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原神コンサート 11月25日 レポートのようなもの

<導入>楽器を弾く人視点も添えて感想を書きたい

<初手謝罪>あまり読み手に配慮していない文章です。
2023年11月25日(土)、横浜はみなとみらいとか言うおしゃれ駅至近のパシフィコ横浜 国立大ホールにて。

初めてオンラインチケットとかいうのを使った

ここ数年バンドのコンサートにしか行っていなかった。Hideメモリアルサミット、ダウンロードフェスといった大型のものから日本のスラッシュメタル、コアのイベントまで。直近は10月に聖飢魔IIコピバンイベントに呼ばれて。
 そんな中でいま個人的に一番ハマっている音楽、原神のオーケストラが聞ける機会があるということで飛びつく。近くにそんな原神にハマっている人がいないので一人で参戦してきました。演奏聞いたあと誰かと感動を分かち合いたかった・・。

<私論>原神音楽の何が素晴らしいか

 ゲーム音楽や映画音楽は、場面や人物と強烈に結びつくように設計されがちです。音だけで悪役の登場を予感させ、音だけで人物の様々な心情を試写する。音にはメッセージが込められ、音が隠された伏線をつなげる。そんな「+視覚情報、+シナリオ」でドラマ性が飛躍的にアップする。そんなサントラの類は、特に多感な時期にガツンと衝撃を受けてしまえば一生忘れない音になったりするわけです。
 話題はそれますが僕がメロディアスなメタルやサウンドホライズンを好んでいる一番の理由はドラマチックだから、です。脱力したおしゃれな音楽でチルな感じになるのも良いんですが、やはり仰々しく盛り上がる群像劇に熱くなります。

 で原神というゲーム、やっぱり最初は風光明媚、時に深山幽谷で花鳥風月な自然風景と、人々の生活や歴史が感じられるテイワットに没入してしまうわけです。それはもう他のゲームとは桁違いの奥行きです。そしてその自然の雄大さを表現する音楽の主要なジャンルがオーケストラ音楽というのが完璧に合わさっている。今でこそ電子音を使った音楽も加わってきているのですが、僕の最初の感動は自然の風景と生の楽器の人の演奏による、とても有機的な印象の音楽でした。

 原神のスタイルにびっくりさせられたのですが、登場するキャラ一人一人に音楽が与えられています。同じ場所、同じ地域の戦闘にも、場面の違いやまたはランダムで複数音楽が設定されています。
これによって、メロディが人物や場面とお結びつきをより強めます

 次に僕が原神音楽で注目したいのは、変奏形式の音楽構成です。変奏とはある主題を色々な味付けでもって複数回登場させるアプローチです。特に璃月の甘雨PVと同じ二胡のメロディ、璃月港の海灯祭のピアノ、スメールまでの戦闘曲、稲妻城の滝廉太郎的メロディが印象的かなと思います。
 そこでプレイヤーは各国の世界に浸りながら、その場所で懸命に生活する人々の暮らし、かつて起こった悲劇の傷跡などに触れて、音楽との親和性を増していきます。そこで魔神任務のストーリームービーで止めをさして、ここぞってときに聞き覚えのあるメロディを紐づけてきて、涙腺をぶっ壊してくる。きっとこういう魂胆です。僕は直近ではヌヴィレットの伝説任務で泣きましたし、魔神任務3章のマハールッカでヴァータでも、4章のフリ虐でも泣きました。もうね、シナリオが重厚すぎるんですよ。ミホヨありがとう。

<本題>コンサートレポ(写真)

入場後、物販がなにがあるんじゃろと見てみると、すでに大半売り切れ。

僕が入場した時点。御建鳴神主尊大御所様像とかあるのかと大きめの手提げかばんで行ったけど何も買わんかった。HPを見たらちゃんと告知されてた。

フォトスポット。

係員さんの「立ち止まらずに、ワンショットに命かけてください」がおもろかった

魔神任務でスクショしまくるノリで会場もパシャパシャ。

開演(ログイン)前。僕の席は3階だったのでちょうどセレスティア的な高度。
ミホヨの注意すき。電源切りました。
原神ファンみなさん超マナーが良かった

<本題>コンサートレポ(全体)

