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過去の臨床から学んだこと置き場

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2019年9月の記事一覧

ソーシャルワーカーズ・ハイ-助手席からハンドルを握ることを止めるために-

ソーシャルワーカーズ・ハイ-助手席からハンドルを握ることを止めるために-

現場3年目の頃だろうか。
とある状態に「ソーシャルワーカーズ・ハイ」と名前をつけた。

俗に言う「困難ケース」と呼ばれるケースに出会ったとき、助手席にいたはずの自分(ソーシャルワーカー)が、運転席にいるクライアントのハンドルを奪い、握っている場面を揶揄して使っていた言葉だ。

出典は、「走るうちに苦しさが消え、高揚感がわき上がってくる」という”ランナーズハイ”をもじった。

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入院中の少年と、路上生活の男性と、インターネットのチャットルームにたむろす少年少女たちの交点から見えたもの

入院中の少年と、路上生活の男性と、インターネットのチャットルームにたむろす少年少女たちの交点から見えたもの

人は社会的な生き物だから、常に自分以外の誰かとの「繋がり」を欲している。それは何人たりとも否定できない事実であるように思う。

誰かと「繋がっている」ということが、人にもたらすものは何か。

仕事上で出会った二人の路上生活をしていた人の話と、個人的な経験、インターネットのチャットルームで出会った少年少女たちとの話を踏まえて、そのことについて少し考えてみたい。(数年前に記したものをリライトしました)

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クライアントに値踏みされる時間が、ソーシャルワーカーである私に教えてくれたこと

クライアントに値踏みされる時間が、ソーシャルワーカーである私に教えてくれたこと

医療機関に入職して2年目のことです。少しずつ仕事にも慣れてきた頃「値踏みされる時間」というものの存在について気づき、考える機会がありました。

今振り返れば、この気づきが、自分自身をソーシャルワーカーとして、小さなステップアップをさせてくれたのだなと思っています。ここではソーシャルワーカーが患者さん家族との間に援助関係を築いていく過程に存在する「値踏みされる時間」について、以前に記したエントリを改

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