アドリブが上手になる4つのコツ

アドリブ力って才能じゃない

7月はfwywdのイベントに登壇したり、fwywd内でピッチコンテストが開かれたり、本業として勤めている会社の中途採用イベントに登壇したりといつも以上に「プレゼン」を意識する機会が多い月でした。
そんな月も終わりですのでプレゼンに関する話、特に「アドリブ力」について記載していこうと思います。
伝えたい結論はそう、アドリブ力は日頃の練習や下準備で身につけることができるということです。

「瞬発力」+「納得感」=アドリブ力

プレゼンや座談会で突発的な質問にテンポよく答えていると「おー、なんかすごそうな人や!」ってなりますよね。これはなぜなんでしょう?
私は、瞬発的に納得感のある回答が来ると感動し圧倒されるからだと思っています。
つまり、アドリブ力を紐解くと「瞬発力」と「納得感」の2つのポイントになるのです。

実は上記の話は今の会社に入ったときにとある先輩がよく口にしていたことでした。また、fwywdのオーナーである株式会社キカガク代表取締役会長の吉崎さんもコミュニティ内で同じようなことを仰っていました。他にも同じようなことを言っている人をネット上でもリアルでも度々見かけるので、多分そんなに外れてないはずです。
では、「瞬発力」と「納得感」を持った回答を作るにはどうすればいいのでしょうか。
難しいテーマですが、自分が尊敬する人のプレゼンを観察することでわかってきたことがあります。また、自分が普段意識している点もありますのでそれらをこの機会にまとめてみます。(予防線を張っておきますが、いずれも私は完璧にできているわけではないです。自戒の意味も込めての記事ですのであしからず。)

テンプレを作ってしまおう

一番わかりやすく、かつ即効性があるのはテンプレを作っておくことです。
プレゼンで話す機会が多い事柄って必ずあるはずです。自己紹介や自分の仕事の紹介などはきっと今まで何度も話してきましたよね?こういった登場機会の多い話題はある程度テンプレを作っておくと急に振られたときも楽です。
そしてここからがちょっとしたコツですが、テンプレも1分ver、5分verなどある程度バリエーションがあると汎用性があってよいですね。自分はごくたまに外国人の方と話す機会があるのですが、そういう人は日本語verと英語verで2つテンプレを持っておくのもよいかもしれません。
掴みとしてジョークをテンプレとして持っている人もたまに見かけます。(同行する機会が多いと、「この人初めて会う人にはいつもこのジョーク言ってんなー」なんて思いますが、印象を残すという意味だと確かに有効そうです)

質問は自分の言葉で分解・再定義しよう

ちょっとレベルがあがります。
プレゼンをすると必ずついて回る質問対応について考えてみましょう。
難しい質問が飛んできたときには頭が真っ白になる、という人は相手の質問を自分の言葉に置き換えるという工夫を入れてみてください。
「今の質問は〇〇ということだと思うのですが、この点は…」という感じです。
自分の中でちゃんと腹落ちした状態で回答をしないと、結局何が言いたかったのか迷子になるという状態になりがちです。また、質問者もきれいな文章で質問してくる場合ばかりではないので、整理をすることで質問者にとっても「ああ、そうそう。そういうことを言いたかったのよ」となってお互い気持ちよく話を進められることができるでしょう。
また質問の内容が難解すぎるときは、質問を分解するというのも有効です。
「今の質問は〇〇と〇〇という2つの論点があるので、分けて考えますね。1つ目の〇〇に関しては…」という感じです。こうすると回答のレベルもぐっと下がります。(デカルトの言う「困難は分割せよ」というやつです)

それっぽい推測をする

更にレベルがあがります。
質問の中でも厄介なのが数値にまつわる質問です。プレゼンの内容における重要な指標はある程度準備しておくことが大前提ですが、それだけでは回答できない質問が飛んでくることもあるでしょう。こういうときは自分が持ち得る情報を組み合わせて推測するというチャレンジをしてみてもいいでしょう。
例えば、あなたがカフェを開店したいとぼんやり考えていたとします。ある時知人から「見込みの顧客は何人か」と突然聞かれたきにどう答えるでしょうか。
近所のカフェはいつも混んでいて20人くらいは常時埋まっている。自分の出したい店も同じ系統だし10人くらいのスペースは確保しようかな。1時間ほどで客は入れ替わると考えて、8時間営業の場合はMAXが80人/日。そんなにうまくいかないだろうから40人/日にしよう。1ヶ月のうち25日はオープンしよう。そうすると25✕40で1000人くらいかな。と瞬時に頭の中で回答を作って「1ヶ月で1000人くらいですね」なんて言えるといいかもしれません。
その数値が実際の出店にあたって良い悪いという議論はあるでしょうが、「わかりません。考えたこともありませんでした」という回答よりはずいぶんマシでしょう。
上記は一例ですが、このように「話しながら推測を行う」という訓練を普段からしておくときっとあなたのアドリブ力は向上するはずです。
どうでもいいですが、漫画Dr.STONEで千空が知るはずのないとある歌姫のCD売上枚数やスリーサイズを推定して当てるという話がありました。あれは究極ですね笑

出典元:稲垣理一郎/Boichi 『Dr.STONE』(集英社)


日頃からインプットとアウトプットを怠らないようにしよう

永遠のテーマです。
やっぱりインプット・アウトプットを日頃からやっている人は頭の回転が違います。これはもう揺るぎのない事実であり、努力の賜物なので参りましたという感じですね。
推察ですが、こういう人のアドリブ力は「この話どこかでもしたなー」と思いつつ同じ話をしている、なんてこともあるのだと思います。
引き出しを頻繁に開け閉めしていると欲しい道具がどこにあるかを自然に覚えてすぐに目的の引き出しにたどり着きますよね。多分それと同じことがプレゼンでも起きているはずです。インプットとアウトプットが大事なのはこういう意味合いも含んでいるのでしょうね。

一朝一夕では身につかないものにこそ価値がある

以上、「アドリブ力」をテーマに4つのコツを記載してきました。
お気づきの通り簡単に習得できないものが多いです。銀の弾丸などはなく、地道に日頃の努力を積み重ねていくしかありません。でも裏を返せば誰でも日頃の努力次第に素敵なプレゼンターに近づけるということだと思います。
自分もそんな人間を目指して、今日も明日も頑張っていきます!



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