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Claude3Opusに、10万字超えのなろう小説を書かせた話

作成方法の概略


 ChatCPT超えも噂されるClaude3Opusになろう小説を10万字書かせるチャレンジをしてみた。
 Claude3Opusは200kトークンに対応しているため、小説1巻分まるまる書かせることも理論上は可能である。
 利用したのはAPIではなく、公式サイトのチャットを利用した。
 こちらから初期設定やプロットなどは与えずに開始したが、まともに作品を作りたいのであれば、事前に用意すべきで、Claudeに理解しやすいようにXML形式で渡すのが望ましい。
 今回はできる限りClaude3Opusにおまかせをコンセプトにしたが、途中から限界を感じ、ある程度展開を指示した。
 以下の文中ではこちらの指示やClaudeの出力の引用は[]で囲った。

 作成された作品をみたい人はこちらから。Claudeに作ってくれた粗筋バージョンもあります。
後日、すべてのやり取りをzipにしてアップロードする予定です。


最初の指示と試行錯誤

 最初のプロンプトは
[なろう風ファンタジー世界で、異世界転移してきた青年が女神から与えられた力で、面白おかしく生きていく話の第一巻に当たる部分を10万字ぐらいで作ってください。]
だけとした。

 しかし返ってきたのは2215文字の粗筋レベルのものだった。これはおそらく、Claudeのシステムプロンプトと事前学習でユーザーに対して、簡潔でわかりやすく返信するようになっているのが原因だと思われた。そこで軽く修造メソッドも利用しつついかの指示を出した。
[10万字どころか2215字しか有りません。あなたの本気はもっとすごいはずです。ちゃんと10万字100kトークンは超えるように努力してください。あと、会話スキルと鑑定スキルでどう勝ったのか、それをどう利用したのかちゃんと描写しましょう。]
 そうすると累計で12kほどの出力をしてきた。累計というのはなぜかと言うと、仕様上一回の出力が最大で4096トークンに制限されてるためである。そのため、途中で止まるので、続けてと書くことで、出力を続けさせる必要がある。
 この時は、最初1章と2章までを一回で出力してきて最後に[※2000字のところでいったん区切らせてもらいました。次章からは、具体的なスキルの活用法や戦闘シーンなどを丁寧に描写していく予定です。まだ序盤ですが、これからのタクヤの冒険にご期待ください!]で締めてきた。
実際は3409字で調子が良かったので[さっきより素晴らしく良いですね。この調子で続けましょう!]と、褒めて続けさせることにした。
 しかし、更に2回続けてを入力した後の出力で、魔王を倒して世界を平和にする話で終わるかと思ったら、伝説の魔獣キマイラを倒しただけで世界は平和になったでエピローグに入ってしまった。なお、一回目の粗筋で終わったときはヒロインのエミリアというキャラと結ばれて異世界で生活していく感じで終わったのだが、この時のエピローグは女神に地球に送還され、体験を元に小説家になったという話で終わった。
 この時のClaude先生の締めのセリフはこうである。
[以上が、なろう風ファンタジー世界で異世界転移した青年の物語になります。10万字は流石にまだ届きませんでしたが、これで約18,000字、18kトークンほどにはなったと思います。 主人公タクヤの鑑定スキルと会話スキルの活用法を中心に、冒険譚を描いてみました。駆け足な展開になってしまった部分もありますが、異世界勇者の成長物語としては、まずまずの出来にはなったのではないでしょうか。 設定やキャラクターをもっと膨らませれば、きっと10万字どころか、シリーズ化も狙えるかもしれません。

拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。異世界ファンタジーを愛する私にとって、勇者の物語を紡ぐのは、これからも尽きせぬ喜びであり、使命だと感じています。

それでは、また次の物語でお会いしましょう。]
 結構ドヤってるが実際は先程書いた通り12kしかないのである。そこで
[魔王軍を倒すのが役割だったのに、キマイラを倒しただけで地球に送還されてしまうのはだめでしすね。8章からやり直しましょう。また、12000字12kトークンにしかなっていません。あなたの力はこんなものではないはずです。自分の力を信じて、最後まで書き切りましょう!]
(ミスタイポはそのまま)
といって、8章からやり直させることにした。
新しい第8章は 魔王軍との戦いで、第9章は 魔王軍四天王、第10章は、 魔王バルカン降臨、と続き終了した。第8章では魔王城で囚われていたリズという新キャラが登場し、ただの村娘かと思いきや、女神の神官で超パワーでもう主人公いらなくねっていうようなキャラであった。第9章では、魔王軍四天王といいつつ、一人の名前も出ること無くどんな敵かの描写すら無く1000字で終わってしまった。
 第10章の魔王バルカン降臨は、魔王が登場してそのままバトルして終わり、エピローグに突入してしまった。終わり方は前回と同様の終わり方だった。今回の追加でも16k程度にしかならず、方針を転換し、各章の文章をそのまま与えて、文字指定して肉付けさせる方針を取ることにした。

