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日本ワイナリー巡り ウッディファーム&ワイナリー【山形県上山市】

GWの朝、混雑する東京駅から東北行き新幹線つばさに乗り込む。

途中で観光してからたどり着いたのは、山形県上山市の「かみのやま温泉駅」。

かみのやま温泉駅
(翌朝撮影)

タクシーに乗り込んで向かうのは「ウッディファーム&ワイナリー」。
これまでもnoteで何度か紹介しているワイナリーである。

ウッディファーム&ワイナリーの代表は木村義廣さん。
木村=ウッディファームという意味のようだ。

2014年にワインをファーストリリースしているが、ご家族での果樹栽培の年数は長く、代表の先代である木村義男さんがカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを植えたのは1977年。
90歳を超える年齢まで、義男さんはそのカベルネ・ソーヴィニヨンを大切に栽培していたそうだ。

義男さんのノウハウはウッディファームに引き継がれ、高品質な果樹栽培に取り組んでいる。
実際にウッディファームのワインは香り豊かで比較的厚みがあるのが特徴で、これまで10種類以上購入してきた。

2月には、シンポジウムでゼネラルマネージャーである金原さんの話も聞いた。

昨年、ワイナリーに宿泊できるコテージがオープン。
新緑の季節に滞在することにした。


ワイナリー到着

駅から10分余でウッディファーム&ワイナリーに到着。
まず事前チェックイン済のコテージへ。

2棟あるコテージのうち、今回は手前を利用

連絡のあった暗証番号で扉のロックを解除。
コテージの中へ。

コテージは1LDKタイプ。
ウッディでシンプルなインテリアの室内、居心地が良さそうなリビングにキッチン、ベッドルーム、浴室&サウナまで。

リビング
キッチン
ベッドルーム

荷物を置いて一息つくと、身軽にワインショップへ向かう。
事前にワイナリー見学を予約してあり、ショップで受け付けできるようだ。

ワイナリーは1階が醸造施設のようで、
2階にショップなどがある
(翌朝撮影)

ショップに入ってスタッフの方に見学を申し込んであることを告げると、奥から女性の方が出てきてくれた。
「木村です。」とのことで、なんとウッディファームの代表の娘さんだった。

ブドウ畑見学とテイスティング

外へ出て、木村さんに案内してもらう。
最初は羊小屋。
羊にはエサとしてブドウの搾りカスも与えており、羊のふんで堆肥をつくっているとのことで、畑内での循環がされている。
今年生まれた子羊が2頭いてとても可愛かったが、うまく撮影できず。

羊の家族

ブドウ畑の最初の品種はピノ・ノワール。
下草は生やしたままにしてあり、ブドウの樹は棚栽培で、花芽が出てきている。

ピノ・ノワール

それから、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、アルバリーニョの様子を見る。

アルバリーニョの樹は植えてから4、5年目だそう。

昨年のGWに、新潟のカーブドッチやフェルミエでも見たアルバリーニョ。
あの時は、ひざくらいまでの高さしかなくて幹も細かったが、この畑では背丈ほどあり幹も格段に太い。
樹齢が同じくらいでも、こんなに違うのかとびっくり。

たぶん、右側がシャルドネ、
左側がアルバリーニョ

この日、時おり強い風が吹いていた。
上の画像で、遠くにうっすら見えるのが蔵王。
その蔵王に向かって春風が吹き抜ける。
特にこのブドウ畑は風通しがよいそうだ。

近くまで見に行かなかったが、1段下の畑には「プティ・マンサン」の樹があり、そちらの方がアルバリーニョより樹齢が長いとのこと。

1月に試して印象深かったのが、ウッディファームの「フィル・マンサン」という白ワイン。
解説によると、プティ・マンサン72%、シャルドネ23%、アルバリーニョ5%がブレンドされていて、プティ・マンサンの強い個性をシャルドネで和らげて親しみやすくしたとのことだった。
白桃、トロピカルフルーツにバニラの香りもあり、厚みがあって、是非リピートしたいと思ったワイン。

ウッディファーム&ワイナリー フィル・マンサン2021

以前、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーに行ってから注目しているプティ・マンサン。
あまりメジャーな品種ではないが、熟してもワインに重要な酸味があって日本の気候にも合っているようだ。

