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年収1,500万円オーバーのデータサイエンティストになるための転職術(第1回):なぜデータサイエンティストは年収1,500万円オーバーを目指すべきなのか

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今回は、「年収1,500万円オーバーのデータサイエンティストになるための転職術」の第1回目の記事になります。(第0回目の記事はこちら

前回の記事で、私の転職術をnoteにまとめることを宣言したにも関わらず、今回の記事を書き終えるまでに、だいぶ時間がかかってしまいました。すみません。。本業の合間を縫って、記事を書くって、たいへんですね。

今回のnoteで伝えたいこと

今回は、転職の目的意識をはっきりさせるという意味で、「なぜデータサイエンティストは年収1,500万円オーバーを目指すべきなのか」というテーマで執筆しました。

さて、日本においては、年収1,000万円というのが一つの区切りとされ、それを超えると「一本超えた」といった言い方なんかをして、高給取りの仲間入りという見方をされることが多いです。しかし、私としてはデータサイエンティスト(以下、DS)の皆さんには、年収1,000万円で満足することなく、ぜひとも年収1,500万円オーバーを目指してもらいたいと考えています。

ちなみに、日本における年収1,000万円以上の割合は17.2%で、年収1,500万円以上は7.7%です。

「民間給与実態調査(2022年)」より作成

しかし、実際のところ、上記統計で年収1,000万円以上に該当する人は50代以上の割合が高く、30代ぐらいまでの若年層に限れば、もっともっと数が少ないでしょう。Dodaの調査によれば、30代で年収1,000万円以上稼ぐ割合はわずか1.2%とのことです。

(参考URL)https://mainichi.doda.jp/article/2020/06/10/1900

大企業が集中している東京でフルタイムで働いている人に限れば、30代ぐらいでも年収1,000万円以上の人はごろごろいるように感じますが、年収1,500万円以上までいくと、かなりレアキャラになってきます。

今回の記事では、私がなぜ年収1,500万円オーバーを目指さないといけないと思ったかについて、自身のエピソードも交えて紹介します。また、統計データなども活用しながら、DSが年収1,500万円を達成することの意義について解説します。

正直、かなり個人的な話になってしまったので、転職ノウハウだけに興味がある方は今回の記事はスキップしていただいても大丈夫です。しかし、もし、私の考え方に共感してもらえる読者の方がいれば、ぜひ同じモチベーションで転職活動を頑張ってもらえればと思います。

私が年収1,500万円オーバーを目指したきっかけ

大学時代の仮面浪人をしていた友人

私は高校生のころ、ド田舎の公立進学校で軟式テニス部に所属していました。地元の公立高校の中では一番の強豪校に在籍していたため、平日だけでなく、土日も練習に明け暮れ、家に帰ったら疲れて寝るだけで、ほとん勉強する時間がとれていませんでした。加えて、高校受験で燃え尽きてしまったような感覚があり、高校に入ってからは全然授業にも集中できていなかったため、定期テストでは毎回最下位争いをするような状況でした。

高校3年の夏に総体が終わり、部活を引退したことで、その後は受験勉強に全力で取り組むことになりました。最初のほうの模試では、ほぼ0点を取っていたような私でしたが、次第に勉強のコツをつかみ、半年間の猛勉強の末に、第2志望だった旧帝国大学の理学部に合格することができました。(この辺の受験生時代のエピソードと大学受験の攻略法についてはいつか記事にしたいと思います)

たった半年間の勉強で、一流大学に現役合格した私でしたが、正直、あと半年も準備期間があれば、東大・京大のような最難関大学にも合格できていたのではないかと思い、とても後悔しました。しかし、私の家はお金に余裕があるわけでもなく、兄弟も多かったため、浪人したいと言い出すことができずに、なんとなく、そのまま合格した大学に進学してしまいました。

入学後も、後悔の念は消えず、仮面浪人してでも、再受験して東大に入ろうかと考え、隠れて大学受験の過去問を解いたり、予備校の説明会に参加したりしていましたが、費用を考えると、とても親に再受験したいなんて言い出すことはできず、悶悶としながら暮らしていました。