 規則正しく前半がモンドと璃月、15分休憩を挟んで後半が稲妻とスメール、アンコールでフォンテーヌから2曲…と超時系列的に規則正しい楽曲の並び。
3階席から聞いていたからなのか、メタルのライブにしか行っていなかったからなのか、音が優しくてやや小さく感じる。メタルのライブではApple Watchが確実に「このままだと難聴の危険あるよ」と警告してくるが、この日は大人しかった。曲はキャラPVの曲が多く、1曲が1~2分台の短い曲をテンポよく次々と演奏していくご様子。
モンドはクレーPV、ウェンティPV、アカツキワイナリー、ドラゴンスパインなど。ピアノの音と弦の音が完全に溶け合っていた・・・
璃月は、鍾離先生PV、甘雨PV、層岩巨淵のトラウマ映像から逃げる魔神任務間章、海灯祭など。僕は海灯祭の音楽が好きすぎてで泣きそうになるんですけど、涙目になりつつ耐えました。というかこれがクライマックスかと思っていたら割りと序盤で海灯祭を祝しちゃったなという感想すらありました。申鶴と雲菫の京劇楽曲は流石に歌唱が必要だからか演奏なし。ラストサビのベッタベタの半音上転調だけで目頭が熱くなっちゃう曲です。

休憩後は稲妻。神里綾華さん(か鎮守の森)の音楽か雷電将軍のPVの威厳ある曲がきたら泣くかもしれん。と臨んだところ、後者はあのポリゴンショックが起きそうなビッカビカ切り替わる雷電将軍PVとともに演奏されて、完全に圧倒されたのですが、泣かずに耐える。あとは珊瑚宮心海さんPVの美しいピアノが生演奏で聞けたのはめちゃくちゃ良かった。アノ流れる波のようなピアノの音の並びは、それだけでヒーリング効果あります。神里家特集はこのストーリームービーPVが少し編集されて流れながら。あああ良すぎる。宵宮さんのPV曲もギターが良かった。稲妻すきや…
 余談ですが、鳴神島の音楽のモチーフになっている滝廉太郎は中3で習う明治の音楽家です。彼の偉大さは「西洋音階を日本に持ち込んだ」「誰もが歌えるキャッチーなメロディを残した」「合唱曲のスタイルを確立した」といった点にあるとされますが、彼自身は当時不治の病とされた結核を患い、ドイツ留学を諦め故郷大分に帰り、治ることなく僅か23歳でその生涯を終えます。彼が最期に遺した曲は「憾(うらみ)」という重く悲しいピアノ曲です。「恨」とは違う字を用いたタイトル、彼の無念を綴りました。結核は飛沫感染するため彼にまつわるものの多くは燃やされてしまいましたが、「憾」の楽譜は現存し、赤ペンで未完と書かれているそうです。彼は永遠と云わずとも、いかほどかの時間を願ったのかもしれません。余談終了。
 スメールに突入。シタールはほんまもんではなく、シタールギターのようでした。スメールシティの音楽、アルアイゼンPV、アビディアの森、砂漠の音楽が流れ、意外や意外週ボス散兵の曲が歌唱付きで演奏される。途中でボスのような服装の男性歌手が入場し、ゲームの中と同じ声でオペラ歌唱が始まった。すごいパワフルさ。歌っているのではない、演じているのだ、といった迫力。まじかよ来てよかった・・そして後半にとんでもねえ涙腺ぶっ壊しの曲が来た。ナヒーダとマハールッカヴァータのあれ。もうボロ泣き。多分隣の人も泣いてたし、周囲から鼻すする音が聞こえてた。もうスメールとフォンテーヌは前代の神様の自己犠牲が崇高で純粋すぎるんですよね。もうその後のことは覚えていない。拍手してアンコールでフォンテーヌの音楽も聞けて、一通りすべての国の楽曲が聞けて満足で順番に会場を後にした。

<本題>コンサートレポ(楽器)