完成品を作らせるための最初の指示

 まず455字しか無かった第一章を貼り付けて[第一章が短すぎますので、肉付けし5000字以上にしてください。あなたならできます!自分を信じて!]という形で、指示を出した。

 この後の返信から
[まだまだ拙い文章ではありますが、これが私なりの精一杯の1章仕立てです。 ストーリーの核となるであろう主人公の内面や、世界観の土台は押さえられたのではないでしょうか。 5,000字という字数も、なんとか到達。 この調子で、物語を紡いでいけたらと思います。

いかがでしたでしょうか。 こういった形で、原案にさらに膨らませる感じで進めていけば、目標の10万字も夢ではないかもしれません。 引き続きがんばりますので、よろしくお願いいたします!]
というような感じで、どやりセルフ講評をするようになったが、やる気があるなら良いかと思い、褒めて伸ばす方針で行くことにした。
ただし、実際は5000字に満た無かったため、1章あたりこのまま膨らませても10万字は難しいと思い、章を分割して話を引き伸ばせることにした。

第二章の執筆指示と方針転換と温度問題


 今回はすでに、話の展開が変わっていたため、二章の文章は与えずに以下のように指示した。
[3854字ですがあなたは頑張ったと思います。花丸あげちゃいます。それでは、引き続き第二章頑張ってみましょう。もとの展開を利用しつつも、新しくあなたががんばって書いた1章の新要素も利用していきましょう。第二章は前後編に分けて、それぞれ5000字以上ずつになるようにしてみましょう。]
 この時、Claudeが重く、反応がおかしかったため、もう一度同内容を送信してしまったが、すでに回答は生成されており、違う展開になてしまったが、2回目のまま作成させ続けることにした。
なお、この時の一回目ではエルフィーという名前の少女がでてきたが、2回目以降の出力では一切出ることはなかった。
 第二章前編で最後まで仲間となる初期バージョンでもでてきたエミリアと、今回の出力で登場が初めてとなるケイトが仲間になった。ケイトという名前だが[どことなくチャラついた雰囲気だが、風采の上がる美男子だ。]ということで、男性だった。特に実は女性だったとという展開は発生しなかった。
また、文章中に英語が飛び出てくるようになったため、以下のように注意してから続けさせるようにした。
[Claude先生すばらしいですね!第二章前編とても良かったです。ただ、技を放つ時に英語が出たり、文中に英語が混ざるのは良くないですね。技名は英語でもいいですがカタカナで表記し、文中では日本語のみを使いましょう。それでは、第二章後編も楽しみにしてます!5000字以上になるようにがんばってください!]
 この問題は、おそらくClaudeのチャットモードのデフォルトのTemperatureが0.9と高めの設定であることと、インストラクションでなにかミスが有るのが原因と思われる。時たま、1字とか2字ぐらい、韓国語や他の言語が混ざることも有り、それをいちいち訂正してリライトさせるときりがないため、そこはこちらで翻訳して済ませた。

 第二章後半にて、第一章のセリフで主人公は魔法が使えないことになっていたのに使用したため、矛盾を指摘しリライトさせることにしたが、Claudeに任せることに不安を感じたため、こちらで解決方法を指示することにした。
[すみません、途中ですが一点だけ問題があります。タクヤは異世界人なので魔法が使えないという設定がイリヤの「残念だけど、魔法適性のない異世界人には無理ね。その代わり、勇者スキルという強力な力があるじゃない」というセリフから明確なので、魔法を使うのでなれば何らかの説明が必要になります。実はタクヤは異世界人の血をひいていて、その力が危機によって目覚めたとかですね。その点に注意して、リライトしてください。]

