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花粉と精油、アトピーとアレルギーと化学物質過敏症と その1

先日、 普段はもっぱらお掃除に使うジュニパーベリーの精油を久々にアロマポットに落として芳香浴をした。

ろうそくに火をつけ、アロマポットからジュニパーベリーの香りが漂い始めてしばらくすると、両手の手指の皮膚が少し赤くピンと腫れてつっぱり始めた。呼吸も急に苦しくなり、喘息気味に。

「あれ?ジュニパーベリーに反応してる?」と、慌ててろうそくの火を消して、部屋中の窓を開けて換気をした。空気清浄機の強度を高にしフル回転させ、10分ほど経ったら両手の腫れが治った。

ささっとジュニパーベリーの主要成分を調べた時、ジュニパーベリーがヒノキ科だったことに気づいた。「え、ヒノキ科なんだ!」

私はスギ、ヒノキ、カビ、ハウスダストにひどいアレルギーがあるアトピー&喘息持ち。スギ、ヒノキ、黄砂、PM2.5には酷い花粉皮膚炎が出る。アレルゲンに触れるとアトピーや喘息が出る。

出る症状はそれぞれ若干異なり、スギは程度の酷い花粉皮膚炎と喘息、ヒノキは目の痒みと喘息と若干の花粉皮膚炎、埃は鼻水と接触性皮膚炎、カビは一番症状が酷くアトピーも出て全身が腫れ、倦怠感が出て寝込む。

毎年1月頃にはスギ花粉に反応し始め皮膚炎を起こし、その際に状態を悪くすると、その後梅雨までアレルゲンに触れ続けるので、そのまま拗れてアトピーがひどくなる。梅雨になると頭も身体もだるくなる。

アレルギーシーズン中は体内がヒスタミンで満ち満ちている。そんな時に、ヒスタミンたっぷりの魚の缶詰やヒスタミンを増やす発酵食品を食べようものなら、身体中が腫れて痺れ、アトピーが悪化し夜も眠れなくなる。ヒスタミンを分解できないヒスタミン不耐症だ。

状態がひどい時は好酸球が異常値を示す。全身ひどく浮腫み、朦朧とする。そんな時は完全に好酸球増多症になっているのだろう。

アトピー自体は30代前半から発症しているが、ここまで顕著なアレルギー反応はオーストラリア留学後に日本に帰国した40代後半から。それまでは鼻水や目の痒みなどの花粉症症状もなかったので自分がそこまでアレルギーがあるとは知らなかった。それまで寛解していたアトピーも帰国してから急に症状が悪化し、急激にひどいアレルギー反応を起こし始めた。

アロマをやっている人は「ヒノキ花粉にアレルギーがあっても、ヒノキの精油には花粉成分(またはアレルゲンとなるタンパク質成分)が含まれていないから大丈夫」と聞いている人も多いはず。

そう、精油成分は油という名前が付いているが、オリーブオイルなどの油(油脂)とは違い、油とよく似た性質を持つけれども油脂とは全く異なるテルペンと呼ばれる物質で構成されている。

花粉アレルギー始め、一般に周知されているいわゆる『アレルギー』は、物質内のタンパク質に対しての反応。免疫細胞が外部から入ってくる『異物』を「これ、外敵!」と思うと、その『異物』のタンパク質の形を記憶して、免疫細胞がそれらの形に合う小さい旗(IgE抗体)をせっせせっせと大量に作る。

この抗体の量が多いほどアレルギー反応が強くでる。肥満細胞がその旗を身体中にたくさんつけて「次にあいつが入ってきたら退治しよう」と待機する。再びそのタンパク質が体内に入ってきて、肥満細胞の旗に触れると「きた!こいつだ!」と肥満細胞が自分の中からブワッとヒスタミンを放出して、その『異物』を鼻水やらくしゃみやらで追い出そうとする働き。それがIgE抗体が関係するⅠ型アレルギー。

花粉アレルギーやカビ・ハウスダストのアレルギーの人は、免疫細胞たちが過剰にその人を守ろうとして、問題のないものにもせっせと抗体を作っている。逆にいうと、非常に記憶力がよく、過剰な責任感を持った免疫細胞の持ち主の過剰防衛。この働きは、脳、感情、自律神経の働きとも関係しているので、体が「防衛モード」に入ったらオンになりやすくなる。心理的な影響では、元々遺伝的にアレルギー体質で、幼少期などに緊張する環境下で育つとその素地が作られ、大人になった後もちょっと緊張する環境で「防衛モード」がオンになりやすくなる、というパターンの人がやはり多いと感じる。

乳幼児は免疫システムがまだ成長していないので、免疫が揺らぎまくって過剰に反応することがあり、大人のアレルギーとはまた少し異なる。なので、幼児のIgE検査結果は成長につれ変わることが多い。幼児のアトピーも臓器や免疫システムの成長に伴って治ることが多い。

