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ペースメーカとICD・CRT 〜なにが違うの?〜

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ぶっちゃけ、「ペースメーカみたいなやつ」というレベルの認知度

 よく見かける「CRT-D植え込み後」患者さんというカルテ記載。でも、「ぶっちゃけ、ペースメーカーみたいなもんでしょ。それよりちょっとゴッツくて心臓が悪い人に入ってるんでしょ」というのがぶっちゃけ循環器以外の医師のもつイメージではないでしょうか。
 なので、みなさんにわかりやすく違いを解説します。研修医向けには、下の4分割表を理解しようね、と教えています。

下の4分割表を覚えましょう!

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そもそも、ペースメーカは徐脈専用のデバイスです

 また別記事で触れたいと思いますが、ペースメーカ植え込みの適応は、「症候性徐脈」の患者(失神や眼前暗黒感、心不全などの原因に、徐脈性不整脈が関係している患者)さんです。
 洞不全症候群あるいは房室ブロックが徐脈性不整脈の代表ですね(また、別記事を作成したら、リンクを張っておきます!)。

ICDは、ペースメーカ+「抗頻拍機能」

 一般的に徐脈専用のペースメーカに、頻脈時にも対応できる機能が付いたものが、ICDなのです。みなさんのイメージでは、「VT/VFなどの致死的不整脈が出たら、ドーンと電気ショックをする機能が付いている、というイメージではないでしょうか。本記事でターゲットにしている読者のみなさんは、そこまでの理解でまったく問題ありません!

CRTは、ペースメーカ+「両室ペースメーカ機能」

 こっちはちょっとイメージしづらいかもしれません。ペースメーカの上級版と思ってください(自分でいうのもあれですが、超ざっくり)!
 主に心不全がある患者さんで、ペースメーカでは頼りない場面で入っていることがあります。また、徐脈に関係なく植え込まれている人もいるので注意です。

4分割表に戻りましょう!

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 PM(ペースメーカ)は、純粋な徐脈性不整脈に対しペーシングをするデバイスです。

 PMに、抗頻拍機能がついたものをICDと呼びます(右)。

 PMに、両室ペーシング機能が付いたものをCRTと呼びます(下)が、純粋にCRTが付いただけのものは「CRT-P」と呼びます(左下:あまり見かけませんね)。
 一方、PMに「抗頻拍機能」も「両室ペーシング機能」もつけた(いわゆる全部のせ)ものをCRT-Dと呼びます(右下)。前者のCRT-Pというのは、この「CRT-D」との違いを強調した呼び方ですね。


日本Medtronic社パンフレット

 下記ページにある、パンフレットをよく参照したり、患者さんへの説明に利用したりしています。研修医や他科の先生にも非常に役立つと思いますのでリンクを貼っています。また、ご質問もドシドシお待ちしております!


僕の研修医向けレクチャーの、到達目標スライド

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3.についてはまた別記事を参照ください!

4.については、まずこの記事で「ざっくり」イメージを掴んでもらえたら、嬉しいです!またの記事をお楽しみに!

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