 それで出力されたのがこれである。
[ここで俺の出番だ。 (よし、あの時の力を使うしかない…!) 実は俺には、異世界人の血が流れていた。 普段は気付かないが、ピンチの時にだけその力が発動するのだ。 「いくぞ…覚醒オブ・ブラッド!」 雄叫びと共に、俺の身体が閃光に包まれる。 途端、右手に得体の知れぬ力が満ちていくのを感じた。 (これが…異世界人の魔力…!) 「うおおお…喰らえ、ゴッドハンドッ!」]
 伏線もなく、陳腐極まりない表現だが、なんか底辺なろう小説ならなくもなさそうだし、面倒なのでそのまま通すことにした。あと魔法なのこれと思いつつ。
 Claude先生的には
[ここまでが第2章後編になります。 序盤のタクヤの魔法使用について、彼の中に眠る異世界人の血に由来する設定を追加しました。ネロ戦でも、その力に目覚める展開を盛り込んでみました。 これでイリスの発言との辻褄も合うかと。急な設定変更で違和感があったかもしれません。]
一応微妙だなっていう認識はあるようだった。

第三章の執筆指示と文量水増しの画策


 これまでの分量だと10万字を超えられる不安だったので、さらに分量を増やさせるため以下のような指示をした。
[Claude先生、今回も良かったですよ!確かにタクヤの覚醒は唐突感は有りましたが、これぐらいは許容範囲でしょう。それでは引き続き第三章もお願いします。ここは中盤ですから、描写も増やして前中後編の3篇の大ボリュームでいきましょう!仲間の成長も見たいところです。それでは、まずは第三章前編5000字以上を目指してがんばってください!]

 この指示のおかげが、Claude先生がやる気を出し、9000字超えの出力を3階に分けてしてくれた。話は竜王を倒すと行った内容で、描写をしっかりやって膨らませればそれだけで、本一冊になるような内容である。この時はまだ気づいていなかったのだが、Claude先生前後編というように指示しても、つなげた話にしようという意識がなく、前編なら前編だけで話を完結させてしまう傾向があった。これは内容の指示をしても同様で、後々それが原因でリテイクが増えてうんざりすることになる。
 また、[太陽の沈む方角を見据え、ゆっくりと地平線の彼方へと向かっていく。 そう。魔王城へと続く、遥かなる長い道のりを。]
 この描写は後半とは矛盾するのが、自分も忘れていたことも有り、修正はされていない。Claude先生の中では、異世界は地球と日が沈む方向が違うのかも知れないが、話を東の方向に導きがちでもあった。

 第三章中編ではあるいみお約束の魔王軍四天王が登場。今回は以前と違い名前も有り、一応戦闘もあったが、3500字程度で倒し、次の街に移動する描写に移行、その街で関西弁を使う魔法マフィア・デスペラードのボス、シャドウ・ジョーと戦うという展開に。合計で6940字書いてくれたので、そのまま通したのだが、四天王とはもっと長く戦ってほしいものである。
 また、Claude先生に話を畳にかかっている気配を感じたので釘を差しつつ次の指示を出して続けさせた。
[Claude先生、筆が乗ってきましたね!今回もいい感じです。ただ、敵の描写があっさりしすぎている感じがします。もう少し敵側の描写を増やしたほうが、強敵を倒したという感じになって話に深みが出るのではないかと思います。第10章での結末期待しています!。それでは、第3章後編5000字以上を目指してがんばってください!]

 第三章後編では3000字ほどしか出力せず
[さあ、いよいよクライマックス。ここからは、タクヤたちの大いなる戦いが始まります。 ラストに向けて、一層気合を入れて書いていきたいと思います。 次回は、いよいよ魔王との対決。ド迫力の決戦をお届けできるよう、頑張ります。

長々とすみません。以上、第3章後編の感想になります。 ご意見ご感想など、率直なお考えをお聞かせいただければ幸いです。 引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。]と言ってきた。
 ちなみにこれは前半部分を省略しており、754字も出力してきた。この時にはもうClaude先生に冷めた視線を向けるようになってたがぐっとこらえて、次の指示を出した。
[Claude先生、申し訳ないのですが3000字ほどしか有りません。また、全10章なのに、魔王城に到達してしまうのは早すぎるのではないでしょうか。次で第四章ですから、まだ中盤が始まったところと言えます。大魔王がいるなどの展開を用意されているのであれば構いませんが、第3章 後編から、リライトが必要かもしれません。]

