ラベリング

俺は中学生の頃初めてテクノを聞いて、何てかっこいいんだと驚いた。自分もテクノが作りたいと思って作曲を始めた。しかし、やってもやってもまるでできなかった。
好きな曲の楽譜を買ってきて、シーケンサーに打ち込むのが限界だった。

俺は高校を卒業して、音楽の専門学校のヴォーカル科に入った。そこで音楽理論を学び始めた。その途端、なぜか曲が作れるようになった。4月に入学して、5月くらいにはもう曲を作っていた。あんなにやってもやってもできなかったのに、自分でもわけわからんと思った。

ということで、音楽理論の話をしたい。

①長3度 短3度
ドレミは明るい。ドレミ♭は暗い。それはなぜか?
ド、レ♭、レ、ミ♭、ミと、ドから音が4つ上がると明るい。
ド、レ♭、レ、ミ♭と、音が3つ上がると暗い。

②転調
ドレミファソラシドは明るい。key C
ラシドレミファソラは暗い。key Am

ドレミ♭ファソラ♭シ♭ドは暗い。ラシドレミファソラと音の並びが同じになるから。key Cm
ラシド#レミファ#ソ#ラは明るい。ドレミファソラシドと音の並びが同じになるから。key A

このように、♭や#を付けて音の並びを調整することを、転調という。

③解決
G7からCに進行すると、曲が終わった感じがする。これを解決という。なぜ解決するのか?
G7ソシレファのシファは不安定な響きである。
Cドミソのドミは安定した響きである。
不安定な響きから安定した響きに進行することで解決する。

またG7からCmに進行しても解決する。
Cmドミ♭ソのドミ♭は安定した響きだから。

④ⅡⅤ(ツーファイブ)
keyがCの時、普通に弾いたら、Dm7→G7→Cになる。
しかし、D7→G7→Cと弾いたらダイナミックになりかっこいい。

key Cの音はドレミファソラシドである。D7レファ#ラドのファ#は含まれない。普通に弾けばDm7レファラドになる。

G7に対して解決する。
D7レファ#ラドのファ#ドは不安定な響きである。
G7ソシレファのソシは安定した響きである。
不安定な響きから安定した響きに進行することで解決する

そのため、Dm7→G7→CよりもD7→G7→Cの方がダイナミックになる。
ようは、Dm7のとこはD7も使えますよということであり、どっちを使うかはその人の好みである。

(例)keyがCの時
Am7→Dm7→G7→C
Am7のとこはA7も使える。A7はDm7に対して解決するから。
Dm7のとこはD7も使える。D7はG7に対して解決するから。

⑤裏コード
G7からCに進行すると解決する。
G7のシファがCのドミに進行するから。

シファを含むコードはG7以外にもある。それはD♭7である。
D♭7はレ♭ファラ♭シである。だからD♭7からCに進行しても解決する。こういうものを裏コードという。

(例)key Cの時
Dm7→G7→C
Dm7のとこはA♭7も使える。
D7のファ#ドがG7のソシに進行することで解決する。
A♭7はラ♭ドミ♭ソ♭(ソ♭=ファ#)であり、ファ#ドが含まれているから。

⑥まとめ
このようにkey Cの時
Dm7→G7→C
Dm7のとこはD7を弾いてもいいし(ⅡⅤ)、A♭7を弾いてもいい(裏コード)。他にかっこいいコードがあればそれを弾いてもいい。ようは好きなコードを弾いたらいい。

音楽理論とは何か?
誰かがG7→Cと弾くと、曲が終わる感じがするのを発見した。
誰かがそれを解決と呼んだ。
その呼び方が広まった。

俺は音楽理論とはそういうもんだと思う。知ってたら役に立つし、知らなくても音楽はできる。
たとえば、植物や昆虫の名前を知らなくても山歩きはできる。知ってたら役に立つというのに、似ていると思う。





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