2023年の宣言

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

本年は引き続き、以下3点に焦点を当て事業・個人活動を行なっていきたいと思っています。

①社会保障制度の利用に至るプロセス
②権利意識
③スティグマ

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・社会保障制度のポータルサイト
1年ほど前より法人で実施している、お金に関する困りごとに応答した制度パッケージ情報(複数の制度をひとまとめにして、1枚のページにまとめる)を提供する簡易サイト+LINE等での問い合わせ対応を拡張し、400程度の制度や基礎自治体、広域自治体に必設されている相談機関の情報を全て掲載したサイトを作成したいと考えてます。

厚生労働省、都道府県、基礎自治体、保険組合や労働基準監督署など、どの組織においても、全ての制度を1箇所にまとめた市民向けのホームページや広報媒体を作成・提供していません。そのため、市民はさまざまな組織のホームページや広報物を行き来しなければならず、自治体によっては、ホームページに未記載の制度も多数あり、自治体間の差も生じています。

関連した取り組みに、2021年に与党等に提案要望を行い、サイト構築、現在も委員として関わらせていただいてる150ほどの制度や窓口をシナリオ型のチャットボットで案内する「あなたはひとりじゃない(https://www.notalone-cas.go.jp/)」があります。これは、孤独孤立対策の文脈に位置づいたものですが、本来は、全世代型社会保障の文脈において、孤独孤立を自覚しているいないに関わらず、私たちの権利であるという前提から、誰でもカジュアルにアクセスすることを阻まない(強いメッセージ性は不要)立て付けであることが望ましいと考えています。

情報量の圧縮、困りごとに応じた情報のパッケージ化、プレーンランゲージ/アンチスティグマランゲージ、初期対応における生成AIの活用など。

そして、この間、さまざまな仮説が立ちましたので、それらを検証する側面も持たせた「民間版」を作成し、それをもとに次の展開を考えていく道筋を描きたいと考えます。

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・自治体との社会保障制度のアクセシビリティ向上に関する事業
2022年度に計画策定をご一緒した自治体の①制度・窓口を案内するウェブガイドの導入、②支援記録の電子化の2点を2023年度は要件定義と実装をサポートさせていただいています。2024年には現物が公開されると思いますのでその際に報告させていただきます。

今月は、自治体の窓口の職員さんに社会保障制度等の支援のアクセシビリティ向上に関する研修をさせていただきます(20年以上お世話になっている心理士さん主催の勉強会で知り合った行政の心理士の方にお声かけいただきました)

今までリサーチした事例、国や自治体とご一緒した経験から口外できること、自団体で行ったこと、情報は増えてきていますので、研修やヒアリングなど必要があればぜひお声かけください。

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・社会保障教育事業
昨年NPOの先輩に顔をつないでいただき、東京都が都立高校に提供しているプログラムを枠組みの中で、社会保障制度のメニューについて知ってもらうことを目的としたゲーム性のあるコンテンツを開発中です。

3月にプレでSCAの研修に参加くださった学校の先生の勤務先で生徒さんに体験していただく予定です。2月くらいに成人の方に体験していただく機会も設け、ご意見をいただけたらと思っています。

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<個人活動>

・「武蔵野大学でのソーシャルワーク演習の授業」
人間科学部 社会福祉学科でのソーシャルワーク演習を担当させていただくのも次の4月で3年目になります。学生の方には、架空の事例を題材にして、毎回、考える、書く、話す、書くを繰り返していただくのですが、学生おひとりお一人の変化から学ばされることが多いです。同時に、自分の技術的裏付けが曖昧な箇所の点検にもなっていますので、そういった観点からも自分の都度の振り返りの機会にも引き続きさせてもらっていきたいと思います。

・「15歳からの社会保障」
法人事業と書籍のメッセージや内容が合致していますので、名刺がわりに活躍してくれてありがたいなと思っています。

15000部になりましたので、次は2万部目指していきたいと思います。

厚労省が今年度中に改善される予定の、高校の先生向けの教材(厚労省のサイトでDW可)の導入部分に、拙著のエピソードが複数活用される予定です。官僚の方の作業工数を圧縮することに一役買えたようで、嬉しいと思うと共に、国の委員の選定がどういった意図でなされるのか、この間少しわかってきた感もあります。

・「朝日新聞連載:RE:RON「知らないのは罪ですかー申請主義の壁ー」」
昨年お声かけいただき連載開始、連載5話まで完了しています。頭の中で材料としては揃えてあったものを、素敵な編集者の方に伴走いただき、お尻をきめて文章にする機会を頂けたことは大変ありがたいことでした。「課題編」は終了し、今月以降は「施策論点編」に入ります。連載を新書で出せたら、と思って章立てして書いていますので、良きご縁があればお声かけいただけますと幸いです。

・「共同通信がこども新聞に配信する「10歳からの社会保障」」
こちら、今月から配信開始です。小学校中学年対象化つ毎週なので、骨が折れますが、夜の時間を使って積み重ねていきたいと思っています。

・「社会保障制度の利用史」
こちらある出版社さんからGOサインが出ました。編集チームの組成に時間がかかっており進んでいませんが、今年は進めていきたいと思っています。さまざまな方にご相談させていただくかと思いますが、その節はどうぞよろしくお願いいたします。

・「行政やNPOの情報発信における倫理的な表現に関するプロジェクト」
広告倫理を専門にされている方やETICの社会起業塾でお会いした方と意見交換を行いました。

これは、「スティグマ」の強化の要因になることなので、自分一人ではどうにもなりませんが、なんとかスタートさせられないかと思いっています。

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本年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

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