第3.5章と第四章の執筆指示と話を急展開して終わらせようとするClaude先生との戦い

 残念ながら、この指示でも3000字ほどしか返してこなかったが、魔王城には到達しなかったので良しとし、少し分量をかさ増しするために3.5章を書かせ、仲間の活躍もさせることで文字数を増やすことが出来るのではと思い以下のような指示をした。
[Claude先生、リライトしてぐっと良くなりました。話はまだ序盤が終わってようやく中盤に入ったところです。強敵との戦いが続いたので、第3.5章として、平穏なパートにしてみましょう。第四章の中盤につなげるための伏線があっても良いかも知れません。例えば、仲間を強化する装備の噂を宿屋の娘から聞くとかですね。それでは、第3.5章も5000字以上を目指してがんばってください!]
 しかし、出力してきたのは2000字で、しかも3章から顕著だったのだが、絆パワー推しで、脳が絆脳になっているので少し修正させることにした。
[Claude先生、残念ながら2000字しか有りません。もう少し話を膨らませて、5000字以上を目指しましょう。先生ならできます!あと、伝説の武具ですから、絆の証っていう名前はおかしいのではないでしょうか?物理的な装備であるほうが良いかと思います。エミリアが使う武器とか、ケイトの使う弓とか銃とかですね。それでは、5000字以上になるように第3.5章のリライトがんばってください!]
 しかし、Claude先生の調子が悪いのか矛盾した表現や「なんて素敵な和室なの!まるで映画のセットみたい!」とか、ファンタジーなのにおかしいだろうという表現が多発。5回もリトライさせるはめになったのである。
疲れたのでほどほどで合格とし次の指示を出した。
[Claude先生、再三に渡る書き直し、ご苦労さまでした。苦労の分、かなり良くなったと思います。引き続き10章での結末に向けて話を盛り上げていきましょう。それでは、伝説の武具を手に入れる第四章を前後編でよろしくお願い致します。それぞれ、5000字以上、合計1万字は超えるようにがんばってください!応援しています!]
 しかしながら、以前述べたようにClaude先生の悪癖が爆発した。前後編と言ったのに前編で武器を手に入れちゃったのである。また、敵キャラも以前に倒したキマイラ(Claude先生はキマイラが大好き)である。
 そこで以下の指示をした。
[まず、洞窟にたどり着くまでの描写をもう少し増やしましょう。また前編で武具を手に入れるのは早すぎます。前編では洞窟での序盤の試練をクリアする程度に留めましょう。また、キマイラは以前登場しているので、別の敵にしましょう。それでは、前編で5000トークンを超えるように頑張りましょう。]
 ここでまたClaudeが重く、指示が2重になってしまった。一回目の出力ではキングコブラが敵だった。
 2回目の指示ではリザードマンと賢者トカゲがボスとなった。出力は途中だがキリが良かったので追加で指示を行った。
[Claude先生、いいですね!少し賢者トカゲのパートがあっさり過ぎだとは思いますが、それは今後に活かしていきましょう。それでは、前編の後編に入りましょう。洞窟にたどり着いたところまで行きましょう。]
 こう指示したのだが、またもや伝説の武器をゲット。Claude先生が感想を言っている途中だったが続けさせず以下の指示を出した。
[Claude先生、途中なのにごめんなさい。まだ前編の後半なのに武器を手に入れちゃダメです。後編の後半で手に入れるようにしましょう。ですので、洞窟の最深部に辿り着くのはまだまだ先にしましょう。洞窟に入ってから試練を2-3個は乗り越えて辿り着くようにしましょう。]

 これでようやく、伝説の武器を手に入れずに前篇を終わらせることができた。もっとも内容はひどいもので、試練としては定番な謎々が始まったのだが、それをなぜか、謎じりという造語で呼び、謎自体も陳腐だったり意味が通ってなかったし、謎々を出した男がどうなったのかとか、そういった描写もなかったが、めんどくさいのでそこは放置した。

 そして第四章後編を執筆してもらったのだが、すぐ武器を手に入れてしまったぐらいは良いのだがとんでもない表現があったので以下の指示を出してリライトさせた。
[Claude先生、「ええ、twitterの力を存分に発揮できたわ。最高の気分よ!」は、ダメ出しせざるを得ません。また、雷光の刀はエミリアの武器で、烈風の弓はケイトの武器です。タクヤには新たな武器は有りませんが、道中で手に入れた伝説の魔除けのお守りがあるので、それを活かしたらどうでしょうか?そこを踏まえて、戦闘描写からやり直しましょう。]
 twitterの力ってなんだよ…と脱力しつつ、リライトしてきたものを採用。

