しろいとり

はじめまして。皆様とこうしてお会いできたご縁に感謝を。 趣味でぽつりぽつりと文字を綴り…

しろいとり

はじめまして。皆様とこうしてお会いできたご縁に感謝を。 趣味でぽつりぽつりと文字を綴り、いつの間にか人生の三分の二を小説と共に過ごしてきたしがない文字書きです。三分~五分で読める短編小説を不定期に更新します。

最近の記事

【小説】幽明境にて、一杯

 おに様はおっしゃいました。 「下手なことをしてみろ、…すぐにでも噛み砕いてやるからな。」  そう告げたおに様は、声色こそ氷のように冷たく、稲妻のように鋭いものでございましたが、でもどこか、悲しそうなお顔をされているように感じました。  わたくしが素直におに様にこのことをお伝えすると、どうやらおに様を怒らせてしまったようでした。わたくしは、おに様のそのようなお顔を見とうありません。  おに様はおっしゃいました。 『お前はそうやって呑気そうに笑っていればいい。…全

    • 【小説】他山乃石

       労いの言葉も、心配の言葉も、応援の言葉も、全部、全部、全部、あまりに重くて仕方がなかった。まるで私の心はぬかるんだ土壌。そして言葉はやまない雨のように私に容赦なく降り注いで、乾く暇すら与えてくれない。   いたいよ、やめてよ、もう私にかかわらないでよ…  そんな叫びは喉まで出かかるくせに声にはならない。ううん、しない。できない。どれだけ目尻から大粒の涙を流しても、喉を震わせて弱音を吐くことだけはできない。弱くない、私は、私は弱くない。  この程度の痛み、我慢できなくてど

      • 【小説】ごちそうさまでした!

         残酷なまでに過ぎていく時間も、いつまでも変わらない自分のこの泥のような醜い姿も、 そんな俺を嘲笑うかのように、美しく、雄大に咲き誇る桃色の世界も、全て、全て、大嫌い で仕方なかった。  … ああ、大嫌いで仕方ないはずなのに、地面が桃色に染まるこの時期はい つもこの場所に来てしまうのだ。  楽し気に笑い、会話を楽しみながら次々と食べ物を口に運ぶ、能天気で幸せそうな人間達。 同じくらいの大きさの人間同士で来ている人間達もいれば、小さな人間を連れた大きな人間もいる。視界いっぱ

        • 「はじめまして」な、自己紹介。

          はじめまして。 幾万という記事の中で、皆様とお会いできたご縁に感謝を。 私は「しろいとり」と申します。 初投稿なので、軽い自己紹介がてら、自分がどのような人間だったか書きだしてみようかと思います。ゆったり見ていっていただけると嬉しいです! ”しろいとり”って誰?改めまして、私の名前は「しろいとり」と申します。 現在、文系学部に通う大学生です。 クリエイターとして活動することが夢で、将来は小説家、もしくは本に関わることのできる仕事(司書、ライター、書店員等)に就くため資格

        【小説】幽明境にて、一杯