ワインと鍋の価格設定について ドリンク編


はじめに

飲食店におけるドリンクの価格設定は、体験価値に影響しつつ売上や利益に直接影響するため非常に重要な要素です。
一般的には原価率を上げた方がお客様の満足度は上がると言われてますし、
「あそこの飲食店は高いから別のお店に行こう」とかにもなりかねないので価格設定には特別な注意を払っているので弊店としての考え方を紹介させていただきます。

一般的な飲食店でのドリンク価格の決定方法

一般的な飲食店でのドリンク価格の決定方法について知る限りの情報を書いています。飲食店でのドリンク価格設定には様々な方法があります。

  1. 原価率ベースの価格設定:ドリンクの原価に一定の利益を上乗せして価格を決定します。
    例えば、原価率を30%と設定したと仮定し、180円原価のビールは販売価格600円で提供しようなど

  2. 競合比較による価格設定:同エリアの競合店舗の価格を参考に、価格を設定します。
    例えば、競合のビール価格が550円なので、少し安くして540円にしようなど

  3. 顧客価値ベースの価格設定:ドリンクが顧客に提供する価値を基準に価格を設定します。
    例えば、このお店でビールを飲む価値は650円だから販売価格は650円という提供方法になります。
    ※実施にはこのお店でしか味わえないものや希少価値の高いドリンクでこのような価格で設定されることが多いです。

実際、飲食店では上記の方法を組み合わせたり、独自指標を用いて設定していたりします。

「ワインと鍋」でのドリンク価格設定

弊店では意図的に飲んでもらいたいものは安く(原価率を高く)、飲んでもらいたくないものは高く(原価率を低く)しています。
ワインやスパークリングワインは意図的に安く設定し、ビールやハイボールなど他のお店でも提供しているものの価格は意図的に高く設定しております。
なので他のお店と比べた際に特にビールやハイボールが高いです。

どうしてワインやスパークリングを安く提供しているかについて、せっかくワインと鍋に来ていただいたらワインを飲んでもらえる方が満足度が高いと考えているからです。

安くクオリティの高いワインを仕入れているのだからその分利益を取るのではなく、安く提供することで色々なお客様に選んでいだけるお店にしたいなと思っています。
弊店がどの程度ワインに力を入れていて、どうやって仕入れているか、他のお店との優位性については下記のnoteを参照していただけると幸いです。

ノンアルコールドリンクについても同様のルールであまり他では飲めないようなものは安く(原価率高く)、どこでも飲めるものは高く(原価率低く)なるように設定しております。
具体的にはぶどうジュースやノンアルコールクラフトビールのBRULOなどは安く設定し、ウーロン茶やコーラは高く設定しております。

価格設定の理由

どんなドリンクを飲むのは個人の自由で趣向や好みは人それぞれという前提はありながらも、お店としての意思を伝える意味が大きいです。

筆者の経験ベースにはなるので恐縮ですが、私は飲食店でビールやハイボールを飲んで「このお店のビールはおいしいな」と思ったことはありません。
※クラフトビールやバーで提供されている特別なハイボールは除く

同様に弊店でビールやハイボールを飲んでいただいても「ワインと鍋のビール、ハイボールはおいしいな」とはならないと考えております。
ワインの場合は別だと考えていまして、「ワインと鍋のワインはおいしいな」と来ていただいたお客様に思ってもらえたらいいなとは思っています。

あえてワインや珍しいノンアルコールドリンクを飲みやすい価格にし、ビールを飲みづらい価格ににすることでワインを意図的に飲んでいただきやすい状況を作っております。

結果、ビールやハイボールを注文されるお客様は非常に少ないためビールの値段を上げる経営的なメリットは非常に少ないのですが体験的なメリットを重要視して意図的にビールの価格を上げています。

まとめ

「ワインと鍋」では、ドリンクの価格設定を通じて、ワインを飲んでもらいやすいようにしております。今後もこの値段を払っても飲みたいと思えるようなワインやその他のドリンクを仕入れていきたいと考えております。

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