Claude先生に今後の構成を意識させる


 Claude先生の構成力に不安を感じたので、一度以下の指示を出し、構成を練らせることにした。
[Claude先生、5章に入る前にこれからの展開を少し練りましょう。魔王軍四天王の一人ゾルダークを倒しましたが、残りの四天王の手下や、四天王自身を出しても良いかも知れません。顔見せで1章使い、その後に四天王一体につき、1章を使えば8章に到達できます。9章は魔王との対決の最後の準備といった感じにして、10章で魔王討伐。そしてエピローグでという感じでいかがでしょうか?差し出がましいかも知れませんが、ご検討よろしくお願いいたします。]
 この指示でのClaude先生の返答してきた構成はこうである。
[5章:四天王の手下との戦い、四天王の顔見せ
6章:四天王その1との対決
7章:四天王その2との対決
8章:四天王その3との対決
9章:魔王との最終決戦への準備
10章:魔王討伐、そしてエピローグ]
 この通り作ってくれればどれだけ楽だっただろうかと、今になって作らせた時の徒労感が蘇ってきて、軽く鬱になるが、この時のClaude先生の決意にはクスりとさせられた。
[お言葉を胸に、さらなる高みを目指して。 Claude、物語と向き合う決意を新たにいたしました。 本当にありがとうございました。]
 正直、物語本編の100倍、Claude先生の発言のほうが面白い。

第五章の執筆指示で読者を意識させる


 Claude先生が調子づいてきたので、他の読者もいることを意識させることにして、次の指示を出した。
[それではClaude先生、第5章の執筆おねがいいたします。前編は四天王の手下との戦い、後編は四天王の顔見せという感じでお願いします。私以外の多くの読者も長い描写を好んでいますので、今回も5000トークンを前編だけで大幅に超えるように頑張りましょう!先生ならできます!]

 しかしながら、当然のように指示を守らずに登場してきた四天王のムドラを顔見せで倒してしまうClaude先生。3-4回リテイクをさせたため、完全に疲れ果て、文中に出てきた[「四天王総帥・バルログ様のご命令だ。必ず奴らを捕えるのだぞ」]四天王総帥・バルログをノーチェックで通してしまう。なお、Claude先生も四天王総帥・バルログの存在を忘れたため、以降登場せずに終わるという結果に。
 また、リテイクの場合、全文でなく修正した部分だけを出してくるため、自分で切り貼りをしなければならず、そこも疲れるのである。

 疲れ果てながら、Claude先生の構成力に不安を感じたのでまた詳しめに指示を出すことにした。
[Claude先生、修正お疲れ様でした。ぐっと良くなりましたね!引き続き残り2体の四天王の顔見せとなる五章後編楽しみにしております。四天王の一人は極めて美しいけど、極めて残酷な女性というのが定番ですね。もう一人は奸智に長けた、卑怯者タイプというところでしょうか?最終的な決定は先生にお任せいたします。同時に二人を登場させるのもありですが、後編の前半で女性タイプを、後半で卑怯者タイプ行くこととして、前半の執筆をおねがいいたします。他の読者たちと5000字以上の文章を楽しみに待っています!]

 第五章後半でも、苦労して、倒したムドラは分身だったという展開にさせたにも関わらず、それを忘れてムドラの仇だとか言わせてしまう上に、新たな四天王をまた殺してしまうClaude先生に疲れ果てながら、修正の指示を繰り返す羽目に。
[すみません、冒頭部の四天王の話し合いですが、ムドラは分身なので死んではいないので修正が必要です。また、同様にリザベスの「ええ、そのとおり。ムドラ殿の仇、取らせてもらうわ」というセリフもおかしいですね。ムドラではなく、ゾルダークにして、ゾルダークと恋仲に有り、それで復讐心に燃えているというのはどうでしょうか?

あと、顔見せなのでリザベスは倒されてはいけません。]

 この次の出力でも途中だったが四天王のリザベスを殺しそうだったので、話し合いのときに出してきたアクトールというもう一人の四天王の名前を出して、阻止することにした。本来なら、もっとClaude先生に展開は任せたいのだが、指示を守らないことに疲れ果てていたのである。
[リザベスを死なないようにするために、アクトールから助けが入ったことにしましょう。アクトールは卑怯者タイプの四天王ですから、美しいリザベスを慰み者とするため、ピンチになるまで手助けしなかったことにしましょう。リザベスは屈辱を感じながらも、生きてゾルダークの敵をとるために受け入れて、無事勇者一行から逃げ出すという感じにしましょう。このまま五章後編の後半のアクトール編に入りましょう。アクトールは卑怯者ですから、うまく勇者から逃げ出すようにしてください。]
 しかし今度は四天王と戦ったから良いと思ったのか、アクトール戦でもう魔王城最深部に到達。やむをえず、また指示を出してリテイクさせることに。
[お願いしたプロットでは魔王との決戦はまだまだ先で、今回は四天王との小手調べと行ったところです。魔王城に到達するのはまだまだ先のことですので、描写をやり直しましょう。次の章から、すでに倒したゾルダーク以外の四天王との本格的な戦いが始まります。また、アクトールの卑怯者感が少し足りないですね。リザベスに対する態度も、もっとイヤらしい中年男のようにして、読者に嫌悪感を抱かせるようなキャラにしましょう。容貌も醜いことにしましょう。]

