Rust コレクションとは 使い方と注意点について
今回はRustにおけるコレクションについて説明していきます。
コレクションとは
コレクション、データの集まりを管理するためのデータ構造です。
標準ライブラリでは、様々なコレクション型が提供されており、それぞれ特定の用途や性能特性を持っています。
代表的なコレクション型には、Vec、String、HashMap、HashSet、VecDeque、およびLinkedListがあります。
コレクションの使い方
Vec<T>
Vecは動的配列で、可変長の要素リストを格納します。要素の追加や削除が効率的に行えるように設計されています。
fn main() {
let mut vec = Vec::new();
vec.push(1);
vec.push(2);
vec.push(3);
for elem in &vec {
println!("{}", elem);
}
}
String
Stringは可変長の文字列を格納するためのコレクションです。Rustの文字列はUTF-8エンコードされており、Unicode対応です。
fn main() {
let mut s = String::new();
s.push_str("Hello, ");
s.push('W');
s.push_str("orld!");
println!("{}", s);
}
HashMap<K, V>
HashMapはキーと値のペアを格納するハッシュマップです。キーの検索や値の追加、削除が効率的に行えます。
use std::collections::HashMap;
fn main() {
let mut map = HashMap::new();
map.insert("one", 1);
map.insert("two", 2);
map.insert("three", 3);
if let Some(value) = map.get("two") {
println!("The value for 'two' is {}", value);
}
}
HashSet<T>
HashSetは一意の要素を格納するためのセットです。要素の追加、削除、存在確認が効率的に行えます。
use std::collections::HashSet;
fn main() {
let mut set = HashSet::new();
set.insert(1);
set.insert(2);
set.insert(3);
if set.contains(&2) {
println!("Set contains 2");
}
}
VecDeque<T>
VecDequeは両端キューで両端からの要素の追加と削除が効率的に行えます。
use std::collections::VecDeque;
fn main() {
let mut deque = VecDeque::new();
deque.push_back(1);
deque.push_back(2);
deque.push_front(0);
while let Some(elem) = deque.pop_front() {
println!("{}", elem);
}
}
LinkedList<T>
LinkedListは双方向連結リストです。両端からの要素の追加と削除が効率的に行えますが、ランダムアクセスは遅いです。
use std::collections::LinkedList;
fn main() {
let mut list = LinkedList::new();
list.push_back(1);
list.push_back(2);
list.push_front(0);
for elem in &list {
println!("{}", elem);
}
}
コレクションの注意点
性能特性の理解
各コレクションには異なる性能特性があります。
Vecはランダムアクセスが高速ですが、LinkedListは挿入と削除が高速です。
所有権と借用
コレクションを使用する際には所有権と借用のルールを理解しておく必要があります。
特に、ashMapやHashSetは所有権を持つキーや値を格納するため、要素の追加や削除時に所有権の移動が発生します。
スレッドセーフ
標準のコレクションはスレッドセーフではありません。スレッド間で共有する場合には、Arc<Mutex<T>>やRwLock<T>などのスレッドセーフなラッパーを使用する必要があります。
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