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過去の臨床から学んだこと置き場

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#私の仕事

他機関から怒りの感情を向けられた時の対処法について考える

他機関から怒りの感情を向けられた時の対処法について考える

この仕事をしていると、とある2者間のコミュニケーションが、どこかで行き違い、修復困難になり、その結果、「とりあえずソーシャルワーカー」に!!!」と連絡が入ることがあります。

連絡をしてくる相手の方は、地域の専門職や役所の担当者などの他機関の方であることが多く、その場合の最初のコンタクトは、電話であることがほとんど。そして、立腹していることが多いです。

「○○部署から、こういうことを言われたのだ

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新人ソーシャルワーカーが他部署とのコミュニケーションを円滑にするために活用するべき3つのワード

私は、過去医療機関のソーシャルワーカーとして就職して8年ほど働きましたが、医師や、病棟の看護師さん、コメディカルスタッフの方々と、うまくパートナーシップを築くことができるかどうかが、医療ソーシャルワーカーの援助の「質」を左右すると言っても過言ではないなあと常々思っていました。使い古された言葉ですが、「ソーシャルワーカーはひとりでは何も出来ない」からです。

ソーシャルワーカー自身がどれだけ多くの社

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ソーシャルワーカーとして,”怒りの感情”をどう取り扱い,そこから何を学ぶか

ソーシャルワーカーとして,”怒りの感情”をどう取り扱い,そこから何を学ぶか

ソーシャルワーカーとして、日々、様々な職種・機関とやりとりをする際に「理不尽だ」「話がわからない」「一緒に仕事なんぞできない」などの怒りの感情を抱くことがあります。そして、これは厄介なものだと思います。

「ソーシャルワーカーが抱いた怒りの感情、その矛先を他機関や他職種に向けることによって、本当にクライエントの利益が最優先されるのか?」という問いは、本来、冷静な頭で成されるべきものです。

ですが

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リファー/転院相談において援助を「バトンタッチ」することについて考える

リファー/転院相談において援助を「バトンタッチ」することについて考える

前回のエントリで、

『「転院」はさまざまな事実の絡み合う過程で生まれたひとつの結果』であり、そのプロセスにも焦点を当てられるのがソーシャルワークだ、

と記しました。

私は過去の勤務先の病院で「転院相談をする・される」両方の立場を経験させてもらいました。

その経験から言えるのは、転院相談を受ける側は、こちらが提供する情報から、絵的なイメージを膨らませて、イメージをある程度こちらと共有しながら

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他者を理解しようとする行為に伴う苦痛の正体について思考する

「他者を理解しようとする行為は、そのプロセスに苦痛を伴う」
日々仕事をする中で上記のように思うようになりました。数年前のことです。

人は常日頃、自分自身が持つ理解の範疇の中で、他者を捉え、理解しようとしているのだと思います。当然と言えば当然なのですが、それは言い換えれば、「本来は存在しているはずの他者の様々な要素」を「自分の容量外のもの」は、切り捨て、コンパクトに「理解できるカタチ」に変容させて

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