プティ・マンサンを植えた由来を尋ねてみると、ココ・ファームやドメーヌ・タカヒコとも縁があり、プティ・マンサンを植えるようになったとのこと。
また、近年、上山市にココ・ファームが畑を整備してブドウを栽培していることを知り、日本ワイン業界で大きな存在感のあるココ・ファームが上山かみのやまをブドウの生産地として重要視していることを実感した。

日本各地のワイナリーでは、自社畑だけでなくブドウを購入して醸造することがあり、山形県産ブドウからつくられたワインはよく見かける。
なかでも上山市は、明治時代からブドウを栽培しており、その栽培技術と環境の良さから、特に引き合いの多い地域となっているようだ。

ブドウ畑の見学後、ショップに戻ってテイスティングをさせてもらう。
白と赤、それぞれ1種類ずつ試飲できるよう。

アルバリーニョ遅摘みを試飲

アルバリーニョ遅摘みやカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲。
これまで通り美味しい。
印象に残ったのが、おつまみに出してもらったシャインマスカットとピオーネの干しブドウ。
ウッディファームのワインのように、自然体でありつつ風味がいい。
流石、果樹園。

生食用ブドウ品種やラ・フランスなども栽培してドライフルーツに加工として販売しているとのことで、即購入。

ドライフルーツ各種、軽くてお土産にもいい
(自宅で撮影)

また、現地のショップでのみ限定販売している木村義男さんラベルのメルローの微発砲ワインも購入した。

おじいちゃんのワインをお孫さんから購入するという、家族経営のワイナリーらしい体験もさせてもらった。

コテージで宿泊、夕食と朝食

コテージに戻って、夕食の準備を始める。
途中で購入してきた山形県産のアスパラなどを洗って茹でて、山形県内のメーカーの「チーズとオリーブのオイル漬け」と和えたりする。
程なく、スタッフの方が食事を届けてくれた。

今回、食事は「ジョサネリブレ」という「おつまみディナー」と「朝食」をコテージまで届けてもらうプランにした。
「おつまみディナー」と「朝食」は、蔵王駅の方面にある「エスカルゴ」というイタリアン店から調達したもので、「エスカルゴ」ではパンも作っている。

「おつまみディナー」は料理の盛り合わせプレートと、人数分のパン。
これに買ってきた野菜を加えて、夕食を開始。

おつまみディナーと追加した野菜を盛り付けた様子

おつまみは、ピクルス、カマンベール&トマト、生ハム&ハム、鶏軟骨、鶏唐揚げ、ローストビーフ、ブルスケッタ、ほうれん草のキッシュ、牛肉と野菜のグリルで、いずれも風味よく美味しい。
添えられていたプチパンも、ライ麦入りのようで香りがいい。

この料理に合わせたのが、先ほど購入した義男おじいちゃんの微発泡ワイン。

Yosio ペティアン ルージュ メルロー 2015

プラムやラズベリーのような果実の香り、やや針葉樹のような香り、2015年ヴィンテージでもフレッシュさがあって、果実の旨味があり、わずかにシュワっとしていて口当たりは赤ワインより軽い。
山形県内の食材が中心であろう料理にもよく合った。

夕食開始前、まだ明るい時間だったが、しばらくすると日が落ちてきて、遠くの山影に近づく。
夕陽が山にかかると、みるみるうちに隠れていく。
美しいサンセットを見ながら食事を楽しんだ。
東京ではなかなかできない体験。

夕陽も星空もうまく撮るのが難しかったので、
ブルーモーメントの写真を

ゆっくり夕食をとった後、星空も満喫。
北斗七星がくっきり見えた。

たっぷりと湯を張ったお風呂に入り、山形限定のさくらんぼサワーなどの食後酒を飲みつつ1日の余韻に浸る。
木村さんからいただいた資料を読んでいるうちに眠くなって、いつもより早い時間に就寝。

6時半頃に目が覚める。
外は明るく、空には雲ひとつなく、今日も天気は良さそう。
朝食の準備を始める。

朝食のサラダとパン(1人分)