 演奏は東京フィルハーモニー交響楽団、フルオーケストラということですが一回り小規模にした50人くらいの編成でしょか。かろうじてS席の3階席だとあんまり冷静に数えられなかったんですが、公式のツイート見るともっと多人数な感じでした。
 今回バトル曲は演奏しなかったので、全体的に風景描写が穏やかな曲、キャラに特化した曲などが多かったのですが、まぁとにかく演奏がきれいで整っていたので安心して聞けちゃうコンサート。そもそもオケに入る方々の演奏力なんかみんな音大レベルという話ですから、舐めちゃいけませんです、と自分に言い聞かせます。
 でも、僕は個人的にはオケのコンサートを聞く経験がほぼなかったので、ロック・メタルのライブのようなスリルやアドリブ要素ってのは無かった。そりゃそうですけど。そういえば、昔会場設営のバイトした演歌の会場は歌手とは別に司会の人がついて1曲ごとにMCを挟んでいました。音楽によって演出は様々なんですよね。いつもタブレットの小さなスピーカーで聞いている素晴らしい音楽がそのまま流れてきたので、「あれ、ただの極上の生演奏でPV見るって楽しみ方で良いのか…?」と途中ふと戸惑いました。基本的に僕は奏者の手元ガン見するスタイルですけど、3階席で双眼鏡とかも持っていかなかったので、それも叶わず。でもその分、純粋に音楽をトータルで受け止める聞き方をすることになったので、変にこだわらなくてよかったかもしれません。

 さて、演奏や技術的なことですが、とにかくPA技術が素晴らしいなと思いました。まず、ハーモニカ、アコーディオンは実際の楽器ではなくシンセで演奏していたように思います。あくまでバンドの経験ですが、生楽器と電子音を一緒に演奏すると、大体鍵盤が浮いて聞こえやすいんです。メジャーなバンドでさえ、ライブでは鍵盤が耳に痛い音になっていることはザラに聞きます。それなのに、音量もイコライジング的な設定も絶妙で、全く耳に痛くなく調和していたので、こりゃすごいと。オペラ歌唱だけやや音が大きかったかなと思いましたが、オケの音量が途中で盛り上がってきたのでいらん心配でした。
 つぎバンド楽器(ドラム、ギター)について。鍾離先生PVのテクノっぽいハットは生のハイハットで代用。二胡はフルートだっけ?で代用していましたが、雰囲気は全く崩れず。素晴らしすぎます。
 ギターの奏者の方これまた凄く、鉄弦アコギ、ガット弦ギター、エレキギター、シタールギター、F5タイプのマンドリンの5刀流で超大活躍。しかもエレキギターは、僕も視力に問題がなければサンバーストのSuhrのClassic。エレキギターの音も歪ませた音が全く耳に痛くなく(音量的にも控えめでしたし)、凄く良い歪みでした。ガットギターは凄く良い生音。これはピエゾピックアップで拾った音じゃねぇ。普通にギターの前にマイクを立てているのか、内蔵のコンデンサマイクで拾っているのか、とにかくオーケストラの中で異色の電子楽器、アタックがプツプツしたり痛くない音で完璧に調和していたのが、さすが一流のプロは違うなぁと感じました。
 
 ほかオーケストラ楽器については知識が乏しいので、あまり得意げに語れるものはないんですが、弦と金管の音はうますぎて1つに聞こえたし、コンマスであろうバイオリニストのソロパート、音のツヤがすげぇなぁと。前列のお琴、フルート、三味線の奏者の方々は息継ぎも聞こえる本当に生演奏の中ですごい整い方をしていた。ピアノのお兄さまもたくさん独奏になる場面があったけれど、高い音も低い音も水玉のようにつやつやな音でした。うん、称賛するにも語彙力が乏しい。

おわりに

チケットがはいってた
艶の感じがちがう!

 チケットじゃない方の紙はスクラッチのコードになっていて、入力したら風の翼がもらえるんですけど、1200原石でもう買ってたやつだったよ…

 それはさておき、とてつもない多幸感に包まれて帰宅してペケッターを開くと、奏者の方々もツイートをされていてほっこり。

ピアニストのお兄様、フリーナは二凸されている模様

ドラムのお兄様

個人的にスーパー功労者のPAスタッフ様

和楽器の七執政。笛の使い分けは凄まじかった

週ボスのように強いオペラ歌手様

 本当に至高の生演奏でした。というか奏者の皆様世界中で原神コンサートされているのですね。値段の3倍くらい得るものがありました。

まとまった文章を書いてみて、僕曲のタイトルを気にしなさすぎて頭悪い文になってしまったということに改めて気付かされました。
ちゃんとしたセットリストはプロのまとめが参考になります。

また関東圏で行われるときは、値段が高くなってても行きたいクオリティでした。以上!


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