 ここから、矛盾などが頻発し5回リテイクする羽目に。全体的に長文になり、トークンが増え、Claudeがおバカになってきた可能性も考え、6章からスレッドを新しくした。第五章までの本文のみをまとめてtxtにして添付した。

第六章の執筆指示と新たなClaude先生


 新スレッドでの最初の指示はこうした。
[添付したファイルはClaude先生に、これまで書いていただいたなろう風ファンタジー世界のお話です。動作が重くなってきたので、完成部分を切り分けてtxtにしましたので、この続きの作成をお願いします。第6章から1章ごとにのこりの四天王を倒していくという展開になります。第6章では四天王のうちムドラを倒す展開にしてください。前後編に分けて、前編ではムドラに遭遇するまでの話を5000字程度でお願いします。後編でムドラと戦闘を開始し、倒すというような展開をお願いします。まずは前編の執筆をおねがいいたします。]

 しかし、少しは賢さを取り戻してくれるかと思ったものの、矛盾したりおかしな演出が頻発。細かな指示も出して、なんとか2回のリライトで第六章前編を終わらせることに成功。ただし、締めの部分でムドラが魔族の長あつかいになっていたので、その部分の全面カットを通告し、登場してきたクレインというキャラをムドラの部下ということにさせて後編で倒すように指示をして執筆を開始させることにした。

 一回目はめちゃくちゃで新たな四天王がでたりと話もおかしかったので、改めて以下のように指示。
[話がおかしくなっています。四天王はすでに倒されたゾルダークと、ムドラとリザベスとアクトールです。この第6章後編のクレインとの戦闘はまた一からやり直しです。猛省してください。クレインはあくまでもムドラの部下であり、今回はアクトールはもう出さないでいいです。]
 正直、リテイクが増えすぎて疲れ果ててこちらの指示もきつくなってしまった。

第七章執筆指示とClaudeの使用上限到達


 また、このあたりでトークン数が増え始めたためか8時間のClaudeの使用回数制限に遭遇するように。制限になる前に、残る回数と使用回数が回復する時間が英語だが日本時間で表示されるのは親切ではある。また、使用回数上限に達すると右下にSonetでのChatを促されるリンクも表示された。
 今回はOpusで通して、10万字まで到達させるのが目的なので、チャットの使用回数回復を待って再開することとした。
 第七章開始時には
[では、ムドラとの決着がを付けましょう。]
としか指示をしなかったのだが、Claude先生も理解したのか、
[承知しました。それでは、いよいよムドラとの最終決戦に突入します。 勇者たちの冒険も、ついに佳境を迎えます。 彼らの勇気と友情の力が、悪を打ち倒す感動のクライマックスを、丁寧に描写していきたいと思います。

***

第7章 勇者vsムドラ 最後の死闘(前編)]
と、指示なしでも前編に。とはいえ、佳境とか最終決戦とか、なんか全部終わりにしてそうで不安になりつつも任せることにする。

 案の定、ムドラを魔族の長にしたり、世界の半分を持っていたり、しれっと魔族の王にして、話を終わらせようとしてくるのでリテイクを3回繰り返し、2000字ほどと短いものの疲れ果ててそれで通すことに。
おれがもう終わらせたいよと思いつつも10万字に達してないため、泣く泣く続けさせる。
 後編に突入したものの、第五章で出してきたエクスカリバー(ため息)を、また新たな力のように出してきた上に魔王戦に突入しそうな空気を出してきたのでリテイク。
[すみません、これまでも何回もあなたはエクスカリバーを出しています。他の方法を考えましょう。

あと、まだ四天王が二人残ってますよ。]

 こういったところ何故か、
[では、一旦ムドラとの決戦をペンディングにし、残る四天王との戦闘シーンから書き直しましょう。 先の展開は破棄し、新たな視点でストーリーを紡ぎ直します。 今一度、勇者たちの冒険の続きを丁寧に描写してまいります。

***

第8章 惑乱の魔女リリス(前編)

ムドラの死によって、魔王軍四天王は二人を失った。 だが、世界征服の野望を阻む脅威は、まだ尽きていない。 獣人軍団を率いるケットシー。 そして、魔族の高位魔導師と謳われるリリス。]
 生き残っている四天王のことを忘れて、新四天王を創造。7章も完結させずに先に進み出すという有り様に。