クロワッサン、クリームチーズ入りのベーグルを備え付けのオーブンレンジで温めて、コーヒーを淹れる。
サラダは、ベビーリーフやレタスにプチトマト、ナッツ、チキンにチーズ、バジル風味のドレッシングをかけていただく。
サラダはシャキシャキ、クロワッサンとベーグルも風味よく、良い朝食となった。

ゆっくり身支度をして、部屋にあったQRコードからチェックアウト。
昨日、乗車したタクシー会社に電話をして迎えにきてもらう。

コテージ前の風景

これでワイナリーでの宿泊滞在は、昨年のGWに続いて2度目。
宿泊して長く時間を過ごすと、ワイナリーの環境や取組み姿勢が良く伝わる。

前回のカーブドッチは、リゾート感があり、観光施設としても充実していた。
今回のウッディファームは、いい意味で放っておいてくれて、自然環境を素のままで感じて欲しいというナチュラル感が良かった。
スタッフの方に接する時間は短かったが、温かみも感じられた。

日帰りでの立ち寄りより濃い時間を過ごせて、とても満足した。

ちなみに、コテージはキッチン設備が整っていて「Ourキッチン」という素泊まりスタイルも良さそうだったし、4人以上なら地元の飲食店による「ペアリングディナー」もできるようなので、今回の「ジョサネリブレ」以外の楽しみ方もできる。

▼参考記事、「アル・ケッチァーノ」とのコラボの様子


かみのやま温泉で街歩き

ワイナリーを離れ、かみのやま温泉駅でタクシーを降りて、駅のコインロッカーに荷物を預ける。

上山市は「城下町」「宿場町」「温泉町」という3つが揃った珍しい地域。

どんな街だろうかと興味をもって、次の電車の時間まで散策することに。

旧羽州街道を歩くと古い旅館や飲食店、お茶専門店など、歴史を感じる建物が多く見受けられる。
横道に入るとそこは、共同浴場。

下大湯公衆浴場

開いた窓からは湯客の声が漏れ聞こえてきて、出入りする方もちらほらいてよい雰囲気。
ヨシタカさんやぜいぜいさん、湯美さんに怒られそうだが、時間が少ないので湯あみはせず。
横の観音寺でお参りをして、上山城へ。

上山城郷土資料館

街を一望できる場所にある城で、程よく来訪者もいる。
ここも入館しなかったが、天守閣まで登れるようで、さぞ見晴らしがいいだろうと思った。

街に戻って、駅まで歩く。
途中、和菓子屋が多いのも「城下町」「宿場町」「温泉町」である所以か。
ほどよい規模感で、住み心地の良さそうな街に感じられた。

駅前にある「かみのやま温泉観光案内所」もよい拠点になっている様子。
ここには、かみのやまや山形のワインが飲めて買える「山形ワインカーヴ」などがあり、次週に開催される「山形ワインバル」のPRもされていた。

山形ワインバルは、毎年開催されている東北最大級のワイン祭りで、今回は51ものワイナリーが集まるそうだ。
ワインを楽しんでかみのやま温泉に浸かる、よい機会になるのではないか。
もちろんウッディファームも出店し、さらにワイナリー見学&上級ワインテイスティングも行われるよう。

さて、かみのやま散策はここまで。
コインロッカーに預けた荷物をピックアップして、次の目的地へ向かう。


🍐   🍐   🍐


以上、長くなりましたが、かみのやまのウッディファームさんに初訪問した様子をご紹介しました。
山形県の「かみのやま」いいところですよね!すっかり気に入りました。

この後、もう1箇所、ワイナリー巡りをします。
続きは次の記事で!

今回もお読みいただきありがとうございました🍷


【後日談】
コテージで湯上がりに履いていた靴下を忘れてきてしまいました。

ウッディファームさんからお忘れ物がありましたと丁寧なメールいただき、着払いで送っていただけるようにお願いしました。

すると、小さいので郵便で送れますからと郵送料をご負担いただき、更にキレイに洗濯して絵葉書までつけてお送りいただきました。

自宅に届いた靴下とアルバリーニョの絵葉書

自分のうっかりに大反省しつつ、丁寧なご対応に大大大感謝です!
やっぱり、もう一度行くしかないですね。

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