で、精油。精油はテルペン類で構成されているので、その中に分子の大きいタンパク質が入っていることは基本ない。だから、ヒノキ花粉にアレルギーがある人がヒノキの精油に触れてアレルギー反応を起こすことも、基本ない。

ただ、テルペン類にアレルギー様反応を起こす人も確かにいる。ただ、これは大部分はIgEの抗体は関わっていない免疫反応で、いわゆる接触性皮膚炎のようなⅣ型アレルギーと呼ばれる反応が主。接触性皮膚炎に関してはまだ明確なメカニズムが解明されていない。テルペン類などの物質が免疫細胞に触れると、免疫細胞が「嫌、嫌、嫌!異物、嫌!」と大騒ぎしてやはりヒスタミンなどを出して外に追い出そうとする働き。接触性皮膚炎は接触しておよそ1週間程度遅れて症状で現れることが多い。テルペン類にIgEのⅠ型アレルギーを起こすことは否定はできないけれども、稀かと思われる。

アトピーの人などは、アレルゲンが体内に入り皮膚にその症状が現れるが、接触しても皮膚上に症状が現れる。よくよくよ〜く観察すると、アレルゲン、ヒスタミン含有食材の摂取、精製小麦などの炎症性の食材や砂糖、刺激物、など原因が異なると若干現れ方に違いがある。しかし、状態がひどいと全ての症状が一気に出るので、全身の至る所がさまざまな状態で赤く腫れて、グジュグジュになり、乾燥して落屑、を繰り返す。全ての症状が出ていると違いがなかなかわからず、「何もかもに反応する!き〜!」となる。

アレルギーの働きはそんな感じ。

で、私。

精油成分を芳香浴で嗅いで、こんなに顕著に手の皮膚が突っ張ったことは今までない。多分、過去にもあっただろうが、色々な症状が一緒に出過ぎていて気づかなかった。でも、明らかにオーストラリアに行く前には問題がなかった。

今は、さまざまな対処も功を奏して帰国後継続していた悪化も治った。とても状態が良く、長年のアトピーで傷んだ皮膚が元の柔らかい皮膚に戻ってはいないが、でも、確実にゆっくり治ってきている。ただ、まだ揺らぎ中なので何かの反応があると特定箇所にだけ顕著に出て、わかりやすい。

生活もアトピー歴としては20年近くなので、生き方も自分に合うものに変えていてストレスもなく、生活環境も食生活もある程度整っている。なので、何に反応するかがわかりやすい。

アレルゲンの場合は、いわゆるアトピーが出やすい肘の内側などの皮膚が柔らかい部分が悪化する。今回、それらの部位とは異なる手指に出た。私の場合、それは体内に入った刺激物だ。過去に何度も経験している皮膚全体が突っ張るようにうっすら赤く腫れる症状。今回、その症状だけが顕著に、かつ、吸引して即現れたのがわかった。

「どういう反応?なぜ、ヒノキ科?でもなぜアレルギーのように即反応が出る?」と思った。精油なので明らかにIgEのアレルギー反応ではないはずなのに、同じヒノキ科で「手が腫れる」反応が出たのは偶然じゃないと思った。

おかしい、おかしい、何かがおかしい。

蠍座B型気質がむっくり出てきてモーレツに調べ始めた。「何に反応してるのか?」「精油のどの成分がアレルゲンまたは刺激になり得るのか?」「なぜヒノキ?花粉に精油成分は含まれているのか?」

コンサルでもそうだが、こういう時は本当にしつこい。寝ても覚めてもそのことばかり考えてる。とはいえ、すごい勢いで調べたので、丸一日で解明した。

結論から言うと、私は、重度の化学物質過敏症ほどはひどくないが、アレルギー性皮膚疾患が主症状として現れる化学物質過敏症だった。

アトピーやアレルギーはおそらく二次的に悪化したもの。今まではてっきり、一次的な要因はアトピーで、アトピーの悪化で様々な物質に過敏に反応する様になったのかと考えていたが、逆だった。

先に化学物質過敏症を発症し、その反応の1つとしてアレルギーもひどくなり、私の場合は全て皮膚疾患・喘息の形で出てきた。

アレルギーやアトピーや化学物質過敏症に縁のない人は「それが何か?」だと思うだろうが、「ずっとB型だと思って生きてきたらAB型だった」とか「日本人だと思って生きてきたら中国人だった」とか、それくらいのショックだ。ショックの余韻に今も浸っている。

しかし、これまで「変だな」「普通のアトピーと違って難しい」と思っていた出来事や症状が全部筋が通りクリアになり、また、「それだったら、治せるよ!」と気持ちがとても明るくなった。仕事でも病気でもなんでもそうだが、原因がわかれば対処が可能だ。

徹底的に化学物質過敏症の対応をしていけば、自ずとアトピーは良くなるはず。両方とも結果的に解毒機能を高めるのは同じだが、ターゲットがわかればアプローチはよりシンプルになる。

で、なぜ、気づいたか。長くなるのでその続きは「その2」へ


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