そんな悩みを当時親しかった友人のホシノくん(仮名、星野源似)に打ち明けたのですが、なんとその友人も今の大学には満足しておらず、地元の医大に進学するために仮面浪人しているとのことでした。

僕の話を聞いて、ホシノくんは次のようなことを言いました。

「東大なんかに入るために再受験するのはバカげている。どうしても東大に入りたいなら、大学院から入学すれば良い。」

「どうせ再受験するなら、医学部を受けたほうがいい。東大を出ても、ただのサラリーマンにしかなれない。いまどき官僚になっても天下りで稼ぐことはできない。でも、医学部を出れば、医者になって、東大を出たサラリーマンの2倍は稼ぐ。開業医なら3倍。収入も安定しているし、社会的地位も高い。」

医者がハイステータスということは、なんとなく知っていたし、受験生時代に同級生から、あく君は頭がいいから医学部でも目指したほうがいいんじゃないかと言われたこともありました。地元の国立医学部を目指していた同級生が、地元の医学部でも東大レベルに難しいんだと自慢しているのを聞いたこともありました。(当時はそんなわけあるかいと思ってました)

これまでの医者との関わりは、風邪で病院に行ったときに診察をしてもらい、風邪薬を出してもらう程度でしたが、重大な手術をする外科医は置いておいて、風邪薬を出す程度の内科医なんて、マニュアルがあれば誰でも出来るような退屈な仕事をしているブルーワーカーであり、高度な学問を身に着けた理系が就くべき職業ではないし、稼ぎもたいしたことないだろうと勝手に思っていました。

しかし、ホシノくんの話をネットで調べてみると、どうやら言っていることは全て本当だと分かりました。30代の勤務医でも年収は1,000万円ほどあり、それに加えて、短期のアルバイトで+500万円ぐらい稼いでいるので、平均年収は1,500万円はあるようでした。(東大理系を出てメーカーに就職したサラリーマンは年収700万円ぐらい)さらに、開業医ともなると年収2,000万円を超えることも多い。

出典)「民間医局」のWebサイト

給料が高い人は、都会に住みたがるので、東京は医者が密集しています。一方、地方にいくほど医者不足。一般的には、大企業の本社機能が集中している都会の労働者ほど、給料が高いわけですが、医者に限って言えば、「需要>供給」となっている田舎に行けばいくほど給料が高くなります。だから、東京の医者に限れば、平均年収はもっと低いでしょう。
しかし、多めに見積もって、勤務医の平均年収(もっと正確にいえば中央値)は1,500万円ぐらいと言ってよいのではないでしょうか。

(参考URL)https://www.doctor-vision.com/column/money/pref-ranking.php

たしかに医者はとんでもなくおトクな商売だと理解したものの、当時の僕は、数学者になることが夢だったため、結局、大学院受験で東大の数理科学研究科に進みました。ホシノくんは無事、地元の医大に合格し、(交流は途絶えてしまいましたが)今は医者をやっていると思います。

出会いパーティーで知り合った研修医

その後、僕は数学者になることを目指し、東大の修士課程で純粋数学の研究に取り組みました。世界的数学者である担当教授から与えられた研究テーマに取り組み、先行する論文の誤りを見つけ、トポロジーを使った斬新な定理の証明を発見。教授から「君には数学的な才能を感じるので、ぜひ数学者の道を志してほしい」と言われていました。

しかし、研究に取り組む中で、数学の先端領域は、専門特化していったことによる必然として、一般人はおろか、同じ数学者でも少し専門分野がズレただけで、研究成果が理解されないタコツボ化した世界であることを知りました。また、純粋数学の研究成果が社会に応用されるには、数百年といった長い年月を要することもザラです。

