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知っておくと役に立つビジネス用語解説

新卒のみなさんお仕事は慣れてきましたでしょうか。
仕事をしていると会話の中で耳慣れない単語が出てきて戸惑ったなんてこともあるかもしれません。

ビジネス用語は難しい言葉も多いですが、より多く意味を知っておくことでコミュニケーションが円滑になったり、業務への理解を深めることができると思います。

そんなわけで今回はビジネス用語についての解説をしていきましょう。
ただし一口にビジネス用語と言っても多岐に渡り数も多いので、弊社でもよく使うIT業界の用語を中心に解説していきたいと思います。
新卒も新卒以外の方にもお役に立てれば幸いです。


Web制作でよく使うビジネス用語

UI / UX

UIはユーザーインターフェイス(User Interface)の略で、ウェブサイトやアプリなどユーザーが直接操作するインターフェースのデザインを指します。
一方、UXはユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、製品やサービスを利用する際のユーザーの体験全般を意味します。

良いUIは直感的で使いやすく、良いUXはユーザーが満足する全体的な体験を提供します。
よくセットで語られますが言葉としては全く別のもので、UIはUXを提供するためのひとつの要素になります。

使用例:UI/UXを改善して商品ページからの予約を増やす

レスポンシブデザイン

異なるデバイス(デスクトップ、タブレット、スマートフォンなど)で見ても、それぞれのデバイスにあった最適な状態で表示させるデザインのことです。

最近はテレビでインターネットを使う人も多いので、レスポンシブデザインの範囲は広がり続けています。

使用例:レスポンシブデザインのため、スマホ用とPC用のデザインを作る必要がある

API

システムやアプリケーション、ライブラリなどの間で情報を交換するためのインターフェースのことです。

他社が開発したシステムでも、APIを連携することで自社のサービスやサイトに組み込むことができます。

使用例:APIを叩いてバッチ処理を実行する

会議でよく使うビジネス用語

アジェンダ

ミーティングや会議で話し合うべき議題のことを指します。
じゃあ議題と言えばいいのでは?と思われるかもしれませんが、アジェンダには会議全体のテーマや進行の流れ、開催場所や日時のことなどを含むことがあります。

使用例:次の会議のアジェンダを共有しておいてください

ブレスト

ブレインストーミングの略で、複数の参加者が集まり、自由な発想でアイデアを出し合う会議のスタイルを指します。
この方法は新しいアイデアを生み出すことを目的としており、相手の意見を否定したり遮らない、量より質を重視するなどの正しいやり方で行うことが重要です。

使用例:新しいキャンペーンのアイデアを出すために、明日ブレストを行います

プライオリティ

優先度という意味です。
プライオリティが高いということは優先度が高いということになります。
仕事でも日常生活でも常に物事に対してプライオリティを判断し、プライオリティが高いものから対応することがとても重要です。

使用例:プライオリティの高いタスクから処理をしよう

イニシアチブ

主導権という意味です。「イニシアチブをとる」とは率先して自発的に物事を進めることを指します。
物事を良い方向に進めるために積極的に行動する人がいるとプロジェクトがスムーズに進んだりします。

使用例: 彼はイニシアチブを取り、効率的にプロジェクトを進めました

マター

英単語のmatterには様々な意味がありますが、ビジネスで使う場合は「担当者」や「責任者」という意味になります。
誰が仕切っているのか、どこに責任の所在や決定権があるのかなどを表す言葉です。
◯◯さんマターという個人単位の他にも営業マターや人事マターなど、部署単位でも使われます。

使用例:この件に関しては部長マターなので勝手に対応できない

間違った使用例:うちの猫は100年生きたので猫マターになった

プロジェクトでよく使うビジネス用語

フェーズ

フェーズとは、プロジェクトやプロセスの段階を指します。
各フェーズは特定の目標や活動が定義されており、プロジェクト全体の進行を管理しやすくするために用いられます。
通常、初期フェーズから終了フェーズまで順序立てて進められます。

使用例:当プロジェクトは開発フェーズの最終段階にあり、次にテストフェーズに移行します

オンスケ

オンスケジュール(on schedule)の略で計画などが予定通り、もしくは予定より早く進行していることを指します。
オンスケのプロジェクトという言葉が出てきたら、そのプロジェクトは予定通り順調だということです。
逆にスケジュールが変更になることをリスケジュール(reschedule)の略でリスケといいますが、こちらは一般的にも使うことがあるかと思います。

使用例:例のプロジェクトは珍しくオンスケで進んでいる

マイルストーン

プロジェクトにおける中間目標のことです。
マイルストーンを設定することで、プロジェクトの進捗を可視化しやすくなり、チームが目標に向かって効果的に作業を進めるための指標となることが多いです。

使用例:このプロジェクトには3つのマイルストーンが設定されています

間違った使用例:この石は真球に近いのでまさにマルイストーンだ

ASAP

「As Soon As Possible」の略で、「なるべく早く」という意味。
いわゆる「なるはや」とも呼ばれたりします。
例えば「レポート、ASAPでお願いします」は「レポートをできるだけ早く提出してください」という意味になります。

ちなみに「なるべく早く」の温度感ですが、他に優先するべき重要な項目があればそちらが先で構わないが、それらが片付いたらすぐにやってほしい、
くらいの感覚だと思います。
強制はできないけど、頼む側からしたら急いでもらいたいということは理解しておくとよいと思います。

