながらあまり記憶が維持しない。
なので読書から何かを得るというよりは
読み進める時の楽しさや
ラストに向かう時の高揚感などを楽しんでいる。

ざっくりとしたあらすじは覚えていることもあるし
もちろん楽しかったという感覚は忘れない。
そして印象的なシーンも写真のように断片的には覚えてはいる。

「対岸の彼女」は立場が違う女性が出てくる。
私の女性としての立場が変わると
読み返すたびに味わいも変わる。
感想もガラッと変わるし、面白さも変わる。
読んだ人全員が同じく面白い本なんて無いんだな
と思う。
自分1人でも感想が変わるのだから。
初めて読んだ時の感想を残しておけば良かった。
もっと変化を楽しめたかもしれない。

ここ何年か読み返していないので
そろそろ時期かなと思っている。
こんな読書の楽しみ方を知ったのは
長く生きたおかげだなー。
「対岸の彼女」で読書の楽しさが
さらに深まっている。

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