僕は、知的好奇心を満たしたり、人類の知の拡大に貢献したりできれば良いとは考えておらず、"現世利益"も求めていました。自分の研究成果が社会に認められ、賞賛されたい。いっぱい稼いで、周りからちやほやされたい。

次第に数学への興味を失っていき、結局、博士課程には進まず、民間の金融機関に就職することにしました。当時は、まだ「データサイエンティスト」という言葉は出てきたばかりで、数学を活かせる職業としては、銀行・証券会社のクオンツや保険会社のアクチュアリーのような金融系の数理専門職に人気があったため、そちらの道に進みました。(その後、コンサルファームのデータサイエンティストに転職します)

金融機関に就職後、数学科で長いこと浮世離れした生活を送っていた私は、上司に罵倒されながらも、必死で社会人の常識を身に着け、専門知識を勉強し、なんとか毎日の仕事をこなす日々でした。しかし、3年目ぐらいにもなると仕事に慣れ、プライベートも充実させたいという思いが強くなり、彼女をつくるため、街コンや合コンに参加することが増えました。

その中で、とあるハイステイタス向けの立食パーティーに参加したのですが、そこで京大卒で東大病院で研修医をしているというイワオさん(仮名)と知り合いました。

イワオさんは、20代後半の男性で、この立食パーティーによく参加しているとのことでした。同じく、この立食パーティーに参加していた耳鼻科医のカネチカさん(仮名)と知り合いで、カネチカさんが今度、CA合コンを開催するので、あくさんも来ないか?と誘われました。

CA合コンは、週末の夜に銀座のオシャレなレストランで開催され、男女3:3で、男性側はカネチカさん、イワオさん、私の3名、女性側は若くてそこそこ美人に見えた若手CA2名と年齢高めでにぎやかし要員的な役回りを買って出ていた先輩CA1人。
実際のところ、女性3名は、そんなに美人ではない(たぶん今見たらブス)だったと思うのですが、まだ女性慣れしていなかった当時の僕には眩しく見えました。

実際、女性3名はビミョーだったのか、カネチカさんは耳鼻科のくせに病院から緊急コールがあったと言って早々に帰ってしまいました。(まあ、実際に耳鼻科でも緊急外来がたまにあるんだと思いますが)

その後、イワオさんと2人で女性3人の相手をしていましたが、女性3人はお医者さんとの玉の輿結婚を夢見ていたのか、イワオさんの話ばかり聞いて、僕の話は完全スルーでした。完全に空気扱いで、かろうじて、先輩CAの方が話を拾ってくれる程度。なんでこんな合コン来ちゃったんだろと悲しみにくれながら家に帰りました。

その後、僕は、恋愛経験値を積み、このときのブスCA3人組よりもかわいい女の子と何人も付き合うことになりますが、このときの経験は僕に強烈なコンプレックスを植え付けることとなったのでした。

なぜDSは年収1,500万円オーバーを目指すべきか

長々と個人的なエピソードをつづりましたが、私がDSは年収1,500万円オーバーを目指すべきと考える理由は、勤務医の年収を超えるためです。

医者になろうと思えばなれた人たち

データサイエンティストは、統計学や機械学習に関する専門知識だけでなく、データベースの知識やビジネスコミュニケーションなど高度なスキルが要求される職業です。

さらに近年注目度が高かったこともあり、データサイエンティストになる人は理系で高学歴な人がマジョリティを占めています。優れたデータサイエンティストの要件であるビジネス力×データサイエンス力×エンジニアリング力の3拍子を備えたDS(例えば、コンサルファームの戦略部門で働いているようなDS)は、東大や京大など一流大学の理系修士卒が大部分を占めます。

Data Scientist Society Journalより抜粋

彼ら/彼女らは、行こうと思えば(少なくとも浪人すれば)、国立医学部にも十分進学できた人たちです。そのため、求める給与のベンチマークとしては、国立医学部卒の勤務医の年収1,500万円をターゲットにするのが妥当と考えました。(ここで、開業医は親が医者でない人が目指すのはハイリスクな道のため、ターゲットから外しました)

DSの職業威信を引き上げよう!

