マネタイズと顧客探し|高齢者フィットネス|24年1割増1095億円

<記事の抜粋>
●日本の高齢者人口は3623万人に上り、要支援・要介護認定者は20%を占める。要支援・要介護認定を受けていない高齢者は、心身状態によって「アクティブシニア」「プレフレイル」「フレイル」に分けられる。フレイルは体重減少、疲れやすい、歩行速度の低下、握力の低下や身体活動量の低下の5項目のうち、3項目以上に該当する状態のことだ。
●65歳以上の高齢者用フィットネスサービスが好調だ。2023年は利用者が84万人強に達し、市場規模は997億円まで拡大したもようだ。シニア層の健康ニーズ・スポーツへの関心の高まりから、24年は23年比9.8%増の1095億円、26年には31.4%増の1310億円にまで拡大しそうだ。
●成長の背景には2つの要因がある。1つは「市町村の介護予防事業によるフィットネス利用促進」だ。サービス利用のハードルを下げ、運動習慣定着の促進や自費でのサービス利用を後押ししている。もう1つが「フィットネス民間事業者のシニア層向けプログラム提供」だ。民間サービスでは一般向けと異なるメニューを用意する。例えば、コナミスポーツには高齢者のニーズに応えて「足腰強化コース」と「脳活性化コース」がある。セントラルスポーツも、病気やけがの予防、改善を目的とした「腰痛予防・改善」「骨盤バランス改善・尿もれ予防」「メタボ予防・改善」などのメニューを提案している。
●利用率の低さは課題だ。アクティブシニア、プレフレイル、フレイルを合わせた2920万人のうち、利用はわずか3%どまり。健康意識の高い層に利用者がとどまるほか、ウオーキングなど自分で運動する人々の需要を取り込めていない。高齢者用フィットネスサービスは、トレーナーが負荷量を調整しプログラム提供する必要がある。出店が相次ぐ24時間ジムのような価値提供は難しい。身体機能の向上による達成感や、利用者コミュニティー作りの後押しなど、シニア層に刺さるサービス構築が欠かせない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?