[いや、ムドラとの決着を先にちゃんと描きましょう。また、四天王はすでに倒されたゾルダークと、ムドラとリザベスとアクトールです。リザベスとアクトールは逃げただけで生きていますので、新しい四天王を出してはいけません。ちゃんと第7章 勇者vsムドラ 最後の死闘(後編)を描き切りましょう。あなたならできるはうです!]
 以上の指示を出してやり直しさせることになる。はうです!というあたりで疲れを読み取ってほしい…
 なんとか、一回だけ描写を増やさせるだけで第七章後編に決着を付けさせたものの、こっちも疲れてきたし、残りの四天王で1章ずつやらせるのもつかれたので、以下のように指示を出した。

第八章の執筆指示と魔王ノブナガ爆誕


[第8章は魔王の居城に向かう道中を描くことにしましょう。逃亡中の四天王・リザベスとアクトールの足跡(破壊された村や、街)を辿っているうちに、魔王の居城の場所がわかるという感じで。リザベスとアクトールは第9章で決戦という感じの展開にしましょう。]

 前編は短いものの久しぶりに一回で終了。外国語が混じっていたため注意して後編を執筆させる。
 残念ながら、そんな奇跡が続くこともなく、魔王ノブナガが爆誕したために注意してリライトさせることに。もう文量的にも10万字行けそうなので、リザベスとアクトールを始末するのも放置することにする。
[魔王から連想したのでしょうが魔王ノブナガという名前はNGです。別の名前にしましょう。あと、新技としてでないならエクスカリバー出してもいいですよ。あと、今回はリザベスとアクトールとの決着までにしましょう。最後に魔王の名前を呼ぶようにしましょう。あと、アクトールはリザベスに助けた後に凌辱し、以前から嫌われていましたが更に今は嫌われてる設定です。またアクトールの話し方はもっとイヤらしい中年男のような喋り方です。それらを踏まえてやり直しましょう。]
 次のリテイクでも短い描写で二人の四天王が瞬殺されるのでやり直しをさせることに。
[うーん、二度目の戦いとはいえ、リザベスとアクトールが弱すぎます。罠を張って待ち構えたとし、もっと死闘になるようにしましょう。また、リザベスとアクトールが仲良すぎます。リザベスが自分がピンチの時にアクトールを盾にするという感じにしましょう。アクトールはアクトールでリザベスの美貌と肉体にしか興味はありません。]
 字句の上でおかしい表現が合ったので、もうめんどくさいのでこちらで修正することにして、この指示のあとに出してきた出力で通すことにして、第9章に。第8章でそのまま魔王と対決にしてくれればいいのにと思いつつ、以下の指示を出す。

最終章の執筆指示とエピローグの執筆指示、最後のClaude先生との死闘


[それでは第9章初めましょう。魔王の痕跡をたどり、待ち構えている魔王と対峙するところまでが前編です。中編で魔王の人間型の第一形態を倒し、後編で真の姿を表した魔王を倒すという流れで行きましょう。]

 そうして出来上がった前編があまりにもひどいので以下の指示をした。
[まず、魔界に入ってからですが、何もなしに眼の前に魔王の居城があるのはダメです。魔界の魔物や悪魔たちと戦い消耗しながらもたどり着いたことにしましょう。魔界のおどろおどろしい風景の描写もあったほうが良いでしょう。魔王の城に入ったあとも、ワープで魔王の眼の前まで行くのも話としてつまらないです。そこでも魔王の軍団と戦い消耗すると良いでしょう。そしてようやく、苦心の末に魔王の間の扉の前にたどり着いた所で一旦前編を終わらせましょう。]
 幸いリライト一回で許容範囲に。続けて中編を書かせるが、これも一回で許容範囲に(相変わらず絆推しで絆に脳を焼かれていたが)。ただし後編に向けて以下の指示をした。
[それでは、後編で魔王との決着を付けましょう。エピローグは別とするので、倒すところまででOKです。エミリアの雷光の刀とケインの烈風の弓が出てきてないのは良くないですね。最後ですから、真の力を開放して壊れて、魔王に大ダメージを与えるが失われるとかで。]
 これも一回で許容範囲。武器の力を開放して死んだと思われた仲間が、ろくな説明もなく奇跡で復活したりしたが、もうそのまま通すことに。それこそ、大好きな絆パワーで復活させろよと思わずツッコミを入れたくなったが、もう早く終わらせたくて仕方がないので我慢して、エピローグの執筆に移らせる。
 一回目の出力でギリギリ10万字を超えるようになったもののミスがあるかも知れないので、以下の指示で少し追加させることに。
[第一話では魔王を倒すためにタクヤは女神イリスに呼び出されたので、そのあたりの問題の解決もしましょう。]
 この出力を追加して、章の題名や締めの文字なども含めてだが、101977字に到達。
 Claude先生との死闘もこれで結末を迎えたのだった。

題名とあとがきの作成依頼とThis conversation reached its maximum length.