実際のところ、DSの平均年収は、勤務医の給料には遠く及びません。
求人ボックスの統計データでは、平均年収671万円となっています。

出典)求人ボックスサイト

また、東大卒のような一流大学卒の平均年収も、勤務医の年収からは大きく劣っています。(下記の統計はOpenWorkの調査ですが、実際の年収よりも少し上振れしている感はあります。他の転職サイトが実施した調査では、もう少し低めです)

(出典)OpenWork 出身大学別年収ランキング2022

なぜ、こんなことになっているかというと、給料は、その人の能力やどれだけ人を幸せにしたかではなく、市場における需要と供給で決まるからです。

医者になるには、医師国家試験に受かる必要があり、そのために、まずは医学部に進学する必要があります。
日本医師会のロビー活動によって医学部定員は過少に調整されているため、需要に対して、医師の供給が少なくなっています。このことは、ブラックな労働環境というネガティブな側面にもつながっていますが、一方で、医者の給料を高めることに貢献しています。冒頭で述べたように、医者の年収は一般サラリーマンを大きく上回っています。

結果的として、受験勉強が得意な日本の理系秀才は、医療に興味がなくても、医学部を目指すようになります。最近でこそ、情報系学科の人気で、医学部人気は低迷気味ですが、少し前まで、ど田舎の国公立医学部でも、東大理系並に入るのが難しい状況が続いていました。

本来は、ITなど先端的な技術や理論を学び、社会にイノベーションを生み出すことができたはずの数理系の才能が、ブラックホールのように医学部に吸収されてしまっていることが、日本の衰退につながっているのではないかという指摘もあります。

ここらへんの問題は、下記のブログでも紹介されています。

なぜ理系の秀才はみな医学部に行くのか? ―標準的ファイナンス理論からの考察―
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51657517.html

【結論】東大vs医学部結局どっちがいいのか
https://note.com/jreit_tokyo/n/n46393ad5215f

医者は、最近でこそ、新型コロナの補助金不正受給問題などで批判も受けましたが、人の健康や命を守るというかけがえのないサービスを提供しており、一般の人々から広く尊敬を集めています。特に医者以外に高給な仕事がない地方では、子供が医者になったら、親は大喜びで周りに自慢しまくっています。

また、医者は、非常に歴史の長い専門職で、伝統的に高度な専門知識を身に着けた人が就く高給な職業でした(今でもそうですが)。
そのため、職業威信のランキング※では堂々の第一位となっています。(下記は、いつのでデータか不明ですが、かなり古いものと思われます)

(参考URL)https://anonymous-h.blogspot.com/2012/03/blog-post.html

※職業威信とは、職業の社会的評価や価値の高さを0~100点でスコア化したもの

一方で、DSは尊敬されるどころか、一般に認知さえ、されていません。
データサイエンティスト協会が2023年に実施した調査によると日本におけるデータサイエンティストの認知率は、わずか25.1%です。(ちなみに米国では63.6%)

(参考URL)https://dcross.impress.co.jp/docs/news/003465.html

人から尊敬を集める職業となるための要素は、さまざまあるでしょうが、まず給料が高くないとダメだと思います。給料が高ければ、そこを目指す人も増えますし、人から一目置かれ、どんな職業なのか知ってみようと考える人も出てくるでしょう。DSの平均年収が医者の平均年収を超えれば、日本で、DSが主人公のドラマが作られる日もやってくるかもしれません。

まとめ

最後まで読んでくれた方は分かると思いますが、ただの僕の個人的な医者(医学部)コンプレックスの話でした(笑)

正直、私の話に共感する人はそれほど多くないかもしれませんが、理由や目的は人それぞれでいいので、年収1,500万円オーバーを実現して、自身の生活満足度を上げるとともに、DSの職業威信を引き上げていきましょう!

次回からは、いよいよ私の転職ノウハウをご紹介していきたいと思いますので、乞うご期待!!




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