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過去の臨床から学んだこと置き場

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2019年10月の記事一覧

学びの駆動因について考える

学びの駆動因について考える

人生の師と仰げる人がいること。それは非常に幸せなことだと思います。
私にとっては大学時代のゼミの恩師の先生が、自身の「師」の一人です。

ですが、不思議なことに、私は、その理由をきちんと言葉にすることができません。

「○○だから、尊敬していて、それゆえ、師として仰ぐのだ」ということをはっきりと言葉にできないのです。

いえ、正確に言えば、言葉にすることはできます。ですが、どのような言葉を選んで、

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他機関から怒りの感情を向けられた時の対処法について考える

他機関から怒りの感情を向けられた時の対処法について考える

この仕事をしていると、とある2者間のコミュニケーションが、どこかで行き違い、修復困難になり、その結果、「とりあえずソーシャルワーカー」に!!!」と連絡が入ることがあります。

連絡をしてくる相手の方は、地域の専門職や役所の担当者などの他機関の方であることが多く、その場合の最初のコンタクトは、電話であることがほとんど。そして、立腹していることが多いです。

「○○部署から、こういうことを言われたのだ

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新人ソーシャルワーカーが他部署とのコミュニケーションを円滑にするために活用するべき3つのワード

私は、過去医療機関のソーシャルワーカーとして就職して8年ほど働きましたが、医師や、病棟の看護師さん、コメディカルスタッフの方々と、うまくパートナーシップを築くことができるかどうかが、医療ソーシャルワーカーの援助の「質」を左右すると言っても過言ではないなあと常々思っていました。使い古された言葉ですが、「ソーシャルワーカーはひとりでは何も出来ない」からです。

ソーシャルワーカー自身がどれだけ多くの社

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ソーシャルワーカーとして,”怒りの感情”をどう取り扱い,そこから何を学ぶか

ソーシャルワーカーとして,”怒りの感情”をどう取り扱い,そこから何を学ぶか

ソーシャルワーカーとして、日々、様々な職種・機関とやりとりをする際に「理不尽だ」「話がわからない」「一緒に仕事なんぞできない」などの怒りの感情を抱くことがあります。そして、これは厄介なものだと思います。

「ソーシャルワーカーが抱いた怒りの感情、その矛先を他機関や他職種に向けることによって、本当にクライエントの利益が最優先されるのか?」という問いは、本来、冷静な頭で成されるべきものです。

ですが

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リファー/転院相談において援助を「バトンタッチ」することについて考える

リファー/転院相談において援助を「バトンタッチ」することについて考える

前回のエントリで、

『「転院」はさまざまな事実の絡み合う過程で生まれたひとつの結果』であり、そのプロセスにも焦点を当てられるのがソーシャルワークだ、

と記しました。

私は過去の勤務先の病院で「転院相談をする・される」両方の立場を経験させてもらいました。

その経験から言えるのは、転院相談を受ける側は、こちらが提供する情報から、絵的なイメージを膨らませて、イメージをある程度こちらと共有しながら

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福祉系職能団体は機能特化すべきか?

福祉系の職能団体は、事業型職能団体、アドボカシー型職能団体、教育機会提供型職能団体、ユニオン型など、もっと特色出していけばいいと思います。

ソーシャルワーカーは活動趣旨に賛同するところに会費を払うことができるような仕組みをつくっていけば、もっといろんなアイデアがでるではないか。

例えば、東京の区レベルの職能団体が、「その地域のさまざまなニーズに即したソーシャルアクションのプロトタイプ」を行うな

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事務職ではなくソーシャルワーカーが転院援助を行う意義について考える

事務職ではなくソーシャルワーカーが転院援助を行う意義について考える

今の日本の医療制度上、「転院」はひとつの避けられない現実です。
急性期、回復期、慢性期。医療機能の分化により、ひとつの病院で全ての機能を完結することが出来ないことは今のところ変えられない現実だということは同業者であれば自明の理でしょう。

「もっと長く入院していたい」
「転院したくない(させたくない)この病院にずっと入院させてほしい」

という患者さん家族の訴え。

「この患者さんは治療は終わった

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他者とのコミュニケーションを良好にするために気をつけている3つのこと

他者とのコミュニケーションを良好にするために気をつけている3つのこと

コミュニケーションは、生活していく中で避けて通れないものですから、日々、考える材料に事欠くことはありません。

本エントリでは、「他者とのコミュニケーションを良好にするために気をつけている3つのこと」と題し、以下について考えたことを記していきます。

1.コミュニケーションを”楽しむ”
2.コミュニケーションの相手を”信頼し、好意を持つ”
3.分人ラベリングをする(私の造語です)

1.コミュニケ

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他者を理解しようとする行為に伴う苦痛の正体について思考する

「他者を理解しようとする行為は、そのプロセスに苦痛を伴う」
日々仕事をする中で上記のように思うようになりました。数年前のことです。

人は常日頃、自分自身が持つ理解の範疇の中で、他者を捉え、理解しようとしているのだと思います。当然と言えば当然なのですが、それは言い換えれば、「本来は存在しているはずの他者の様々な要素」を「自分の容量外のもの」は、切り捨て、コンパクトに「理解できるカタチ」に変容させて

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