使用例:このメールの返信はASAPでお願いしたい

間違った使用例:ASAPは元国民的アイドルグループだ

ペンディング

ペンディングとは、何らかの決定や行動が保留されたり、先送りされている状態を指します。
ペンディングになる事情は様々ですが、必ずしもネガティヴな理由ばかりでもなく、他にプライオリティの高い事項を優先したり、方針を練り直す期間になったりすることもあります。
中止ではなく、あくまで保留であることにも留意しましょう。

使用例:そのプロジェクトはペンディング状態にあるため進めることができない

マーケティングでよく使うビジネス用語

コンバージョン

コンバージョンとは、ウェブサイト訪問者が商品を購入する、メールマガジンに登録する、問い合わせを行うなど、特定の目的を達成する行動のことを指します。
高いコンバージョン率は、マーケティングの効果が高いことを示しており、ビジネスの成功に直結します。ウェブマーケティングではとても重要な値になります。

使用例:今月のキャンペーンはコンバージョン率が前月比で20%向上し、目標を大きく上回りました

間違った使用例:今バージョンでは致命的なバグがある

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)の四つのステップからなる継続的な品質向上のためのフレームワークです。このサイクルを繰り返すことで、業務プロセスの効率化、問題の早期発見と解決などの改善が行われます。
近年ではPDCAに代わり、OODA (ウーダループ)という手法も出てきています。これはPDCAの欠点であるスピード感を補ったものです。

使用例:PDCAサイクルを回すことでプロジェクトの質が上がっていく

間違った使用例:好きな動物はPanda(パンダ)、Dog(犬)、Cat(猫)、Armadillo (アルマジロ)だ

ペルソナ

マーケティングで、自社のサービスや商品を利用している理想的な顧客像のことです。
ペルソナには年齢、職業、興味、生活習慣などが設定され、マーケティング戦略や製品開発の方向性を決定する際の参考とされます。

使用例:新しいアプリの開発にあたり、ターゲットとなるペルソナを定義し、そのニーズに合わせた機能を設計した

間違った使用例:ペルソナ2 罪

ブルーオーシャン

ブルーオーシャンはまだ競争が存在しない新しい市場のことです。
逆に競争の激しい市場のことはレッドオーシャンと呼びます。
まだ競合のいない分野にいち早く進出することで、新たな顧客層を開拓したり、自分達に有利にビジネスを展開したりします。

使用例:当社はブルーオーシャン戦略に基づいた新サービスを開発することで市場をリードしていきます

間違った使用例:たどり着いた偉大なる航路(グランドライン)はブルーオーシャンだった

企業でよく使うビジネス用語

ガバナンス

コーポレートガバナンスとも呼ばれ、企業が内部不正や不祥事を起こさないために管理する仕組みのことです。
コンプライアンスという言葉が近年定着しましたが、コンプライアンスを遵守するために実施されるのがガバナンスになります。
ガバナンスは企業が持続的に成長するために非常に重要であり、透明性、責任、公正さを確保するためのメカニズムが含まれます。

使用例:新しい事業部の立ち上げにあたり、効果的なガバナンス体制を構築するためのワークショップを開催しました

間違った使用例:ガバナンスがガバガバなんす

ナレッジ

ナレッジは知識や情報のことで、特に組織内で共有される専門的な知識や技術を指します。
知識やノウハウを共有、活用することで、組織全体での業務効率化やスキルアップを計ることが可能になります。
ナレッジを共有することをナレッジマネジメントとも言います。

使用例: セミナーで得たナレッジを部署の全員で共有した

間違った使用例:もうどうにでもナレッジ

ヒヤリハット

ヒヤリハットとは、事故に至らなかったが危険な状況が発生した際の経験やその記録のことを指します。
嘘みたいですがヒヤリとした、ハッとしたが語源になってます。
本当に重大な事故が起きてしまうのを未然に防ぐことがこれを共有する目的です。幅広い業界で使用されます。

使用例: ヒヤリハット報告が増えたため、安全対策を見直した

間違った使用例: サッカーの試合でヒヤリハットトリックの活躍だった

カスタマーサクセス

カスタマーサクセス(CS)は、直訳すると「顧客の成功」という意味で、その名の通り製品やサービスを買ってくれた顧客が成功し、長期的な顧客満足を確保するための企業の取り組みです。
似た言葉でカスタマーサポートもありますが、こちらが顧客主導で受動的なのに対し、このアプローチでは顧客のニーズを深く理解し、積極的に営業を展開します。
顧客満足度を上げることで、その顧客が継続的に利用してくれるのはもちろん他の顧客へ繋がる宣伝効果も期待できます。

使用例: 当社のカスタマーサクセスチームは、顧客が新しいソフトウェアを最大限に活用できるよう定期的にトレーニングを提供しています

間違った使用例:ジャイアンツは3位以内に入れそうなのでCSに進出できる

【おまけ】 テレコ

これはビジネス用語でもなんでもないのですが、通じずに困っている状況に遭遇したことがあるので入れてみました。
「互い違い」や「逆」といった意味で「テレコになってる」と言ったら「逆になってる」といった意味合いになります。
調べると関西の方言とのことなのですが、筆者は関東出身でも普通に知っていたので年代による差もあるのかなと思います。


今回は以上になります。
ビジネス用語は挙げ出すとキリがなく、今回取り上げたのもほんの一部で、また業界や会社によっても使う言葉が変わってきます。
難しい言葉や英語も多く、もっと平易な言葉でいいのではと思うこともあるかもしれませんが、その言葉でないと伝わらないニュアンスが含まれていることも多いです。

また受け取り手がその意味を理解できるようになるだけでなく、使う側もちゃんと意味を理解し、正しい言葉の使い方をすることが大事だと思います。

冒頭でも書きましたがこの記事がお仕事を円滑に進めるための一助になれば幸いです。