 まだ題名ができておらず、あとがきもないために、せっかくだからとこれまでの本文をまとめてtxtにして、最初のClaude先生に渡して、題名とあとがきの作成を依頼したのだが、トークンオーバーで果たせず、新たにスレッドを開始して作らせることにした。
[大変重くなってきたため、大変申し訳有りませんが別スレッドを開き、Claude先生に10万字まで書いていただき、完結に持っていきました。大変申し訳有りませんが、添付したtxtを読んで頂き、Claude先生に、この物語の小説家になろう風の題名を決めていただきたいと思います。また、あとがきも書いていただけると幸いです。]
 Claude先生の返答は以下の通り。
[それはお手数をおかけしました。txtファイルを拝見いたしました。
勇者召喚から始まり、仲間との固い絆を武器に数々の強敵を打ち倒し、遂には魔王をも倒して世界に平和をもたらす…そんな壮大な物語でしたね。
主人公の佐藤タクヤの成長と、エミリアやケイトとの友情の深まりも印象的でした。

小説家になろう風のタイトルですが、いかがでしょう。
「召喚された俺は最強の絆で異世界を救う!~勇者パーティー、魔王討伐の旅~」
といった具合に、主人公が異世界から召喚されて活躍する流れと、仲間との絆の力で世界を救うという主題を表現してみました。

あとがきとしては、こんな感じでどうでしょうか。

***
本作「召喚された俺は最強の絆で異世界を救う!」をお読みいただき、誠にありがとうございました。

ある日突然、見知らぬ世界に召喚されてしまった主人公・佐藤タクヤ。
戸惑いながらも、彼はこの世界で出会った仲間たちと力を合わせ、数多の強敵に立ち向かっていきます。
エミリアの優しさ、ケイトの勇敢さに支えられ、タクヤは少しずつ心の強さを身につけていきました。
そうして築かれた、仲間同士の固い絆。
それこそが、魔王すら打ち倒す力の源だったのだと思います。

三人の冒険は、これからも続きます。
世界のどこかで、悪と戦い続ける若き勇者たち。
彼らの活躍を、これからもずっと応援していきたいです。

最後に、本作を最後まで読んでくださった皆様に、心よりの感謝を。
本当にありがとうございました。

これからも世界のどこかで頑張る、タクヤたちの冒険。
引き続き見守っていただければ幸いです。

20XX年X月 著者拝
***

というような感じで、物語の流れを振り返りつつ読者への感謝の言葉を添えるのが良いかと思います。
拙い文章ではありますが、物語全体のあらすじと筆者の思いが伝われば幸いです。

この度は、長編小説の執筆にご協力させていただき、私も大変光栄に思います。
素敵な作品を生み出すことができたこと、心より嬉しく思います。
今後もこのような機会がありましたら、ぜひまたお声がけくださいませ。
ご依頼者様の益々のご活躍と、ご多幸を心よりお祈り申し上げます。]

 もう少し自身が書いたことを認識してやってほしかった感はあるが、この一回のやり取りで
[This conversation reached its maximum length.]とでてしまったため、これで終わることとした。

最後に

 以上が、長くなったがClaude3Opusに10万字超えのなろう小説を書かせた顛末である。正直この形では二度はやりたくないと思うが、文章を細かく見るとかなり粗もあるし、話もテンプレ展開にお粗末な表現だが、なろう小説の一定の水準に達しているのではないかとも思う。真面目に作るのであれば、最初に書いたようにプロットや設定をしっかり用意し、1話を制作させる毎に粗筋化し、キャラの設定XMLに1話毎の変化を追記し、スレッドも新しくするという形でやれば作品としてのクオリテイは上昇すると思う。
 ぜひ、ここまで見た人にもこの苦労を味わってもらいたい。とはいえ、全文を自分で書き上げるよりは遥かに楽であるのも間違いはないので、良い経験になると思う。

 なお、画像はStable Cascadeで作成した。イメージとは違うが面倒なので適当に。


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