80年代を代表する深夜番組「オールナイトフジ」
1983年～1991年まで放送されていた深夜のバラエティ番組であり、基本的には生放送でデビューしたばかりのとんねるずや片岡鶴太郎をはじめ、オールナイターズと称された女子大生たちが出演していた。この番組の人気に影響を受けて、他局も同様の番組を土曜深夜に放送するようになったと言われている。
放送開始当初は、アダルトビデオ紹介のコーナーや性風俗店探訪といった性風俗を扱ったコーナーがあったが、1985年に深夜番組の過激な内容が衆議院でも問題として取り上げられ、当時の中曽根政権が郵政省（現・総務省）を通じて深夜番組自粛を通告する事態となった結果、放送内容を変更せざるを得なくなった。
この番組は生放送のため生放送ならではのハプニングも多かった。
とんねるずが同番組内で3枚目のシングル「一気!」を歌唱中、石橋がテレビカメラを倒したり、松本明子が放送禁止用語を発言したり、この2つの事件は現在でもテレビ史に残る大事件として語られることが多い。
平均視聴率：3.5％
他にもアーティストのスタジオライブやロケ企画、洋楽情報、映画紹介などのコーナーも人気を博した。この番組はいわゆる「女子大生ブーム」の火付け役となり、後にお笑い第三世代の代表格となるとんねるずのフジテレビにおける初めてのレギュラー番組でもあった。
●影響
深夜のお色気番組は日本テレビの「11PM」から広まったと言われているが、1980年代初頭まではお色気番組自体の数が少なかったため、実際は「オールナイトフジ」から浸透したと見るのが妥当である。
・テレビ東京「ギルガメッシュNIGHT」
初期の人気コーナーだった¨ギルガメ治療院¨でアダルトビデオを紹介するコーナーはオールナイトフジのビデオソフト情報に影響を受けたものである。
またギリギリガールズやセクシーメイツの存在はオールナイターズ・シーエックス・おかわりシスターズに当たる存在であり、実際に斉藤りさ、星野かおり、染谷正美の3人はセクシーメイツ結成前にオールナイトフジにレギュラー出演していた。
・フジテレビ「殿様のフェロモン」
1993年にフジテレビで放送された「殿様のフェロモン」も番組構成やスタジオ配置、オールナイターズのポジションに当たるフェロモンズの存在など、オールナイトフジをほぼ踏襲した形となっていた。
●シリーズ
レギュラー放送としては1969年から2023年までに次の5つが存在している。
・1.「オールナイトフジ」
1969年から1975年12月31日までの間に放送されていた、ラジオ番組「オールナイトニッポン」のテレビ版としてスタートした番組。
・2.「オールナイトフジ」
1983年から1991年に放送された番組であり、一般的にはこの時期を指すことが多く、世間的にはとんねるずが出演していた頃のイメージが強い。
・3.「オールナイトフジ・リターンズ」
1994年4月～9月にかけて放送され、前番組「殿様のフェロモン」の後を継ぎ、オールナイトフジ終了からちょうど3年が経った時期に復活した番組である。神田うの、ヒロミ、清水 圭、Bro.KORNなどが出演していた。
・4.「キャンパスナイトフジ」
2009年～2010年に放送していた「オールナイトフジ」の復刻番組。
キャンパスナイターズの存在、真夜中の水着ファッションショーやアーティストを迎えての音楽コーナー・キャンパス生ライブといった全体的にオールナイトフジを踏襲した構成となっており、総合司会はケンドーコバヤシが務め当時、若手だったオードリー、ナイツ、ハライチ、ゆったり感などが出演していた。
・5.「オールナイトフジコ」
2023年4月の改編をもって、オールナイトフジが1991年3月30日に終了して以来、32年ぶりに土曜未明（金曜深夜）の時間帯に復活することが2023年2月1日付の一部のスポーツ新聞の芸能面で報じられた。これは、かつて、オールナイトフジのディレクターを務め、2022年6月にフジテレビの社長に就任した港浩一がテコ入れを図るバラエティ番組の一つとしてとして、放送を開始するものだとされている。
●単発番組
・「アパッチナイトフジ」 - 2007年3月30日放送
・「ミスキャンナイトフジ（仮）」 - 2008年12月23日放送
●派生番組
・「FNS 正月だよ!オールハワイナイトフジ2015 ハワイにいる芸能人大集合!お年玉つき生放送SP」 - 2015年1月1日放送
・「オールナイトe」 - 2019年3月からフジテレビONEで放送
・「オールナイト声優フジ」 - 2021年1月からフジテレビTWOで放送
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